遠藤保仁「今の順位がおかしい」。ガンバの実力者たちの調子が上向きだ

11月4日(月)16時45分 Sportiva

 一分の隙もない完勝劇。ガンバ大阪が3−0で湘南ベルマーレを撃破した。

 第29節を終えて勝ち点35で11位。プレーオフに回る16位の湘南とは4ポイント差で、この直接対決に敗れれば1ポイント差に詰められる危険性もあった。だが、残留争いの重圧にさらされることもなく、G大阪は力の差を見せつけた。


遠藤保仁は39歳になってもピッチで存在感を示した

 この結果、湘南との勝ち点差は7に拡大。数字上ではまだ降格の可能性は残されているものの、残り試合数を考えれば、残留争いから大きく抜け出したと言えるだろう。

 今季のG大阪の基本布陣は、3バックの前にアンカーを配置した3−1−4−2。配球を担うアンカー役は矢島慎也が務めることが多かったが、この試合では遠藤保仁が起用された。

 10番を背負う倉田秋が負傷離脱したことも要因だが、3試合ぶりに遠藤をスタメン起用した理由を、宮本恒靖監督は次のように説明する。

「ボールを動かしたり、相手の背後を突ける視野の広さがある。アイデアがあり、遠くを見ることができる彼の能力が必要だと考えた」

 今季はスタメンから外れることも増えている39歳の司令塔だが、やはりその能力は格別なものがある。

 最終ラインからボールを引き出し、シンプルなパス出しでリズムを刻んでいく。高い位置でボールを奪いたい狙いがあった湘南だったが、遠藤の巧みなさばきによって奪いどころが定まらない。時にサイド、時には鋭いクサビを打ち込んで、G大阪の攻撃を多彩なものとした。

 ゲームメイクのみならず、前半終了間際には宇佐美貴史のゴールをお膳立てしている。それまでは低い位置でボールを動かしていた遠藤だったが、この場面ではエリア近くまで顔を出し、背後から駆け上がってきた宇佐美に優しいパスを通した。

「基本ポジションでは僕は後ろですけど、あの場面では(インサイドハーフの)矢島が下がっていたので、上がっても問題ない状況だった」

 前半終了間際の隙が生まれやすい時間帯。それを逃さずゴール前に迫った遠藤の状況判断が光ったアシストだった。

 ピッチに立てない時間が増えるなか、なかなか結果を出せないチームを外から見ていた遠藤には感じるものがあったようだ。

「貴史にしても、アデ(ミウソン)にしても、クロスを合わせるというより真ん中から攻めたほうが相手にとって脅威になると思う。今日の2点目のような形はなかなか作れていなかった。相手が密集しても中央から攻めることも必要ですし、ボックス付近で前を向かせたらJリーグでトップクラスの選手たちなので、ああいう形が増えれば得点チャンスは増えると思います」

 稼働率が下がっても、ピッチに立てば質の高いプレーを約束する。81分にベンチに下がるまでピッチ上を支配していたのは、間違いなくこの背番号7だった。

 試合の流れを生み出したのが遠藤なら、試合を決定づけたのは宇佐美である。前半終了間際と後半立ち上がりに1点ずつをマーク。そのいずれもがネットを突き破らんばかりの鮮やかなゴラッソだった。

 今夏にドイツから帰還した27歳のアタッカーは、復帰戦でゴールを記録するなどいきなりインパクトを放ったが、その後は7試合ゴールから遠ざかっていた。しかし、第28節の北海道コンサドーレ札幌戦で久しぶりに結果を出し復調の兆しを見せると、この湘南戦では完全復活を告げる2発を叩き込んだ。

「ケガの時間もあったので、そういうなかであらためて考えさせられる部分もあった」

 ここまでのパフォーマンスをそう振り返る宇佐美がたどり着いた結論は、やはりシュートに対する意識だ。

「やっぱり足をしっかり振れるところが自分の強み。そういうなかでシュートの感覚や動作を確認しながら、練習の積み重ねができました。迷わず振るというところはいい感じになってきたかなと思う」

 宇佐美のパフォーマンスの向上は、指揮官も感じているようだ。

「フィニッシュワークはトレーニングでも見せていましたし、何より身体のバランスがとれてきた。6月末から練習していますが、その頃に比べれば力強さが出てきている」

 宇佐美だけではない。同じく今夏に復帰した井手口陽介もフィットネスを高め、シャープな動きで中盤を活性化させた。実力者が状態を上げてきたことこそが、G大阪の復調の何よりの要因だろう。

 そもそも、そのメンバーを見れば残留争いに苦しんできたことが意外である。代表経験者が守備を固め、経験豊富なベテランが中盤に君臨し、井手口も宇佐美も海外を経験した代表クラスのタレントである。アデミウソンをはじめ、強力な外国籍選手も揃う。だから遠藤は、淡々とこう言うのだ。

「今の順位にいるのがおかしな話で、特徴のある選手がその特徴を出せば、今日みたいなゲームになる。いたって普通の試合をしただけ」

 これが通常運転なのだろう。遅きに失した感は否めないが、シーズンの佳境を迎えるなか、ようやく本来のG大阪が戻ってきた。

Sportiva

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