メジャー移籍を目指す“韓国のイチロー”にシビアな声 母国誌が伝えた吉田正尚との比較「日本との差を否定するのは難しい」

2023年10月23日(月)17時0分 ココカラネクスト

今年3月のWBCではダルビッシュから長打を記録していたイ・ジョンフ。その実力への評価は?(C)Getty Images

 韓国球界の至宝はメジャー移籍の夢を叶えられるのか。KBOリーグの強豪キウムに所属するイ・ジョンフの去就に関する話題が尽きない。

 実力は折り紙付きだ。元中日のイ・ジョンボム氏を父に持つ25歳のサラブレットは、22年シーズンに首位打者(.349)と打点王(113)の二冠を達成。リーグMVPにも選ばれ、韓国球界屈指の若手スターへと成長を遂げた。

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 シーズン開幕前に「メジャーに行きたい」と明言して迎えた今季は7月に左足首の靭帯を損傷。無念の長期離脱を余儀なくされたが、出場86試合で、打率.318、6本塁打、45打点、OPS.861と最低限の数字は残した。韓国球界はかねてから「超」が付くほどの打高投低が指摘される。そんな打者有利のリーグにおいても、キャリア7年で通算1181安打、同打率.340の成績は立派と言えよう。

 そんな次世代のヒットメーカーは米球界でいかなる評価をされているのか。米スポーツ専門局『CBS Sports』は、とくに獲得に向けて熱心なのはヤンキースとジャイアンツで、後者はピート・プティラGMが直に視察したと指摘。「よりレベルの高いメジャーの投手たちに対する対応と、新たな環境に馴染むには時間が必要かもしれない」と懸念を示しつつも、「何よりも彼の打撃は魅力的で、走塁や守備でもプラス評価を下すスカウトは多い」と現時点での評価を記している。

 一方でシビアな評価も下されている。韓国誌『週刊朝鮮』の取材に応じた“MLBの事情に詳しい関係者”は、「今の時点での予想として日本の吉田正尚(5年9000万ドル)や鈴木誠也(5年8500万ドル)のような規模の契約を引き出すのは難しい」と指摘。そして、こう応えている。

「吉田は日本球界でもトップクラスの打者だった。日本はアメリカで通用していた打者でも苦労するほど投手のレベルが高いリーグだ。もちろんイ・ジョンフが良い打者であることは事実だが、KBOリーグと日本プロ野球のレベル差を否定するのは難しい。

 イ・ジョンフは外野手だ。キム・ハソン(パドレス/遊撃手)ほど守備的な価値を認められるのは難しい。だから打撃で勝負しなければならない。そうした点で考えても、過度な契約金を予想するのではなく、より現実的に見る必要がある」

 昨オフに敏腕代理人スコット・ボラス氏と契約し、メジャー移籍に向けた準備は着々と進めてきたイ・ジョンフ。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック時には「大谷のようになりたい」と壮大な夢を語っていた25歳は、最終的にどれほどの規模の契約を締結するだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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