J1参入プレーオフを戦う4クラブのキーマンまとめ【J2リーグ2022】

2022年10月29日(土)14時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

明治安田生命J2リーグは2022シーズンの日程を終了し、順位が確定した。2021シーズンの異例なレギュレーションにより、J1リーグから4チームが降格となっていたこともあってか、終盤まで熾烈な順位争いとなった。


その中、2017年以来の久々のJ1昇格を果たしたアルビレックス新潟(1位)と、昨2021年はJ1最下位の屈辱を味わった横浜FC(2位)はやや抜けた存在だったと言えるだろう。一方で、昨年はJ2で3位となり今シーズンは天皇杯のタイトルも獲得したヴァンフォーレ甲府が18位で終わるなど波乱もあった。


しかし、まだまだJ2の戦いは終わっていない。なぜなら昇格への最後のチャンスであるJ1参入プレーオフが残っているからだ。最終順位が3位のファジアーノ岡山、4位のロアッソ熊本、5位の大分トリニータ、6位のモンテディオ山形がプレーオフを戦う。ここでは、J1昇格のチャンスを得るべく戦う4チームそれぞれのキーマンを紹介していく。




ファジアーノ岡山 DFヨルディ・バイス(当時京都サンガ)写真:Getty Images

ヨルディ・バイス(ファジアーノ岡山)


長くJ2の中でも中位が定位置となっていたファジアーノ岡山。今季はJリーグでの実績も豊富なFWチアゴ・アウベス、長く清水エスパルスの中核を担ったMF河井陽介を獲得。チームを去った選手も多かったが、即戦力の補強に成功していた。


中でも、新加入選手でありながら攻守にわたって活躍を見せたのがDFヨルディ・バイスだ。Jリーグでは岡山で4クラブ目となるバイス。過去にはオランダの世代別代表としての経験もあり、その屈強なフィジカルはJでも屈指の存在と言えるだろう。今季はほぼすべての試合に出場しながらその全てがスタメンフル出場と、シーズンを通して安定したパフォーマンスを発揮していた。


バイスの守備面での貢献度は言うまでもないが、特筆すべきはその攻撃能力の高さだ。今季は7ゴールと徳島ヴォルティス時代(2019)に並び自己最高を記録。もともとシュートの精度や威力には定評があったが、FKでの鮮やかなゴールなどで改めて自身の能力の高さを証明して見せた。


来るプレーオフ初戦のモンテディオ山形戦(10月30日)。2試合連続で3ゴールと高火力を誇る相手なだけに、守備の時間が増えることも想定されるが、バイスの攻撃能力にもやはり期待がかかる。




ロアッソ熊本 FW髙橋利樹 写真:Getty Images

髙橋利樹(ロアッソ熊本)


昨2021シーズンJ3リーグを制し、4シーズンぶりにJ2に帰ってきたロアッソ熊本。昇格初年度である2022シーズンだが、早速J1も視界にとらえている。今季は主力の多くが残留し、戦力をある程度計算できる体制でスタートできた。加えて新加入の大卒ルーキーたちが短い時間ながら数多く試合に絡み、それぞれが活躍できる場面を得られたことも、クラブにとって好材料と言えるだろう。


そんな中、攻撃面でチームを牽引し続けたのがFW髙橋利樹だ。加入3年目となる今季。過去2年は惜しくも届かなかった2桁ゴール(14)を遂に達成。得点ランキングでも3位タイとなるなど飛躍の年となっている。身長182センチとずば抜けた高さがあるわけではないが、クロスへの入り方の上手さが光るシーンは数多くある。


最終盤の2試合は上位勢との直接対決で連敗を喫し(ベガルタ仙台戦1-2、横浜FC戦3-4)、流れがあまり良くない熊本。しかし、この状況の中だからこそ頼れる背番号「9」という存在をゴールという結果で示せるか、髙橋の真価が問われるプレーオフとなるだろう。


大分トリニータ DF三竿雄斗 写真:Getty Images

三竿雄斗(大分トリニータ)


1年でのJ1復帰を目指す大分トリニータ。2022シーズンのリーグ戦終盤は、同じ降格組(徳島、仙台、横浜FC)との熾烈な順位争いとなったが、なんとかプレーオフまで漕ぎつけた。開幕前は、昨シーズンまで長くクラブを率いてきた片野坂知宏監督の退任により、大分のサッカーがどうなるのかが注目された。序盤戦は5戦勝ち無しと先行きが不安視される状況にもなったが、多くの主力選手が残留していたことが功を奏し、人を変え立ち位置を変えながら徐々に元の強さを取り戻していった。


そんな今季の大分の軸となっていたのがDF三竿雄斗だ。三竿は今季全試合にスタメン出場。加えてそのほとんどでフル出場を果たしている。シーズン序盤は、サイドでの起用もあった三竿。しかし、リーグ戦が進む中で4バックの内側、3バックと、慣れ親しんだポジションやシステムに移行されるに連れ安定感も増した印象だった。


直近の2試合はいずれも敗戦(山形戦0-3、FC琉球戦0-1)と嫌な流れで迎えるプレーオフ。今季フル稼働の三竿だが、1年でのJ1復帰のためにももうひと踏ん張りに期待したい。




モンテディオ山形 FWディサロ燦シルヴァーノ(当時清水エスパルス)写真:Getty Images

ディサロ燦シルヴァーノ(モンテディオ山形)


2022シーズン最終節までもつれ込んだ、プレーオフ枠を争う戦い。その最後の1枠に入ったのがモンテディオ山形だ。最終節は同じくプレーオフ枠を争っていた徳島との直接対決だったこともあり、難しい試合も予想されたが、結果は3-0と見事な勝利でプレーオフへの進出を決めている。


この直接対決でも2ゴールを挙げるなどし、夏以降の山形の原動力となっているのが、FWディサロ燦シルヴァーノだ。今夏、J1の清水エスパルスから期限付き移籍で山形へ加入。清水では出場機会をほとんど得られておらず、活躍の場を求めていたことは間違いない。


山形加入後は初戦となったブラウブリッツ秋田戦(7月17日)で早速アシストを記録すると、3戦目の町田ゼルビア戦(7月30日)で移籍後初ゴール。以降リーグ戦終了までで計17試合に出場し8得点と改めて攻撃力の高さを示した。


思えば2020シーズンには、当時J2のギラヴァンツ北九州で18得点を記録しているディサロ。清水では出場機会を得られなかったが、今季の活躍が彼本来の力と言っても過言ではないだろう。山形にとって久々のJ1復帰(2015年以来)のため、ゴールに飢えるディサロに注目だ。

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