予選7番手の52号車埼玉トヨペット。タイヤ知る2号車muta GR86のタイムに驚き「あの速さは予想外」
2023年11月4日(土)21時13分 AUTOSPORT web
11月4日、2023年スーパーGTのチャンピオンを決める最終戦『MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL』が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開幕。GT300クラスのタイトル争いは、首位の52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)と2位の2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が20点差で最終戦を迎え、予選でのポールポジション獲得による1点の行方がその戦局を握る展開となっていた。
前日までの予想では予選日でのタイトル決定も噂されていたが、注目の予選は公式練習、Q1B組を一番時計で駆け抜けた2号車muta GR86の堤優威がQ2を担当し、GT300クラスのこの日最速のタイムとなる1分45秒633を記録してポールポジションを獲得。2号車陣営にとっては必至の1点を無事獲得し、タイトル争いの決着は決勝日に占われることになる。
この2号車の驚速ラップに対し、予選でQ2を担当した川合は「あそこまでの速さは予想外でした」と語った。
「我々と2号車は同じブリヂストンタイヤを履いていて、向こうがどういうタイヤを選んできているかも知っています。それを踏まえると、彼らは決勝が強そうだなと思っていたのですが…」と2号車の速さは想像以上だったと明かす。
川合の明かした内容から考えると、同じブリヂストンやタイヤでも、予選に関しては2号車の選んだタイヤの方が52号車よりも、この日のコンディションにマッチしていたようだ。とはいえ、52号車陣営としては予選日を失敗してしまったわけではないという。
川合は続けて「これまでもてぎでは、Q1を通過することも難しい印象があったので、今回の予選でシングルの順位を獲得できていることは良い成果だと思います」と、7番手となった予選結果に前向きな評価を下した。
「クルマのバランスも全然悪くないと思います。午前中の公式練習も、僕たちは2号車と同じようなグリップのタイヤを履いていたはずですが、自分たちの方が少しペースは良さそうだなという印象がありました」
「前回のオートポリスも2台は似たような差で、予選こそおおきな差をつけられてしまいましたが、フタを開けてみれば決勝は僕らの方が速くて優勝することができました。なので明日も特別なことはせず、目の前のレースでどうやったら勝てるのかということに集中して戦いたいです」と、チャンピオンを意識するよりも自分たちのレースをこなしたいと意気込む。
先頭の2号車とは6ポジション差の7番手から明日の決勝に挑む52号車。明日の決勝では10位以上の順位でフィニッシュしてポイントを手にすれば、初のタイトルを獲得することができる。明日のコンディションも今日のような天候が予報されており、決勝レースではどちらの2台を後押しするだろうか。