藤川新体制の阪神が指名すべきは金丸夢斗の一択!? ”鳥谷超え”の宗山ではなく左腕獲りが求められる理由

2024年10月22日(火)5時30分 ココカラネクスト

今オフの投手強化の目玉となっている金丸。(C)産経新聞社

 今秋もプロ野球ファンにとって待望の瞬間が、いよいよ幕を開ける。10月24日にプロ野球ドラフト会議が行われる。

 毎年のようにさまざまなドラマが起きるドラフトは、12球団の「近未来」を見据えた戦略も浮き彫りになる。そうした中で、小さくない注目を集めるのは今季にセ・リーグ連覇を逃した阪神だ。シーズン終了とともに藤川球児監督による新体制を発足させた名門がいかなる補強を行うかは、ファンも関心を寄せるところだろう。

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 岡田彰布監督の下での2年間で38年ぶりに日本一に輝いた現チームは、投打ともにタレントが充実。今オフに大山悠輔らFAによる流出の可能性はあるものの、戦力的な大きな穴は現時点では見られない。

 そうした育成状況を加味し、あえて「世代交代」を進めるべきは先発投手陣だろう。

 一見すると阪神投手陣は盤石なように見える。今季は22年にトミー・ジョン手術から復帰した才木浩人が1年間ローテーションを守り抜き、「エース格」に成長。さらに大竹耕太郎と村上頌樹も健在。そして9月には才木同様にトミー・ジョン手術によるリハビリから高橋遥人が本格復帰し、5先発で4勝(1敗)、防御率1.52、WHIP0.81と上々の投球内容で大きな期待を抱かせた。

 ただ一方で開幕前に活躍が期待された伊藤将司と青柳晃洋の成績が低迷。今季に6勝(7敗)、防御率2.24の好成績を収めた西勇輝も来年に35歳となる。さらに西純矢や森木大智ら高卒入団の若手がやや伸び止んでいる印象は否めない。

 そうしたチーム事情を見込んで、ドラフト1位で指名すべき選手には、金丸夢斗(関西大)を推す。

 地元関西(兵庫県)出身の21歳は、今ドラフトのいわゆる「目玉」。複数球団による競合指名は避けられない状況ではある。ただ、そのリスクを差し引いても阪神に金丸指名を推す理由は、やはり圧倒的な成績。今年の大学リーグでも6登板で無失点、WHIP0.38と異彩を放っている。また、阪神の先発投手陣には左腕が少なく、1年目から1軍での活躍が期待できる即戦力は何よりも魅力だ。

 今秋は大学生を中心に全国的な実績も十分にある投手たちが豊富にいる。仮に金丸を巡るクジ引きに敗れたとしても、いわゆる「外れ1位」でも有力なタレントを獲得できる見込みがある。

山田や小幡ら1軍での競争が見たい遊撃手は揃っている印象だ。(C)産経新聞社

遊撃手の上位指名は必要なし?

 そのほかに補填すべきは、捕手だろう。

 矢野燿大体制下(2019年〜22年)で、梅野隆太郎と坂本誠志郎による二頭体制を確立させたが、来年に梅野は34歳、坂本は31歳を迎える。2軍には、今季に打率.321、OPS.920のハイアベレージも残した高卒3年目の中川勇斗や、1軍での出場経験もある榮枝裕貴など人材がいるが、競争力を高める意味でも戦力の拡充を図りたいところだ。

 そこで推したいのは、今ドラフトで「高校No.1捕手」の呼び声もある箱山遥人(健大高崎)。強肩とスローイングの良さに定評があるティーンエージャーは、「超高校級」と言われる長打力も魅力。確実性に課題はあるが、裏を返せば、伸びしろがあるということでもある。2軍で時間をかけながら数年後にトップを脅かす存在になれば、阪神の黄金期は続くはずだ。

 今秋のドラフトは「宗山ドラフト」とも言われるように、即戦力の遊撃手である宗山塁(明治大)の存在は大きな注目を集めている。こと阪神にとっても、東京六大学野球でリーグ通算116安打を記録し、球団OB・鳥谷敬氏の記録を抜いた遊撃手は喉から手が出るほど欲しい人材だ。木浪聖也の不振が響いた遊撃手はテコ入れの必要があるポイントで、複数メディアでも宗山を1位指名する可能性が論じられてもいる。

 だが、ここではあえて宗山の「1位指名」を推さなかった。というのも、すでに阪神には1軍での経験を持つ小幡竜平を筆頭に、山田脩也や百崎蒼生など将来性のある高卒の遊撃手はいる。今オフに遠藤成を戦力外にした背景から内野手の指名は確実視されるが、遊撃手の大物を指名しに行く可能性は小さいと考える。

 いずれにしても、若虎の台頭は、藤川監督による新体制の肝ともなる。その意味でも、今秋の阪神のドラフト戦略は興味深いものとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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