吉田麻也も刺激。ラグビー日本代表から「学ぶべきことがたくさんある」

10月21日(月)16時0分 Sportiva

 10月19日に行なわれたプレミアリーグ第9節のウルバーハンプトン・ワンダラーズ対サウサンプトン戦。サウサンプトンの吉田麻也は3バックのCB中央として、リーグ戦3試合連続の先発出場を果たした。

 ただ、今節に向けて懸念もあった。

 日本代表の10月シリーズを終え、タジキスタンからサウサンプトンの練習に復帰したのが、試合の3日前。短い調整時間と長距離移動を考慮されてベンチスタートの可能性もあったが、代表ウィーク明け直後の試合でも先発起用された。開幕直後はベンチスタートの多かった吉田だが、ここにきてラルフ・ハーゼンヒュットル監督の信頼は高まってきた。


吉田麻也にラグビー日本代表の活躍ぶりについて聞いてみた

 その指揮官の期待に応えようと、吉田も盤石の守備を見せた。

 最終ラインをコントロールしながら、高さと速さ、機動力のあるメキシコ代表FWラウル・ヒメネスを完璧に抑えた。しかし、味方が与えたPKで失点し、試合は1−1の引き分けで終了。試合後、吉田は次のように振り返った。

「悔しいですね。今日は勝ち点3を取りたかったし、取らないといけなかった。(内容的には)ちょっとよくなかったけど、後半でリズムを取り戻してよくなったかなと。そういう意味では、PKのシーンももったいなかったと思いますけど、とりあえず勝ち点1を積み上げたと考えたい」

 吉田としては、代表ウィーク明けの試合は「絶対にパフォーマンスを落とせない」と言う。もし低調なプレーを見せれば、「代表での試合」を理由に先発を外される可能性があるからだ。

「前回も代表ウィーク明けでシェフィールド・ユナイテッドに勝ったし、今回はもちろん勝ちたかったけど、勝ち点1を積み上げて、失点もPKだけだった。その意味では、急に替えられる理由にはならないと思います」

 本人は確かな守備を見せたことで、一定の手応えを掴んでいた。実際、吉田のプレーは試合をこなすたびに、精度と安定感が高まっている。

 本人も「試合に出続けてリズムを掴めている。あと、コンディションもいい。(記者:過密日程になっているが、今は試合をどんどんこなしたい心境か?)やりたくない選手、いないでしょ。ちょっと休みたいって思う選手は、そう思った瞬間にプレミアではあっという間にポジション取られるから。ここだけでなく代表でもそうですけど、1秒たりとも譲る気はないです」と、貪欲に試合をこなしていきたいと語っていた。

 そんな向上心の塊である吉田が最近、熱心に見ているのがラグビーワールドカップだ。予選プール最終日のスコットランド代表戦は、アジア2次予選・タジキスタン戦に向けての練習でハイライトしか見られなかったが、それ以外はラグビー日本代表の戦いぶりを生中継で見守っているという。

 イギリスと日本の時差は現在8時間。日本代表対アイルランド代表戦が行なわれた9月28日は、ちょうど吉田も対トッテナム・ホットスパー戦が控えていたが、イギリス時間の朝8時にはテレビの前にスタンバイして声援を送った。ハーフタイムになったタイミングに合わせて、急いで朝食をとったというほどの熱の入れようだ。

 そんな吉田に聞いてみた。「屈強なボディを持つ外国人選手に立ち向かうラグビー日本代表の選手は、プレミアリーグのCBとして戦う吉田と重なるのではないか」と。吉田も、190cm強の長身FWたちと毎試合、フィジカルバトルでしのぎを削っているからだ。「ラグビー日本代表の戦いをどのように見ているか」と尋ねると、次のように答えた。

「(ラグビー日本代表は)どう考えても体格で劣っているじゃないですか。だから、体格の差を『数』でカバーしたりしているのは、サッカーの日本代表も学ぶべきことがたくさんあると思う。競技は違うけど、ゲームの入り方や、ゲームのマネジメントの仕方など本当に似ているなと。(ラグビーは)一回、一回、途切れる分、より綿密にゲームマネジメントできるとは思いますけど、見ていて勉強になります。

 ロシア戦は入り方が悪くて、どんな試合、どんな大会でも、入り方は大事なんだなと感じた。逆に、アイルランド戦みたいに大きなことを成し遂げるためには、全員が力を出し切ってやれば不可能ではないということも学ばせてもらった。大きな刺激を受けていると同時に、たくさん勉強させてもらっています。感謝ですね」

 吉田に話を聞いたのは、日本対南アフリカ戦が行なわれた試合前日。その翌日、ラグビー日本代表は南アフリカ代表に敗れ、準々決勝で涙を飲んだ。「試合を見ます」と語っていた吉田も、大きく肩を落としているに違いない。

 今回のラグビー日本代表の戦いを通して、吉田は「同じ日本代表」として大きな刺激を受けていた。世界の強豪国を相手に、いかに戦えばいいのか。体格面で劣る日本人選手がフィジカルで屈することなく勝利を掴むには、どうすればいいのか。あるいは、代表を束ねるキャプテンとしても感じることはあっただろう。

「サッカー日本代表はグループリーグを突破し、その次で勝てないという状況が続いている。僕らがワールドカップでもう一個、上の壁を突き破るために何が必要なのかというのを、教えてくれるきっかけになるんじゃないかと思います」

 31歳の日本代表DFは、ベスト8に進出したラグビー日本代表の功績を「ほんとにすごいこと」と尊敬しつつ、彼らの戦いぶりからヒントを得ようと熱い眼差しを向けていた。

Sportiva

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