シリーズ再開のナイトレースはパスカーレ2勝で幕開け。SVGも年間12勝目をマーク/RSC第8戦シドニー1

2021年11月4日(木)16時8分 AUTOSPORT web

 オーストラリア大陸の人気ツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの2021年シーズン再開となる第8戦『シドニー・スーパーナイト』が10月29〜31日に開催され、ディック・ジョンソン・レーシング(DJR)の新エース、アントン・デ・パスカーレ(フォード・マスタング/シェル・Vパワー・レーシング Racing)が2日連続ポールポジション獲得から2勝を挙げる大暴れの週末に。


 一方、今季開幕から6連勝と最高のスタートダッシュを決めていたレッドブル・アンポル・レーシングの2016年王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンも、日曜初戦で勝利を飾り今季12勝目をマークしている。


 シリーズ伝統の1戦、マウントパノラマでの『バサースト1000』を、合計10のカテゴリーを内包する大規模な6日間イベントの一環とし、11月30日から12月5日までの期間に開催する”フェスティバル”化を決めたRSCは、その新たなシーズンフィナーレに向け当初11月19〜21日の週末に予定されていたシドニー・スーパーナイトを『4週連続開催』化することでラウンド数を穴埋めし、怒涛の“バック・トゥ・バック”戦によるシリーズ再開が切られた。


 その緒戦を前に、パドックでは2022年に向けた“Silly Season”も動きを見せ、トッド・ヘイゼルウッドが古巣マット・ストーン・レーシング(MSR)への復帰を表明したのを皮切りに、その僚友にティックフォード・レーシング離脱がアナウンスされていたジャック・ルブロークが合流。


 23歳のブライス・フルウッドもブラッド・ジョーンズ・レーシング(BJR)に移籍し、フルウッドが抜けたウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド(WAU)には、33歳のニック・パーカットがスライドする形でWAUとの複数年契約を締結するなど、チャズ・モスタートがエースを務めるチームでの再起を誓った。


 そんななか始まった土曜最初の予選では、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症により3カ月のシリーズ休止期間を経て「充電完了」のパスカーレが、フロントロウ2番手に入ったウィル・ブラウン(ホールデン・コモドアZB/エレバス・モータースポーツ)を0.5283秒も突き放す圧巻のポールタイムを記録してみせる。

RSCでもひさびさ開催のナイトレースに向け、金曜から照明を用いたトワイライトセッションが実施された
レース1に向けて予選6番手に留まっていたSVG(左)も、戦略を成功させ勝利まであと1歩に迫った
レース1最後の表彰台にはウィル・ブラウン(ホールデン・コモドアZB/Erebus Motorsport)に代わり僚友ブロディ・コステッキが登壇する結果となった
日曜午前の予選でも残る2ヒートに向け”ダブルポール”を決めたパスカーレだが、レース2ではまさかの展開に……


■5位でフィニッシュするも、チームの手痛いミスで失格処分に


 そのまま現地時間午後19時10分にスタートが切られた今季初の“ナイトレース”では、高速レフトハンダーのターン1でアウト側からユラユラと揺れるマシンを制御しながら迫ってきたブラウンに対し、ポールシッターが毅然とした対応で首位を守ると、パスカーレがそのまま32周を走破して見事にライト・トゥ・フラッグでの勝利を達成。


 2位にGM(ゼネラル・モータース)とのパートナーシップ契約延長を決めたトリプルエイト・レースエンジニアリングのSVGが続き、最後の表彰台にはブラウンに代わり僚友ブロディ・コステッキ(ホールデン・コモドアZB/エレバス・モータースポーツ)が登壇する結果となった。


 明けた日曜午前の予選でも残る2ヒートに向け“ダブルポール”を決めたパスカーレだったが、正午過ぎのレース2では、バッドスタートとなったシェル・Vパワーカラーのフォード・マスタングは、オープニングで僚友ウィル・デイビソン(フォード・マスタング/DJR)ばかりかコステッキやSVGにも先行を許し7番手にまで陥落。


 最終的に5位でチェッカーを受けたものの、ルーティンのピット作業時に混乱を来たしたDJRは、パスカーレのクルマにデイビソン用に割り当てられたタイヤセットを装着するというまさかの失態を犯し、レース後失格処分の裁定が言い渡されることに。


 その一方で、オープニングラップでの2番手浮上から、義務ピットの戦略で文句なしのレースリーダーに浮上していたSVGが、デイビソンとニック・パーカット(ホールデン・コモドアZB/BJR)を抑えて今季12勝目、ここまでのシーズン全21レースで17度目の表彰台を獲得してみせた。


 そして週末最終ヒートのレース3では、失格の失意から立ち直ったパスカーレが前日の再演を繰り広げるかのように、スタートの攻防でブラウンを抑え切り週末2勝目。3位にはSVGとのWエース体制でチームを牽引し、今季限りでの勇退を決めている7冠王者ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/レッドブル・アンポル・レーシング)がチームメイトを4位に従えての表彰台を得ている。


 引き続き11月6〜7日の週末にも“旧イースタンクリーク”ことシドニー・モータースポーツパークでのスーパーナイト戦を予定するRSCだが、参戦全ドライバーに100%のワクチン接種を義務付けるとの方針により、まだ2回目の接種を待つ状況ながらビクトリア州からニューサウスウェールズ(NSW)州への州境検疫を通過していたデビッド・レイノルズ(フォード・マスタング/ペンライト・レーシング)が、当局による再調査の結果、シドニーでの残り3戦を欠場することもアナウンスされている。

正午過ぎのレース2では”バッドスタート”となったShell V-Powerカラーのフォード・マスタングは7番手まで陥落
そのR2を制して今季12勝目をマークしたシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(ホールデン・コモドアZB/Red Bull Ampol Racing)は、選手権でも独走体制を維持している
今季限りでフルタイムからの”勇退”を決めている7冠王者ジェイミー・ウインカップ(ホールデン・コモドアZB/Red Bull Ampol Racing)は、R3で3位表彰台を獲得した
かつてはパスカーレの耐久カップ登録ペアも務めたウィル・ブラウン(ホールデン・コモドアZB/Erebus Motorsport/左)も、この週末2度ポディウムに登っている

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