中日ドラ1高橋宏斗の中京大中京に「則本二世」の本格派。センバツ出場も濃厚

11月4日(水)11時10分 Sportiva

 近い将来、則本昂大(楽天)のようなタイプの投手になれたら最高かもしれない──そんな印象を抱きながら投球を見た試合後、期せずして本人の口から「則本投手のような気迫を出すピッチャーが好きです」という言葉が出た。

 投手の名前は畔柳亨丞という。馴染みがなければ難読の名前だが、「くろやなぎ・きょうすけ」と読む。

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秋季東海大会を制した中京大中京のエース・畔柳亨丞
 中日ドラフト1位指名の高橋宏斗を擁した中京大中京に、新たな速球派右腕が現れた。SASUKE名古屋ヤングに所属した中学時代は侍ジャパンU−15代表に選出。高校2年秋時点ですでに最速151キロをマークしており、球速だけなら同時期の高橋よりも速い。

 身長177センチ、体重80キロと厚みのある体から、強く腕を振って140キロ台中盤の球速をコンスタントに叩き出す。中京大中京の高橋源一郎監督は畔柳について「とにかくボールの強さがあります」と称える。たしかに畔柳のストレートはホームベース付近でも失速することなく、捕手のミットを強く叩く。しかも、低めに生きたボールが集まるのだ。

 10月31日、東海大会準決勝。勝てば翌春の選抜高校野球大会(センバツ)出場が濃厚になる大事な一戦で、畔柳は快刀乱麻の投球を見せた。

 強打の三重高を相手に「8割くらいの力で低めに丁寧に投げることを意識した」と、制球重視の投球で快調にアウトを重ねる。6イニングを投げ終えた段階で10奪三振。許したランナーは死球の1人のみで、ヒットは1本も許さなかった。三重高の4番を打つ品川侑生(ゆうせい)はこう証言する。

「オープン戦でも対戦していて、真っすぐを狙っていたんですけど、思った以上に伸びてきました。球速はそうでもないんですけど、キレと伸びがありました」

 打線が奮起して6回までに7得点を挙げたため、畔柳が無失点に抑えれば最終回となる7回。一死から品川が打ち上げた平凡なフライをショートとレフトが譲り合って、二塁打にしてしまう。だが、畔柳の頭には「あくまで勝つことが目標なので、勝てればなんでもいい」と勝利の2文字しかなかった。最後の打者を空振り三振に仕留め、11奪三振完封でチームに勝利をもたらした。

 この日、投げた球種はストレート、カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ。とくに左打者には落ちるチェンジアップが有効だった。この球種をいつ習得したのかを聞くと、畔柳は意外なことを教えてくれた。

「2、3カ月前に(高橋)宏斗さんがアドバイスしてくださって、ツーシームの握りを自分なりにアレンジしてチェンジアップとして投げるようにしました。フォークのようにボールを挟んで、抜く感じで投げます。この球種ができたことで、ピッチングに幅が広がりました」

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 高橋監督は畔柳の成長に目を細める。

「これまでは日によってボールが先行したり、変化球がストライクゾーンにこないときもあったり、どうしても力勝負しているところがありました。でも、今は抜くところは抜いて、沈む球(チェンジアップ)やカーブを有効に使えるようになってきました。大会を通じて、試合のなかでレベルアップしています」

 本人の自己評価は「宏斗さんにはすべてにおいて及ばない」と辛口だ。それでも、偉大な先輩の背中を追い、「越すためにやっている」と畔柳は意気込む。いささか気が早いが、高校卒業後のことを聞いてみたものの「まだ何も考えていない」という。

 気迫のこもったマウンドさばき。打者のバットを押し込む球威のあるストレートと、巧みにタイミングを外す変化球。まさに則本昂大の姿が重なる剛腕は、さらなる高みを目指している。

Sportiva

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