WTCR日本ラウンドが開幕。モンテイロ&クリストファーソンがPP獲得、富田&宮田も好位置に

2019年10月25日(金)19時5分 AUTOSPORT web

 FIA WTCR世界ツーリングカーカップは10月25日、フリープラクティス1/2と予選1回目、予選2回目が行われ、予選1回目ではティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がポールポジションを獲得。ホンダ勢が地元レースでトップ3を占めた。ノックアウト形式の予選2回目ではヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がトップタイムをマークしている。


■フリープラクティスはヘビーウエット


 10月24日(木)には、参戦するドライバーが集まり歓迎パーティが行われ、いよいよ10月25日(金)の8時30分にフリープラクティス1がスタートしたWTCR世界ツーリングカーカップのJVCケンウッド・レース・オブ・ジャパン。ただ、朝から鈴鹿サーキットは強い雨となっており、フリープラクティス1、そして10時15分からのフリープラクティス2ともにフルウエットでの走行となった。


 フリープラクティス1では、オーレリアン・パニス(クプラTCR)が1コーナーで激しくクラッシュ。パニス自身に怪我はなかったが、クプラTCRは大きなダメージを受けてしまった。「僕は大丈夫だけど、クルマが予選までに直るかどうか……」と今回父オリビエも駆けつけているパニスは語った。


 45分間のFP1では、ニルス・ランゲベルト(アウディRS3 TCR)が1分00秒153でトップタイムをマーク。フレデリック・ベルビシュが続き、コムトゥユー・チーム・アウディスポーツのアウディ勢がワン・ツーを占めた。3番手にはガブリエレ・タルキーニ(ヒュンダイi30N TCR)が続いた。


 10時15分からのフリープラクティス2では、雨はやや弱まったものの、途中マ・キンファ(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)がアウトラップで左リヤのホイールが外れ2コーナーでストップ。赤旗が提示される。また、再開直後には「すごくスリッピーだ」というベルビシュが2コーナーでコースアウトしグラベルに。二度の赤旗中断となった。


 FP2では、ヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が59秒814をマークしトップタイム。ロブ・ハフが続き、セバスチャン・ローブ・レーシングのフォルクスワーゲン勢がワン・ツーに。テッド・ビョーク(リンク&コー03 TCR)が3番手につけた。


 今回、ワイルドカードでWTCRに参戦しているAudi Team Hitotsuyamaの2台のアウディRS3 TCRは、FP1では77号車宮田莉朋が1分01秒072をマークし12番手に。7号車の富田竜一郎が1分02秒096で27番手につけると、FP2では両車ともタイムアップ。宮田が1分00秒112で8番手、富田が1分00秒177で11番手につけた。ウエットでは宮田車に利があるようだが、「ウエットでは戦える手ごたえがある(富田)」と好感触を得た。


■強雨の予選1回目は大荒れ。シビック勢がトップ3独占


 13時からスタートしたレース1のグリッドを決める予選1回目は、午前中に続きヘビーウエットとなってしまった。さらに29台のマシンが30分間の予選のなかで一斉にコースインしたこともあり、コース長の短い東コースではクリアをとるのもひと苦労。さらにコースアウトしたりテールスライドしたりというシーンが各所で見られた。


 そんななか、開始から6分というところで、逆バンクでスピンを喫したダニエル・ハグロフ(クプラTCR)がグラベルにストップ。赤旗中断となる。セッションは13時13分に再開されるものの、今度はS字でミケル・アスコナとトム・コロネルという2台のクプラTCRが接触。アスコナ、コロネルともにマシンを止めてしまい、再度赤旗となった。


 予選1回目は13時26分に再開されたが、雨脚はむしろ強まった印象。各車ともクリアラップをとるべく間隔をあけアタックに入るが、すぐにアウトラップのマシンが出てしまう状況。そんななか、今度は名手イバン・ミューラー(リンク&コー03 TCR)が1コーナーでコントロールを失い激しくクラッシュ。三たび赤旗となった。


 13時45分の再開後はアクシデントなくセッションが進んでいくが、少しずつタイムも向上。アンディ・プリオール(リンク&コー03 TCR)が1分00秒297にタイムを上げトップに立つが、それを上回ったのはベルビシュ。さらにタルキーニも2番手に飛び込んだ。


 そんななか、残り5分というところでついに1分を切ったのはティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)。ただその直後、モンテイロの背後を走っていたアッティラ・タッシ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がコースオフ。2コーナーでストップし、4回目の赤旗となってしまった。


 セッションは14時05分に再開されるが、この頃には雨が止み、チェッカーまでの残り3分で一気にタイムが上がりはじめた。ここで2番手にエステバン・グエリエリ、さらにネストール・ジロラミとオールインクルーシブ・ミュニッヒ・モータースポーツのホンダ・シビック・タイプR TCR勢がタイムアップ。モンテイロ、グエリエリ、ジロラミとシビック勢がトップ3を占めた。


 そして、ウエットのなか大健闘をみせたのはAudi Team Hitotsuyamaの2台。宮田が1分00秒204で7番手につけると、富田も1分00秒628で16番手に。レース1で上位をうかがうグリッドにつけることになった。


■予選2回目は少しずつ路面が乾く展開に


 TCRジャパンの予選をはさみ、15時55分にスタートしたWTCRの予選2回目。日曜のレース2/3のグリッドが決まる予選だが、TCRジャパンの予選の最中に雨は止み、少しずつ路面が乾いていくなかでのノックアウト予選となった。


 Q1の開始から10分間は、大きなアクシデント等はないものの、各車マシンをスライドさせながらのアタックとなった。そんななか、プリオールがまずは1分00秒226でトップに。グエリエリが続いた。残り5分までに各車一度アタックを行った後、ピットに戻っている。


 終盤、各車がアタックを展開していくが、残り10秒ほどというところで、アウグスト・ファーフス(ヒュンダイi30N TCR)がS字でコースオフ。ストップしてしまい、赤旗中断となってしまった。これでトップはプリオール、2番手にグエリエリ、3番手にテッド・ビョーク(リンク&コー03 TCR)が続いた。富田は15番手、最後のアタックの機会を逃してしまった宮田は22番手でQ2進出はならなかった。


 続くQ2でもスリッピーな状況は変わらなかったが、そんななかプリオールがついに59秒864までタイムを縮めトップでQ3進出を果たすと、モンテイロ、グエリエリ、クリストファーソン、車両修復成ったアスコナがQ3に進出する。10番手はノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30N TCR)となった。


 トップ5によるアタックでは、クリストファーソンが59秒627をマークし、見事レース3のポールポジションを獲得。モンテイロのシビックが2番手につけ、アスコナ、グエリエリ、プリオールと続くトップ5となった。


 金曜の初日がすべてウエットとなったWTCRレース・オブ・ジャパン。10月26日からはドライになることが予想されており、どんな展開になるのか想像もつかないレース1となりそうだ。


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