【J2リーグ2023】残留争い6クラブの行方。残り対戦カードと注目選手!

2023年10月27日(金)12時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

いよいよ3試合を残すのみとなった2023明治安田生命J2リーグ。全22クラブが第39節を終えた10月22日、最下位ツエーゲン金沢のJ3降格が確定した。


下位2クラブがJ3へと自動降格する今季のレギュレーションで、残る降格枠はあと1つ。現在16位から21位の6クラブ(徳島ヴォルティス、いわきFC、ロアッソ熊本、栃木SC、レノファ山口、大宮アルディージャ)が勝ち点差わずか5の中でJ2残留に向けてしのぎを削っている。現時点21位で降格圏にいる大宮は、直近4連勝と残留に向けてラストスパートをかけており、僅差で戦う6クラブ全てが油断できない状況だ。


ここでは、J2の熾烈な残留争いの只中にいる6クラブについて、2023シーズン残りの対戦カードや戦績、注目選手を見ていこう。




徳島ヴォルティス FW柿谷曜一朗 写真:Getty Images

徳島ヴォルティス:現16位



  • 第39節時点:9勝17分13敗(勝ち点44、得点40、失点51)

  • 勝率:ホーム25%、アウェイ21%

  • 直近5試合:1勝1分3敗(得点4、失点8)


残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績



  • 第40節:V・ファーレン長崎(アウェイ)第10節0-4

  • 第41節:藤枝MYFC(ホーム)第17節0-3

  • 第42節:ブラウブリッツ秋田(アウェイ)第6節0-0


咋2022シーズンはJ2で8位という好成績を収めた徳島ヴォルティス。今2023シーズンは、ここまで9勝17分13敗で現在16位。直近5試合は1勝1分3敗(4得点8失点)と決して良い状態とは言えないが、開幕から11戦勝ちなしで最下位に甘んじていたシーズン序盤に比べると、残留に向けて地道に勝ち点を積み重ねてきたと言える。


残り3戦はいずれも今季勝てていない相手のため、難しい試合になることは必至だ。しかし、この状況を逆手にとれば、窮地に追い込まれた徳島のリベンジ魂が大きな力となり、残留圏に踏みとどまる可能性も否めない。


注目選手はFW森海渡だ。柏レイソルから期限付き移籍中の森は、今季これまで12ゴールを決めクラブ内では得点王、リーグでも5位の成績でチームをけん引してきた。直近9試合はノーゴールだが、J2残留を懸けた最終盤、得点王らしい活躍でチームを助けることができるだろうか。




Jリーグ旗 写真:Getty Images

いわきFC:現17位



  • 第39節時点:11勝11分17敗(勝ち点44、得点40、失点63)

  • 勝率:ホーム30%、アウェイ26%

  • 直近5試合:2勝1分2敗(得点7、失点12)


残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績



  • 第40節:ジェフユナイテッド市原・千葉(アウェイ)第21節0-0

  • 第41節:モンテディオ山形(ホーム)第20節0-3

  • 第42節:藤枝MYFC(アウェイ)第1節2-3


2021シーズン、日本フットボールリーグ(JFL)で優勝しJ3に昇格したいわきFC。昨2022シーズンは創設以来初となるJ3の舞台で23勝7分4敗と見事な成績を挙げ優勝し、J2へのストレート昇格を決めた。今2023シーズンはこれまで11勝11分17敗で17位につけている。


残留争いをする6クラブの中では比較的高い勝率を誇っているが、徳島同様、残り3試合で対戦する相手に今季勝利できていない。昇格プレーオフ圏(3位〜6位)を争う千葉(現5位)と山形(現8位)も含まれている。JFLからJ3、J2と順調に昇格してきたいわきの勝負強さでこの局面を乗り切り、何とかJ2に留まりたいところだ。


注目選手はMF山下優人。2019年、東北社会人サッカーリーグ1部所属だったいわきに加入すると、2年後のJFL2021シーズン全試合に出場し活躍。その年のJFLベストイレブンに選出され最優秀選手賞を受賞するなどし、JFL優勝とJ3昇格に大きく貢献した。2022シーズンはキャプテンに就任し躍動。チームを優勝に導き、J3ベストイレブンにも選ばれた。今季もキャプテンを務めている山下は、これまで全試合に出場し奮闘中。最終盤の難局を乗り越え、無事にJ2での2年目を迎えることができるだろうか。




ロアッソ熊本 MF平川怜 写真:Getty Images

ロアッソ熊本:現18位



  • 第39節時点:11勝10分18敗(勝ち点43、得点46、失点49)

  • 勝率:ホーム25%、アウェイ32%

  • 直近5試合:3勝2敗(得点7、失点4)


残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績



  • 第40節:清水エスパルス(アウェイ)第20節0-1

  • 第41節:ヴァンフォーレ甲府(アウェイ)第14節2-0

  • 第42節:レノファ山口(ホーム)第4節3-1


咋2022シーズンは、J2で4位と好成績でシーズンを終えたロアッソ熊本。今2023シーズンはここまで11勝10分18敗で18位につける。アウェイでの勝率が32%とホームより高く、敵地での戦いを得意としてきたのが特徴だ。


残り3試合のうち2試合がアウェイであることは熊本にとってやや有利。また、対戦する3クラブ中2クラブには今季勝利も挙げている。しかし優勝争いをしている清水(現2位)、プレーオフ出場を目指す甲府(現7位)、残留争いをしている山口(現20位)と、いずれも最終節まで勝ち点を渇望しているチームであり、厳しい戦いが予想される。


注目選手は、今季からからキャプテンを務めるMF平川怜。ここまで、1試合平均敵陣パス数(35.9)1位、1試合平均チャンスクリエイト数(2.8)2位で6ゴール7アシストを記録し、特に攻撃面で大きく貢献している。J3時代(2020年)からチームを率いる大木武監督のポゼッションサッカーにおいて攻撃のスイッチを入れる役割も担い、ラスト3戦でも多くのチャンスを創ることが期待される。


栃木SC FW矢野貴章 写真:Getty Images

栃木SC:現19位



  • 第39節時点:10勝13分16敗(勝ち点43、得点37、失点43)

  • 勝率:ホーム35%、アウェイ16%

  • 直近5試合:1分4敗(得点2、失点9)


残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績



  • 第40節:ファジアーノ岡山(アウェイ)第18節2-1

  • 第41節:東京ヴェルディ(アウェイ)第16節0-2

  • 第42節:ジュビロ磐田(ホーム)第6節0-2


咋2022シーズンのJ2では17位でシーズンを終えた栃木SC。今2023シーズンはここまで10勝13分16敗で現在19位。ホームでの勝率がアウェイのほぼ倍であることから、圧倒的にホームゲームが得意と言えるだろう。


残り3試合中ホームでの試合は1つ。本拠地を得意とする栃木にとってやや不利だと言える。また、対戦する3クラブには今季1勝2敗。唯一勝利している岡山(現10位)は逆転でのプレーオフ進出を狙って猛進中。リーグ最少失点で屈指の守備を誇る東京V(現4位)と高い攻撃力でリーグ3位の得点数を誇る磐田(現3位)は上位2枠の自動昇格圏を争っており、いずれも栃木にとっては強敵だ。第35節以降4連敗で迎えた10月22日の第39節では、ホームであるカンセキスタジアムとちぎに集まった1万人超の観客の後押しを受け、貴重な勝ち点1を獲得した(大分トリニータ戦1-1)。今後の3戦は厳しい展開が予想されるだけに、サポーターからの声援は“12番目の選手”として、チームの大きな力となるだろう。


注目選手は、アルビレックス新潟から期限付き移籍中のGK藤田和輝。今年中国で開催された第19回アジア競技大会(杭州アジア大会)では、準々決勝から決勝までの3試合で先発出場を果たした。今季これまで、ペナルティエリア内セーブ率は65.8%(リーグ10位)、ペナルティエリア内シュートキャッチ率は37%(同6位)、ペナルティエリア外シュートキャッチ率は65.5%(同7位)、クロスに対するパンチ率が16.1%(同8位)と素晴らしい成績を残している。1ゴールがドラマを生む最終盤、藤田の活躍がチームの運命を握っていると言っても過言ではない。




レノファ山口 DFヘナン 写真:Getty Images

レノファ山口:現20位



  • 第39節時点:10勝13分16敗(勝ち点43、得点35、失点61)

  • 勝率:ホーム30%、アウェイ21%

  • 直近5試合:2勝2分1敗(得点7、失点6)


残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績



  • 第40節:ベガルタ仙台(アウェイ)第21節2-0

  • 第41節:町田ゼルビア(ホーム)第16節0-2

  • 第42節:ロアッソ熊本(アウェイ)第4節1-3


咋2022シーズンを16位で終えたレノファ山口。今2023シーズンはこれまで10勝13分16敗で現在残留圏ぎりぎりの20位につけている。敵地より本拠地での勝率がやや高い山口だが、残り3戦中2試合はアウェイでの試合。その上、頼みのホーム試合は首位町田とのカードだ。


次節で対戦する仙台は現在14位。あと1勝でJ2残留が決まる正念場だ。残すカードが長崎(現6位)と町田(現1位)のため、仙台としては山口を制し早々に降格圏争いから抜け出したいに違いない。決して恵まれているとは言えない残りのカード。今季途中で就任したフアン・エスナイデル新監督がこの苦境にどんな戦略で挑むのか期待が高まる。


注目選手は、直近5試合で4ゴールと終盤にきて調子を上げているFW梅木翼。2桁ゴールを目標とする梅木が得点を量産できれば、チームのJ2残留が見えてくるはずだ。




大宮アルディージャ FW室井彗佑 写真:Getty Images

大宮アルディージャ:現21位



  • 第39節時点:11勝6分22敗(勝ち点39、得点37、失点63)

  • 勝率:ホーム37%、アウェイ20%

  • 直近5試合:4勝1敗(得点7、失点6)


残りの対戦相手と2023シーズン対戦成績



  • 第40節:ヴァンフォーレ甲府(ホーム)第18節1-5

  • 第41節:清水エスパルス(アウェイ)第11節0-3

  • 第42節:東京ヴェルディ(ホーム)第7節0-1


咋2022シーズンを19位で終えた大宮アルディージャ。今2023シーズンはここまで11勝6分22敗と振るわず現在21位で降格圏にいる。今季中盤以降は最下位から浮上できず、苦しいシーズンを送ってきた。


残り3戦中2試合をホームで戦えるのは、残留争い中の6クラブでは大宮のみ。本拠地での対戦を得意とする大宮にとってはプラス要因だ。降格圏ながらも直近5試合で4連勝と好調を維持している大宮だが、プレーオフ出場を目指す甲府(現7位)、優勝争いをする清水(現2位)、自動昇格圏を狙う東京V(現4位)との戦いは今季全敗していることもあり、困難を極めるだろう。


注目選手は、直近6試合で3ゴールを決めているFW室井彗佑だ。今季プロ入りした室井は、東洋大学在学中の2022年に大宮の特別指定選手に承認され、同年の関東大学リーグ1部で得点王を獲得。その際「大宮のJ1昇格に貢献したい」と語っている。その目標に近づくためにも、ここで降格するわけにはいかない。得点王らしさを発揮し窮地に陥るチームに勝利をもたらすことができるか。若きルーキーの活躍に注目したい。

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