劇的逆転で初優勝の広島…佐々木翔「仲間に助けられました」満田誠「広島の方々皆に感謝」

　JリーグYBCルヴァンカップ・決勝戦が22日に行われ、サンフレッチェ広島がセレッソ大阪を2−1で下し、初優勝を成し遂げた。試合後、サンフレッチェ広島のDF佐々木翔、MF満田誠がフラッシュインタビューに登場した。

　試合は序盤から拮抗した展開となったものの、53分に加藤陸次樹にゴールを許し、広島は1点を追いかける展開となった。79分にはC大阪のDFマテイ・ヨニッチが退場処分となり、数的優位を得て10分近くを戦ったが、なかなかゴールネットを揺らすことができない。

　しかし、ドラマは後半アディショナルタイムに待っていた。右コーナーキックから放たれたヘディングシュートがC大阪のDF鳥海晃司のハンドを誘発し、広島にPKが与えられる。このPKを途中出場のFWピエロス・ソティリウが冷静に沈め、土壇場で広島が試合を振り出しに戻した。このまま延長戦突入かと思われたが、広島は攻撃の手を緩めない。90＋11分、満田の蹴った右コーナーキックからソティリウがボレーシュートを沈める。最後の最後で広島が逆転に成功し、試合はタイムアップ。広島にとっては8シーズンぶりに掴んだ決勝戦の切符で、嬉しいルヴァンカップの初タイトルを勝ち獲った。

　キャプテンマークを巻いてピッチに立った佐々木は、自身のバックパスを狙われる形で失点に絡んでしまった。それでも、その後は気落ちすることなく安定したプレーを披露。試合後には「仲間に助けられました。厳しい試合だったんですけれども、最高に嬉しいです」と笑顔で話した。

　さらに、ファン・サポーターに向けては「広島の皆さんのパワーがあったからこそ、ここまで来れたと思うので、ありがとうございます。そして、おめでとうございます」と感謝の言葉を述べた。「ハラハラしましたけど」と試合を振り返りつつ、劇的逆転勝利を飾ったことで「チームを称えてやってください」と呼び掛けている。

　一方、コーナーキックのキッカーを務める満田は、逆転に繋がった2つの場面を演出した。特に、2点目のシーンではソティリウにピンポイントのボールを蹴り込み、決勝ゴールをアシスト。満田は「中にたくさん競れる選手がいるので、良いところに蹴れば点を取ってくれると思っていました。思い切り蹴って、しっかりと合わせてくれたのでよかったです」と逆転弾を振り返った。

　16日に行われた天皇杯 JFA 第102回全日本サッカー選手権大会・決勝のヴァンフォーレ甲府戦では、延長戦の終盤に得たPKでキッカーを務めたが、相手GK河田晃兵の好セーブに阻まれた。その後に突入したPK戦でチームは敗北。あと1歩のところで涙を飲んでいた。

　満田は「本当に悔しい思いをさせてしまった分、結果で恩返ししたくて、1週間頑張ってきた」とファン・サポーターへの想いを明かしつつ、「それが本当にタイトルとして、恩返しすることができて、本当に広島の方々皆に感謝したいです」と話した。

　悲願のルヴァンカップ初制覇を成し遂げた広島には、明治安田生命J1リーグで3位以内に入り、来季のAFCチャンピオンズリーグ（ACL）出場権を獲得するという最後の“ミッション”が残っている。広島は29日にホームで行われる第33節で北海道コンサドーレ札幌と、11月5日に予定されている最終節では敵地でサガン鳥栖と対戦する。