LEXUS TEAM SARD 2018スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

2018年10月25日(木)7時0分 AUTOSPORT web

DENSO KOBELCO SARD LC500
第7戦オートポリス、波乱のなかで8位フィニッシュ


2018 SUPER GT第7戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』(10/20〜21)
オートポリス(1周4.674km)
入場者数:予選1万550名、決勝2万380名 合計3万930名


 10月21日(日)、スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』の決勝が行われ、ウォームアップ走行で2番手タイムと燃料を積んだ状態の決勝セットアップが進んで速さが戻り、予選12番グリッドからの起死回生を狙ってスタートしたDENSO KOBELCO SARD LC500は、ヘイキがSC介入までに順位を8位にまで見事な追い上げでポジションアップ。集団の中でチャンスを窺う展開に。さらにジャンプアップを狙って、他車がピットインした際に猛プッシュし、33周を終えてピットインして素早く可夢偉を送り出した。
 
 アウトラップのブリッジ前の右コーナーT14でコースをはみ出すも何とかリカバリー。この間に3台に抜かれてしまい11位にポジションダウン。ふたたび巻き返し45周目あたりで7位から連なる集団に追いつくと47周目ヘアピンで集団前方が接触の混乱の隙に可夢偉がすり抜けて7位に。
 
 49周目ペースの速い24号車に抜かれて8位となるも、追いすがる6号車を見事に封じ込めて8位をキープしてチェッカー。波乱の決勝は12番グリッドから巻き返して8位フィニッシュとなった。
 
 ドライバーポイントでは3点を獲得(計39点)でランキング8位、チームポイントでは6点を獲得(計56点)でランキング9位のままとなった。残念ながら最終戦での今季のタイトル挑戦権は消滅したが、有終の美を飾るべく上位ランキング入りを目指して臨む、その最終戦は、11月10日(土)・11日(日)にツインリンクもてぎで行われる。


公式練習走行


 前戦SUGOでは貴重なポイントを獲得し、残り2戦にシリーズタイトルへの望みをつないだDENSO KOBELCO SARD LC500。第7戦は、昨季5月開催から今季10月開催に戻った九州はオートポリスが舞台。阿蘇外輪山の北方に位置する当地は標高900m、高低差52mのマウンテンコースで、コース幅は狭く前半ダイナミックかつ後半テクニカルなレイアウト。オーバーテイクポイントは限られており、特にセクター3では遅い車両に詰まるとタイムロスを喫しやすい。公式予選はノックアウト方式(Q1、Q2)で、決勝は約2時間の300kmで争われ、ピットストップは1回。ウェイトハンディは現獲得ポイントとイコールの数値となる36kgで、燃料流量リストリクターはシーズン当初の元の数値に戻った。


 今季シリーズ戦も残り2戦の大詰めとなり、お互いの威信とタイトル争い生き残りを懸けて、激しいしのぎ合いが予想される天王山となる重要な一戦。ランキングトップとのポイント差からも、目指すは勝利、少なくとも表彰台は必須条件となる。昨年当地で予選3位と速さを見せており、実力を発揮できればシーズン序盤の様に予選上位も見えてくるオートポリス。コース上では抜くポイントが限られているため、シーズンを通じて速さに定評のあるインラップ〜ピット作業〜アウトラップを最速でこなすことも必須。DENSO KOBELCO SARD LC500は、大会ポスターにも起用されており奮起が期待され、このタイトルへの挑戦権を懸けた厳しいレースに、チーム一体となり全身全霊を懸けて勝利を狙っていった。


 20日(土)午前中の公式練習走行は、9時から気温11度/路面温度15度と時折日差しが照るものの肌寒いコンディションの曇り空。いつも通りにまずはヘイキが硬い方のタイヤを装着してクルマの確認のため1周のみコースイン。路面が安定した頃を見計らって9時15分にふたたびタイヤ評価のためにコースイン。5周目に1分35秒442の5番手タイムをマーク。クルマのフィーリングに課題が見つかりセット変更を若干施して、続いてソフト系タイヤの評価を行った。

DENSO KOBELCO SARD LC500


 14周走ってヘイキはソフト系の方が良さそうだがクルマのフィーリングが低い路気温のコンディションとマッチしてないことを訴えたため、さらにセットアップを進めていった。18周目から可夢偉がドライブし、いつも通りヘイキが装着した2種類のドライタイヤを確認。公式練習走行の混走セッションでは最初に記録した1分35秒442の12番手となった。


 10分間のGT500クラス単独セッションでは可夢偉がアタックシミュレーションを行い、1分34秒718とタイムを更新も順位変わらず14番手で公式練習走行を終えた。路気温が低く、合わせ込みに時間がかかってしまいさらにセットの煮詰めを予選までに進めることとなった。続くサーキットサファリでは燃料を積んだ状態での決勝セットを進めて好ペースで12周を走行した。


公式予選


■公式予選Q1:ヘイキが全力尽くすも12番手
 20日(土)公式予選開始時の天候は快晴に。気温15度/路面温度34度に上昇し暖かさを感じられるコンディション。9分ほど遅れて14時59分からQ1が開始され、ファーストアタッカーに指名されたヘイキがソフト系タイヤを装着して残り7分ほどでコースイン。温まり状況を確認しながらウォームアップランを重ね3周目に本格的アタックに入ったヘイキ。今回も僅差の予選が予想され僅かな差が順位を大きく変える様相。
 
 各セクターで自己ベストを更新する全力アタックにのヘイキは、3周目に1分33秒807と好タイムをまず記録。続く4周目もセクター1でコンマ2秒削り気合いを見せるヘイキ。セクター2で若干遅れ、セクター3でもタイム更新が望めず万事休す。復調の兆しが見えフィーリングが戻りつつも、3周目のタイムとなる1分33秒807がベストとなり、ヘイキが全力を尽くすも12番手となった。


決勝


■ウォームアップ走行
 21日(日)の天候は秋晴れの雲ひとつ無い快晴から始まった。気温16度/路面温度35度のコンディションのなか、20分間のウォームアップ走行が行われ、巻き返しを期してさらに決勝セットの煮詰めを進めたDENSO KOBELCO SARD LC500は、スタート担当のヘイキが4周走行。続いて可夢偉が7周にわたってクルマの確認と調整を行った。燃料を積んだ状態でクルマは改善されており、追い上げが期待される決勝への準備を無事に整えた。


■決勝スタート
第1スティント:ヘイキが8位までポジションアップ

 21日(日)14時決勝スタート時点は気温17度/路面温度36度の快晴。12番グリッドから全身全霊を懸けて勝利を狙ってスタートしたDENSO KOBELCO SARD LC500は、ヘイキが序盤から12号車と激しい攻防戦を展開。その後、8周目に64号車をかわして11位に、16周目には10位、18周目には2台をかわして8位と着実に順位を挽回していった。
 
 GT300クラス車両ストップのため20周目〜24周目にSC導入された後はステイアウトして集団のなかでチャンスを窺う展開に。ヘイキはさらにジャンプアップを狙って、他車がピットインした際にここが頑張り所として猛プッシュ。前とのギャップを削ったところで33周目を終えてヘイキをピットに呼び戻した。

DENSO KOBELCO SARD LC500


第2スティント:可夢偉が後方を封じ込め8位フィニッシュ
 素早く可夢偉を送り出したが、数台との混戦のなかでアウトラップのブリッジ前の右コーナーT14でコースをはみ出すも何とかリカバリー。この間に3台に抜かれてしまい11位にポジションダウン。意地の可夢偉はふたたび巻き返し45周目あたりで7位から連なる集団に追いつくと47周目ヘアピンで集団前方が接触の混乱の隙に可夢偉がうまくすり抜けて7位に。49周目ペースの速い24号車に抜かれて8位となるも、追いすがる6号車を見事に封じ込めて8位をキープしてチェッカー。波乱の決勝は12番グリッドから巻き返して8位フィニッシュとなった。
 
 ドライバーポイントでは3点を獲得(計39点)でランキング8位、チームポイントでは6点を獲得(計56点)でランキング9位のままとなった。残念ながら最終戦での今季のタイトル挑戦権は消滅したが、有終の美を飾るべく上位ランキング入りを目指して臨む、その最終戦は、11月10日(土)・11日(日)にツインリンクもてぎで行われる。


ヘイキ・コバライネン


「走り出し合わせ込みに時間がかかってが順調とは言えず苦しい予選となってしまった。チームがハードワークしてくれて決勝までにビックステップしてスタートから良い感じで走れたことに感謝している」


「厳しい状況のなかで波乱のレースを8位で終えてポイントを得ることができたし、レース中には次のもてぎへの良い方向性も見えて収穫はあった。今季タイトル獲得の可能性が消えてしまったけど、最終戦ではシリーズ3位までは狙えるので、この結果を分析して最終戦まで3週間の間に良い準備をし、それに向けて精一杯頑張っていくよ」


小林可夢偉


「この週末、最初乗った時に比べてクルマは改善されていったのですが厳しい週末になりました。決勝では全体的には若干オーバーステアな感じで、後半のテクニカルセクションは他車との差を決勝までに僅かですが埋められませんでした」


「その状況のなかでポイントを獲得できたのは良いことですし、タイトル獲得の望みは消えたとはいえ、最終戦までに色々と対策を図って、上位ランキング獲得を目指して力の限りを尽くしていきたいと思います。引き続きご声援のほどよろしくお願い申し上げます」


佐藤勝之 総監督


「週末を通じて厳しい戦いになったとはいえ何とかポイントを獲得。土曜日は苦しい出だしでしたが、決勝までに状況を打破して取り戻すチーム全員の底力を頼もしく感じることができました」


「この苦しいレースがゆえに、我々にとっては大きな収穫ありましたし、次の最終戦もてぎに向けては、強いサードをお見せして有終の美を飾り、笑ってシーズンが終われるように、引き続き全身全霊をかけて日々努力を重ねて参ります。温かい御声援を引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます」

小林可夢偉と第7戦オートポリス直前に誕生日を迎えたヘイキ・コバライネン


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