【訃報】ヨシムラで鈴鹿8耐の第1・3回大会優勝、AMAスーパーバイク2度王者のウェス・クーリーが亡くなる

2021年10月23日(土)10時28分 AUTOSPORT web

 AMAスーパーバイクで2度チャンピオンを獲得し、鈴鹿8時間耐久ロードレースの第1回、第3回大会を制したウェス・クーリーが10月16日に亡くなったことがわかった。65歳だった。


 アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身のライダーであるクーリーは、AMAナショナルロードレースに参戦した後、吉村秀雄氏(ポップ吉村)が率いるヨシムラの契約ライダーとして1977年に新設されたAMAスーパーバイクに参戦した。


 初年度からカワサキZ1で1勝を飾ると、翌年からスズキGS1000に乗り換えても勝利を飾り、1979年にはチャンピオンになった。そして、1980年にはエディ・ローソン、フレディ・スペンサーなどを抑えてタイトルを防衛。2年連続で王者となった。


 また、三重県の鈴鹿サーキットで開催された鈴鹿8耐には、1978年から1982年まで5度参戦。参戦チームはヨシムラで、第1回大会となる1978年にマイク・ボールドウィンとのペアで194周を走破して優勝。また、1980年にはグレーム・クロスビーとのコンビで200周を走り切り2度目の勝利を飾った。

2017年鈴鹿8耐で、1978年鈴鹿8耐優勝マシンのレプリカ仕様となるヨシムラGS1000を走らせたウェス・クーリー


 しかし、1985年にサーキットでクラッシュを喫して大怪我を負ってしまう。治療により再びレースに出場できるまでに回復したが、往年の速さを取り戻すことはできなかったという。


 その後は、レースを引退してライディングスクールのインストラクターとなり、2004年にはAMAモーターサイクルの殿堂入りを果たす。また、2017年には鈴鹿8耐に来場し、1978年の鈴鹿8耐優勝マシンのレプリカ仕様となるヨシムラGS1000を走らせた。


 そんなクーリーは、糖尿病の合併症により、10月16日にアメリカ・アイダホ州の自宅で亡くなった。

サイン会を行うウェス・クーリー、グレーム・クロスビー、吉村不二雄社長

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