レッドブルF1の候補に浮上したヒュルケンベルグ「一番魅力的な選択肢。フェルスタッペン相手に自分の力を試したい」
2020年10月21日(水)10時28分 AUTOSPORT web
ニコ・ヒュルケンベルグは、2021年にレッドブル・レーシングに加入する可能性について語り、そのチャンスを得られるのであれば、若手で最も有望と評価されるマックス・フェルスタッペンと同じマシンで自分の実力を確かめたいとの考えを示した。
2020年F1第11戦アイフェルGPにおいて、ヒュルケンベルグはレーシングポイントから今季3度目の呼び出しを受け、体調を崩したランス・ストロールの代役を務めた。
ニュルブルクリンクを訪れたヒュルケンベルグは、いきなり予選から出場し、グリッドは最後尾となったが、決勝では8位でフィニッシュ、見事入賞を果たした。この活躍は、33歳のヒュルケンベルグがF1レギュラーシートを獲得できずにいる現状の不公正さを際立たせることになった。
しかし、ここにきてヒュルケンベルグに、来年レッドブルからF1に復帰するという希望がわずかながら出てきた。レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコが、ヒュルケンベルグをレッドブル・レーシングのドライバー候補として検討する可能性があると発言したのだ。
ただしマルコはアレクサンダー・アルボンの続投を最優先に考えている。彼はヒュルケンベルグやもうひとりの候補、セルジオ・ペレスが、アルボンと比べてフェルスタッペンに大幅に近づくことができるとは考えておらず、「(フェルスタッペンとの差が)0.3秒以内まで近づけるドライバーはいないと思う」と発言している。しかし、ヒュルケンベルグはその推定を否定した。
「調子がいいときには可能だ」とヒュルケンベルグは『Motorsport-Magazin』に語った。
「マックスは間違いなく凄腕のドライバーだ。スピードの点では、最速ではないとしても最速レベルのドライバーだと思う。つまり、彼をチームメイトに持つこと自体が大きなチャレンジなんだ」
「彼に対して自分がどういう結果を出せるのかを確認してみたい。チャンスが訪れるのかどうかみていこう」
■「どのチームでもいいからF1に復帰したいとは考えていない」とヒュルケンベルグ
ヒュルケンベルグは、自身の基準に見合うチームがあった場合にのみ、2021年のフルタイムドライバーとしてグリッドに復帰するという。
「そのチームがどのように発展していくか、スポーツ面の見通しはどうなのかといったことに尽きる。僕はF1に対して熱意があり、続けたいと思っているが、なんでもいいというわけではない」とヒュルケンベルグ。
「マシンの面ではレッドブルが最高の選択肢であり、最も魅力的だ。いちばん競争力のあるマシンだ」
『Sky F1』の解説者を務めるマーティン・ブランドルは、今年代役として素晴らしいパフォーマンスを見せているヒュルケンベルグが、来年レギュラーの座を得て復帰することを期待している。フォース・インディア時代のチームメイト、セルジオ・ペレスも来季シートが決まっておらず、実力あるこのふたりが再びどこかのチームでペアを組むのを見たいともブランドルは語った。
「ニコ・ヒュルケンベルグは急遽ストロールの代役と務めることになり、予選では最後尾になったが、レースでは力強さを見せ、必要なときにはアグレッシブな走りを披露した。それによって8位フィニッシュを成し遂げて、チームにさらなるポイントをもたらしたのだ」とブランドルは言う。
「2戦に関しては直前にサーキットに到着して出場したにもかかわらず、過去8戦でいえば、セバスチャン・ベッテルよりも多くのポイントを獲得している」
「セルジオ・ペレスとニコ・ヒュルケンベルグがどこかのF1チームで組むことになれば、素晴らしいコンビになるだろう」