ファン待望の新型『GR86』発売。BRZと乗り比べできるFUJI 86 STYLE with BRZに出展へ

　TOYOTA GAZOO Racingは10月28日、スバルとの共同開発によって誕生した新型スポーツカー『GR86』を同日より発売するとアナウンスした。新型GR86は全国のGR Garageをはじめとするトヨタ車両販売店を通じて販売される。

『トヨタ86』の登場から9年、ファン待望の2代目が装いを新たにGR86として登場した。この新型スポーツモデルは、トヨタが2019年9月に“新たな業務資本提携”を結んだスバルとともに、「スポーツカーのワクワク・ドキドキ、走る愉しさを守り続けたい」との想いをともにして生み出されたものだ。

　GR86は先代と同様に『スバルBRZ』とクルマのベースを共有する。しかし、そのなかで両社はそれぞれの個性を引き出したスポーツカー開発を実施。これにより新型GR86はドライバーの意のままに操れる“手の内感”や限界域でのリニアな応答、キビキビした走りといった“GRらしい走り味”が付与され、さらなる高い次元でのダイレクトで気持ちのいい走りを手に入れた。

　それを実現させるのが“超低重心FRパッケージ”だ。先代から継承されたこのテーマでは車両パッケージやサイズは従来型からほとんど変更せずに、全高と乗員のヒップポイントを低く抑えるとともに、シートポジションを車両の内側に設定し、さらなる低重心化と回頭性の向上を実現させた。

　また、ボディ剛性も高められ従来型と比べて横曲げ剛性が約60％、ねじり剛性は約50％向上。高速コーナーにおける軽快なハンドリングなど、優れた操縦安定性能を確保している。高張力鋼板の拡大採用をはじめ、フロントフェンダーとエンジンフード、エンジンアンダーカバー、ルーフにアルミ材を使用するなど、車両の軽量化も徹底して行われた。

　新型86ではエアロダイナミクスにも焦点が当てられ、モータースポーツからのフィードバックを生かした空力アイテムが多数採用されている。フロントフェンダー後部のエアアウトレットやドア下のサイドシルスポイラー、リヤエンドのダックテールなどがそれだ。これらのパーツはフロントの接地性やリヤの安定性をはじめ、優れた操縦応答性と安定性に寄与する。また、TOYOTA GAZOO RacingではGR86の魅力を最大限に引き出すカスタマイズパーツ『GR PARTS』も用意している。

■価格は279万9000円から

　心臓部にあたる水平対向エンジンは新型BRZと同様に、排気量が2.0リットルから2.4リットルにアップ。これにより0-100km／h加速性能を従来型の7.4秒から6.3秒に縮めるなど動力性能が向上するとともに、高回転域までストレスなく伸びるフィーリングを実現した。なお新型エンジンでは、ガソリンの噴射方式である筒内直接噴射とポート噴射、この2種類を運転状況に応じて最適に制御する専用ツインインジェクターを備えた“D-4S”が採用されている。

　インテリアは全体が水平に構成され、インパネとスイッチなどの操作系を最適に配置。ドライビングに集中できる空間となっている。メーターは7インチカラー＋LCD液晶メーターのBOXERメーターを採用し、タコゲージの先端やリングが赤色に変わるなど走行モードによって表示が変化する。

　軽量フロントシートは身体をホールドする部分を独立したパッド形状とし、シート表皮にはスポーツ走行による前後左右Gにも耐えうる、グリップ性に優れた素材が採用された。

　この他、AT車にはスバルの運転支援システム“アイサイト”を採用する新型GR86は、RZ、SZ、RCの3グレードが用意され、RZが334万9000〜351万2000円（税込）、SZが303万6000〜319万9000円（税込）、6速MTのみ設定のRCは279万9000円（税込）となっている。

　TOYOTA GAZOO Racingは新型モデルの発売にあたって、富士スピードウェイで11月21日に開催されるファンイベント『FUJI 86 STYLE with BRZ 2021』に新型GR86を出展する。同イベントではいち早くGR86を乗れるだけでなくスバルBRZと乗り比べることができるなど、GR86の“走りの味”を体感できるコンテンツがご用意されるという。また、イベントの様子はTGR公式YouTubeチャンネル（https://www.youtube.com/channel/UCCtALHup92q5xIFb7n9UXVg）でライブ配信される予定だ。イベントの詳細は富士スピードウェイ公式ページ（https://www.fsw.tv/freeinfo/045799.html）まで。