優勝・残留争いに変動?高円宮杯プレミアEAST第19節ハイライト【2024】

2024年10月22日(火)10時0分 FOOTBALL TRIBE

鹿島アントラーズ(左)柏レイソル(右)写真:Getty Images

高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2024のEAST(以下プレミアEAST)第19節が10月19日〜20日に各会場で行われ、激戦が繰り広げられた。第18節終了時点で首位を走る横浜FCユースはアウェイで7位の流通経済大学付属柏高校と対戦し、0-2で敗れている。一方で首位と勝ち点3差で2位につける鹿島アントラーズユースはアウェイで8位の川崎フロンターレU-18と対戦し2-1で勝利。これにより勝ち点・得失点差で両チームが並ぶも、総得点で上回った鹿島ユースが横浜FCユースを抜いて首位に立った。


また、全12チームの下位2チームが自動降格となる残留争いも熾烈を極めている。9位の尚志高校といわゆる“6ポイントマッチ”を戦った市立船橋高校(11位)が3-1で勝利。10位のFC東京U-18は4位昌平高校とホームで対戦したが1-2で敗北した。この結果を受け、9位から11位までの3チームが勝ち点20で並んだ。現時点での最下位は勝ち点10の大宮アルディージャU18で、次節の結果次第では早くも降格が決定する。ここでは、プレミアEAST第19節の各試合をハイライトと共に振り返る。




柏レイソル 写真提供: Gettyimages

ワッドの2ゴールで柏が逆転勝利


柏レイソルU-18(3-1)青森山田高校


【得点者】



  • 10分: 石川大也(青森)

  • 54分:ワッド・モハメッド・サディキ(柏)

  • 67分:吉原颯人(柏)

  • 76分:ワッド・モハメッド・サディキ(柏)


試合開始10分、青森山田らしいプレーで試合が動いた。青森のキャプテンDF小沼蒼珠のロングスローを柏レイソルU-18のGKが弾くも、それを拾ったFW石川大也がゴール左隅に流し込み青森が先制に成功。一方で同点に追いつきたい柏は、来季からトップチーム内定が決まっている大型FWワッド・モハメッド・サディキのポストプレーを起点に攻撃を組み立てようとするも青森ディフェンスの素早い寄せに遭い、なかなか自分たちのリズムを作れず前半が終了する。


後半に入りワッドを1列下げる戦術に出た柏。これが功を奏す。54分、柏の華麗なパスワークから青森陣地に攻め込むと、MF沼端隼人からヘディングでのフライスルーパスを受けたワッドが相手GKとの1対1を制し同点に追いつく。これで勢いづいた柏は67分にもFW吉原颯人の逆転ゴールを突き刺す。76分には右サイドからFW戸田昌斗のフライスルーパスをペナルティエリア内でワッドが受け、相手DF2枚を冷静に交わした後、GKとの1対1を冷静に沈めて勝負を決めた。


前節からの順位変動:柏レイソルU-18(3位→3位)、青森山田高校(5位→7位)




横浜FC 写真:Getty Images

横浜が今季2度目の連敗で首位陥落


横浜FCユース(0-2)流通経済大学付属柏高校


【得点者】



  • 53分:亀田歩夢(流経大柏)

  • 84分:松本果成(流経大柏)


今節はホーム試合となった流通経済大学付属柏高校。熱い応援もあり、前半から流経大柏が横浜FCユースを終始圧倒する展開。なかなか得点が決まらず前半をスコアレスで折り返す。後半に入っても流経大柏が横浜陣地に攻め込む構図は変わらない。すると53分、右コーナーキックのこぼれ球を来季カターレ富山(J3)への加入が内定しているMF亀田歩夢がゴールネット右隅に突き刺す強烈なシュートで先制に成功。84分にはフリーキックから途中出場MF松本果成のヘディングシュートが決まり勝負あり。流経大柏が2-0と完勝し、実に5試合ぶりの勝利を遂げた。一方の横浜はまさかの敗北で首位から2位へと後退した。


前節からの順位変動:横浜FCユース(1位→2位)、流通経済大学付属柏高校(7位→6位)




前橋育英高校 写真:Getty Images

シーソーゲームを制した前橋が歴代最高勝ち点に


前橋育英高校(3-2)大宮アルディージャU-18


【得点者】



  • 9分:オノノジュ慶吏(前橋)

  • 25分:丹野豊芽(大宮)

  • 32分:磯崎麻玖(大宮)

  • 41分:瀧口眞大(前橋)

  • 71分:佐藤耕太(前橋)


試合は前半から激しく動いた。開始9分に前橋育英高校のFWオノノジュ慶吏が先制ゴールを挙げると、大宮アルディージャU-18も激しいプレスでチャンスクリエイトし、25分にはMF丹野豊芽が同点ゴール。32分にもFW磯崎麻玖がゴールを挙げ大宮が逆転する。しかし41分に前橋のDF瀧口眞大が同点ゴールを叩き込み前半を2-2で折り返す。後半は徐々に前橋ペースとなり、71分にFW佐藤耕太が勝ち越しゴールを挙げた。その後はGK藤原優希の好セーブもあり、3-2で前橋が勝利。勝ち点を29に伸ばし同校のプレミアEAST歴代最高勝ち点記録を塗り替えた。


前節からの順位変動:前橋育英高校(6位→5位)、大宮アルディージャU-18(12位→12位)




市立船橋高校 写真:Getty Images

残留をかけた6ポイントゲームは市船に軍配


市立船橋高校(3-1)尚志高校


【得点者】



  • 12分:仲野真翔(市船)

  • 34分:仲野真翔(市船)

  • 66分:矢崎レイス(尚志)

  • 68分:渡部翔太(市船)


前半12分、コーナーキックから市立船橋高校FW仲野真翔がヘディングで合わせ先制に成功する。続く34分にもキーパーのフィードからFW伊丹俊元の優しいパスを再び仲野が決め、前半を2点リードで折り返す。後半も試合は市船ペースで進んだが、66分に尚志高校MF大内完介が放ったシュートがクロスバーに当たり、跳ね返ったボールをFW矢崎レイスが押し込んで1点を返した。その直後、MF渡部翔太のワントラップからのボレーシュートが決まり3-1。6試合負けなしで後半戦首位と絶好調の市船が奇跡の残留にまた一歩前進した。


前節からの順位変動:市立船橋高校(11位→11位)、尚志高校(9位→10位)




FC東京のゴール裏 写真:Getty Images

昌平が逆転勝利で首位との勝ち点差3に


FC東京U-18(1-2)昌平高校


【得点者】



  • 30分:金子俊輔(FC東京)

  • 42分:大谷湊斗(昌平)

  • 76分:オウンゴール(昌平)


試合は30分、MF北原槙のコーナーキックからDF金子俊輔がヘディングで合わせ、FC東京U-18が先制に成功。波状攻撃を続ける昌平高校は42分、MF中松陽太の柔らかいクロスをダイレクトで合わせたキャプテンMF大谷湊斗が同点ゴールを挙げる。後半に入り、昌平が攻め込む時間が目立ってくる。そして76分、左サイドからMF長璃喜がボディフェイントを駆使したドリブルでペナルティーエリア内にいた味方選手にラストパスを送ると、これがオウンゴールを誘発し昌平が2-1と逆転に成功する。その後、GK佐々木智太郎のファインセーブもあり、なんとか1点を守り切った昌平が優勝に望みをつなぐ3ポイントを手に入れた。一方、敗れたFC東京は第19節を終えて降格圏内の11位市立船橋、10位尚志と勝ち点20で並んでしまった。しかし、現時点で1試合未消化であることをポジティブに捉え、今後も勝ち点を積んでいきたい。


前節からの順位変動:FC東京U-18(10位→9位)、昌平高校(4位→4位)




鹿島アントラーズのホーム 県立カシマサッカースタジアム 写真:Getty Images

中学3年生の先制アシストで鹿島が首位浮上!


川崎フロンターレU-18(1-2)鹿島アントラーズユース


【得点者】



  • 50分:知久陽輝(川崎)

  • 64分:正木裕翔(鹿島)

  • 82分:玉木亜門(鹿島)


試合は川崎フロンターレU-18が2位の鹿島アントラーズユースに攻め込む時間が続く展開。50分にMF知久陽輝のゴールで川崎が先制するも、その後鹿島が攻勢を強めるべくカードを切る。54分に中学3年生のFW髙木瑛人を投入すると流れは完全に鹿島へと変わった。64分には後半から投入された髙木のラストパスをFW正木裕翔が決めて同点に追いつくと、82分にはDF玉木亜門のゴールで逆転。後半の交代で流れを変えた鹿島が貴重な勝ち点3を獲得した。さらに首位の横浜FCユースが敗れたため勝ち点・得失点差共に並んだが、総得点で6点上回った鹿島が首位の座についた。


前節からの順位変動:川崎フロンターレU-18(8位→8位)、鹿島アントラーズユース(2位→1位)




第19節終了時点の暫定順位



  • 1位:鹿島アントラーズユース(茨城県)勝ち点35、得失点差+7(総得点35)

  • 2位:横浜FCユース(神奈川県)勝ち点35、得失点差+7(総得点29)

  • 3位:柏レイソルU-18(千葉県)勝ち点32、得失点差+10(総得点38)

  • 4位:昌平高校(埼玉県)勝ち点32、得失点差+7(総得点31)

  • 5位:前橋育英高校(群馬県)勝ち点29、得失点差+5(総得点30)

  • 6位:流通経済大学付属柏高校(千葉県)勝ち点29、得失点差0(総得点32)

  • 7位:青森山田高校(青森県)勝ち点28、得失点差+2(総得点20)

  • 8位:川崎フロンターレU-18(神奈川県)勝ち点25、得失点差+3(総得点29)

  • 9位:FC東京U-18(東京都)勝ち点20、得失点差-4(総得点27)

  • 10位:尚志高校(福島県)勝ち点20、得失点差-4(総得点19)

  • 11位:市立船橋高校(千葉県)勝ち点20、得失点差-14(総得点18)

  • 12位:大宮アルディージャU-18(埼玉県)勝ち点10、得失点差-19(総得点17)


※前橋育英高校、川崎フロンターレU-18、FC東京U-18、大宮アルディージャU18は各1試合未消化
※勝ち点と得失点差が複数チーム並んだ場合、総得点数が多いチームが上位扱い

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