ハイレベルな巨人菅野の沢村賞 「先発投手のプライド」示した全7項目クリア

10月30日(火)9時40分 フルカウント

選考基準をすべて満たす圧倒的な成績、独自QSの達成率も両リーグNO1

まさに「全会一致」での沢村賞受賞だった。巨人・菅野智之の2回目の沢村賞に異論を唱える識者はいないだろう。

 沢村賞、正式名称「沢村栄治賞」は戦前の大投手、沢村栄治を顕彰して1947年に制定された。2リーグ分立後はセ・リーグの投手を対象にしていたが、1989年から両リーグの投手を対象にして1人を選出することとなった。
選考委員による選出だが、選考基準として以下の7項目が設定されている。

◯登板試合数 25試合以上
◯完投試合数 10試合以上
◯勝利数 15勝以上
◯勝率 6割以上
◯投球回数 200イニング以上
◯奪三振 150個以上
◯防御率 2.50以下

 今季からこれに加えて「QS=Quality Start(クオリティー・スタート)」の数も考慮されることとなった。MLBの基準ではQSは、先発して「6回以上投げて自責点3以下」で投げた試合を言う。先発投手の最低限の責任とされるが、今回は「7回以上投げて自責点3以下」と定められた。

 セ・パ両リーグの規定投球回数以上17人の、選考基準のクリア数とQS数、先発登板数の占める比率を調べた。

7 菅野智之(巨)【登数/完/勝/勝率/回/三/防率】17QS(63.0%)
4 大瀬良大地(広)【登数/勝/勝率/三】15QS(55.6%)
3 東克樹(DeNA)【勝率/三/防率】10QS(41.7%)
3 上沢直之(日)【登数/勝率/三】15QS(60.0%)
3 多和田真三郎(西)【登数/勝/勝率】9QS(34.6%)
2 メッセンジャー(神)【登数/勝率】13QS(46.4%)
2 岸孝之(楽)【勝率/三】14QS(60.9%)
2 菊池雄星(西)【勝率/三】13QS(56.5%)
2 則本昂大(楽)【登数/三】13QS(48.1%)
1 ガルシア(中)【登数】14QS(51.9%)
1 ジョンソン(広)【勝率】10QS(41.7%)
1 ブキャナン(ヤ)【登数】11QS(39.3%)
1 マルティネス(日)【登数】12QS(48.0%)
1 西勇輝(オ)【登数】10QS(40.0%)
1 山岡泰輔(オ)【登数】3QS(13.0%)
1 山口俊(巨)【登数】11QS(52.4%)
0 涌井秀章(ロ)【なし】12QS(54.5%)

 QS数も含め、菅野智之が圧倒的であることがわかる。菅野は2年連続の受賞だが、昨年は投球回数と完投数が基準に満たなかった。昨年の記者会見では、来年は7項目をクリアして連続受賞したいと言っていたが、有言実行した。

1989年以降で全7項目クリアは7人目

 セ・パ両リーグの投手が選考対象となった1989年以来、7項目をすべてクリアして沢村賞を受賞したのは菅野で7人目だ。

◯1989年 斎藤雅樹(巨)
30登21完20勝 勝率.741/245回 182三振 防率1.62

◯1991年 佐々岡真司(広)
33登13完17勝 勝率.654/240回 213三振 防率2.44

◯1993年 今中慎二(中)
31登14投17勝 勝率.708/249回 247三振 防率2.20

◯2007年 ダルビッシュ有(日)
26登12完15勝 勝率.750/207回2/3 210三振 防率1.82

◯2009年 涌井秀章(西)
27登11完16勝 勝率.727/211回2/3 199三振 防率2.30

◯2011年 田中将大(楽)
27登14完19勝 勝率.792/226回1/3 241三振 防率1.27

◯2018年 菅野智之 (巨)
28登10完15勝 勝率.652/202回 200三振 防率2.14

 2013年の田中将大は24勝0敗、防御率1.27という空前の成績を残し、沢村賞を受賞したが、完投数は「8」で、6項目のクリアにとどまっている。

 投手の分業が進んだ平成時代、その最後に見事な成績で「先発投手のプライド」を示した菅野智之。まさに称賛に値するだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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