2022/23シーズンCLグループステージから見えてきた4つのこと

2022年11月4日(金)18時0分 FOOTBALL TRIBE

前田大然(左)ドゥシャン・ブラホビッチ(中)ソン・フンミン(右)写真:Getty Images

2022/23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージが終了し、決勝トーナメントへ駒を進める16クラブが出揃った。例年12月中旬までグループステージは続くが、今年は11月20日に開幕となるFIFAワールドカップ・カタール(カタールW杯)開催の影響を受けて1ヶ月も早く結果が判明する変則的な大会となった。


もう少しCLならではの余韻を楽しみたいところだが、今シーズンも手に汗握る白熱した争いがどのグループでも繰り広げられた。ここでは2022/23シーズンCLグループステージを終えて見えてきた様々な考察をご紹介したい。




セルティック FW前田大然 写真:Getty Images

スコットランド勢が感じたヨーロッパでの大きな差


スコットランドを代表する2大クラブであるセルティックとレンジャーズ。2017/18シーズンのセルティック以来、実に5シーズンぶりのスコットランドクラブのCL出場が叶っての同時出場となった今シーズンだが、両クラブともに結果は散々たるものに終わってしまった。


特にセルティックはアンジェ・ポステコグルー監督体制となり、古橋亨梧や前田大然、旗手怜央を要する中で注目を集めたが、グループFでレアル・マドリードやライプツィヒに大苦戦、何とかシャフタール・ドネツク相手に引き分けに持ち込んだものの、奪った勝ち点はわずか「2」。1つも勝利できないまま大会を後にした。


グループAのレンジャーズに至っては6戦全敗。得失点差は「-20」となり、一刻も早く忘れ去りたい内容の大会になっている。スコットランド国内では両クラブ圧倒的な実力を誇るも、ヨーロッパに目を向ければまだまだ大きな乖離が存在していることに気付かされたほろ苦いシーズンとなってしまった。




ユベントス FWドゥシャン・ブラホビッチ 写真:Getty Images

イタリア勢は明暗くっきり


ではイタリア勢のCLグループステージ結果に注目してみよう。スコットランド勢と異なり、クラブごとに明暗がくっきりと分かれたと言える。


グループAのナポリは、リバプールとの競り合いを制して首位突破。セリエAでの好調ぶり(現時点首位)をいかんなく発揮する結果となった。試合数をこなす度に一段と成長する印象を受ける。


グループCのインテル(現時点セリエA6位)は、最も攻略が難しいとされたグループで奮闘した。バイエルン・ミュンヘンにこそ勝利できなかったものの、バルセロナ相手には無敗で切り抜け2位通過を果たした。


グループEのミラン(現時点セリエA3位)もインテル同様に、首位突破のチェルシーには歯が立たなかったものの、持ち前の堅実さが奏功し2位通過に成功した。


問題はグループHでCL敗退となったユベントスだ。セリエAでもこれまでのような勢いは見られず現時点7位。明確な解を見つけられないままCLへ突入した。2連敗から始まり第3節でマッカビ・ハイファにホームで勝利して挽回の兆しが伺えたが、そこから急転し泥沼の3連敗。容易くベンフィカ、パリ・サンジェルマン(PSG)に決勝トーナメントの切符を与えてしまった。


トッテナム FWソン・フンミン 写真:Getty Images

異様に盛り上がったグループD


今CLグループステージでは、異様なまでに盛り上がりを見せたグループがあった。それはグループDである。


グループDではトッテナム・ホットスパーと、アイントラハト・フランクフルトが決勝トーナメントへ駒を進めたが、スポルティング・リスボンやオリンピック・マルセイユも十分にグループステージ突破のポテンシャルを秘めていた。第5節を終えた時点ではどのクラブにもグループステージ突破の可能性があり、最も予想が難しいグループとなった。



そして2試合同時刻でキックオフした最終節。グループDは試合開始から終了までリアルタイムで順位が目まぐるしく変動したのだ。結果的に逆転勝利を収めたトッテナムとフランクフルトが突破を果たしたが、最後までまったく分からない内容にフットボールの面白さが垣間見えた。




アーセナル DF冨安健洋 写真:Getty Images

ヨーロッパリーグが面白くなるぞ!


CLグループステージの結果も受けて、今後UEFAヨーロッパリーグ(EL)が非常に面白くなるだろう。ELは11月4日にグループステージが終了し、各グループ上位2クラブとCLグループステージで3位になった8クラブが優勝を目指して争うことになるが、CLからは、アヤックス・アムステルダム、バルセロナ、セビージャ、ユベントスなど一筋縄ではいかないクラブが合流することになったためだ。


すでにELには、国内リーグで好調をキープしているアーセナル(プレミアリーグ現時点首位)やウニオン・ベルリン(ブンデスリーガ現時点首位)、戦術的に仕上がっているローマ(セリエA現時点4位)やマンチェスター・ユナイテッド(プレミアリーグ現時点5位)もいて、竜騰虎闘の大会になることは必至だ。史上最高のハイレベルな闘いが待ち受けており、どうやら私たちはW杯が終了しても眠れない日が続きそうだ。

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