EWC:ヨシムラとSERTがタッグを組みファクトリーチームとして2021年シーズンに参戦

2020年10月31日(土)19時53分 AUTOSPORT web

 10月31日、株式会社ヨシムラジャパンとユーロスポーツ・イベンツは、ライブ中継にてデジタル・プレスカンファレンスを行い、ヨシムラが2021年シーズンのFIM世界耐久選手権(EWC)に『ヨシムラSERT Motul』として参戦することを発表した。


 オートバイの部品・用品の開発、製造販売を行っている傍ら、レース活動も行っているヨシムラは、1978年に初開催された鈴鹿8耐の第1回大会と、1980年、2007年、2009年の4度の優勝を経験している日本の二輪レースにおける名門チームだ。

全日本ロードに参戦している渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING)


 そしてEWCにレギュラー参戦しているフランスのチーム、Suzuki Endurance Racing Team(SERT)は1980年に設立された二輪の耐久レースのチーム。EWCでは1983年に世界タイトルを初めて獲得しており、2019-2020シーズンの制覇で16度と最も多くのタイトルを保持している。

2019-2020シーズンのEWCに参戦したSuzuki Endurance Racing Team


 そんなヨシムラとSERTがタッグを組み2021年に鈴鹿8耐を含む5戦が予定されるEWCにフル参戦することがアナウンスされた。

2019-2020シーズンのEWCで16度目のタイトルを獲得したSuzuki Endurance Racing Team


 スズキのファクトリーチームとして立ち上げられた『ヨシムラSERT Motul』は、日本とフランスからなる合同の新チームとして、24時間耐久を含む過酷な耐久レースにおいて、ゼッケン1を掲げたスズキGSX-R1000Rにブリヂストンを履きチャンピオンを目指して戦う。

ヨシムラSERT MotulのスズキGSX-R1000Rはゼッケン1を掲げる


 マシンのカラーリングは、ヨシムラが使用してきたレッドとブラック、SERTが使用してきたブルーを合わせた3色を採用し、ホワイトのロゴで彩られた。


 ライダーラインアップは後日発表するというが、ダミアン・ソルニエ氏がチームマネージャー、加藤陽平氏がチームディレクターを務めることが決まっている。

ヨシムラSERT Motul 2021EWC参戦マシン スズキGSX-R1000R
ヨシムラSERT Motul 2021EWC参戦マシン スズキGSX-R1000R


 体制発表は全日本ロードレース選手権が開催されている三重県・鈴鹿サーキットとフランスのル・マンから同時ライブ配信され、ソルニエ氏は「この挑戦に取り組むにあたり、私はひとりではなくスズキ、そしてヨシムラからの多大なサポートを受けることができ、チームクルーやライダーとともに、見事16回目のEWCチャンピオンタイトルを獲得することができました」とコメント。


「新シーズンからは日本とフランスのふたつの象徴的なチームがひとつになり、更なる高みを目指して戦いに挑める事を大変嬉しく、また誇りに思います」

ヨシムラSERT Motul 2021EWCの参戦発表


 加藤陽平氏は「この度、我々ヨシムラSERT Motulが世界耐久ロードレース選手権2021年シーズンにフル参戦する事を発表でき、非常に嬉しく思います」と以下のように語った。


「ドミニク・メリアンが率いたSERTとヨシムラは双方ともにスズキと輝かしい歴史が有ります。近年はPowered by YOSHIMURAとしてエキゾーストシステムの供給を行い、求めに応じて技術的支援を行ってきました。昨シーズン(2019-2020)新たなチームを代表としてダミアンが就任するとともに、我々ヨシムラもチームの一員として加わり、より深い領域への支援を進め、チャンピオン獲得に貢献できたと思います」


「2021年シーズンは新たにヨシムラSERT Motulを立ち上げ、スズキのファクトリーチームとして参戦します。シリーズ新参者の我々ですが、SERTの力も借り、タイトル獲得はもちろんの事、出場するすべてのレースに優勝し、スズキGSX-Rと我々ヨシムラの技術力の優秀性を示していく覚悟で臨んでいます。世界中のファンを熱くさせるレースで、皆さんを魅了して行きたいと思いますので、ご声援宜しくお願い致します」

ヨシムラSERT Motul 2021EWC参戦マシン スズキGSX-R1000R
ヨシムラSERT Motul 2021EWC参戦マシン スズキGSX-R1000R


株式会社ヨシムラジャパン 代表取締役社長、吉村不二雄氏は「ヨシムラは、2019-2020年シリーズにドミニク・メリアン前監督からダミアン・ソルニエ新監督にバトンタッチされた新生SERTチームと連携して、新シーズン2021年より世界耐久選手権に『ヨシムラ SERT Motul』としてフル参戦いたします」と語った。


「ヨシムラにとって欧州開催の世界耐久の直接参戦は、1978年の第1回鈴鹿8耐優勝後に行われたボルドール24時間耐久以来となり、もちろんシリーズ戦としては初のチャレンジとなります。43年前は電気系のトラブルで表彰台には届きませんでしたが、ヨシムラライダーの豪快なウイリーが現地新聞の一面を飾ったのは記憶に鮮明です」


「あれから時を経て、チーム活動の本拠地はSERTがあるフランス、ル・マンになります。チームディレクターとして加藤陽平が率いる日仏混成チームですが“Powering to the victory”というスローガンをチームスタッフやライダー全員が共有してシリーズ戦に挑みます!」

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