F1アメリカGP主催者、メキシコGPの日程変更を提案。メキシコ側は反発

2017年11月5日(日)9時0分 AUTOSPORT web

 F1メキシコGPの主催者は、レースを6月開催に変更する案は受け入れられないと述べている。 


 過去3年間にわたり、アメリカGPとメキシコGPは2週連続で開催されてきたが、アメリカの主催者がスケジュールの変更を求めているという。ふたつのグランプリの地理的な近さとタイミングが、イベントの成功を妨げることを米国側主催者が懸念しているのだ。


 今月初め、オースティンの主催者であるボビー・エプスタインは「主催者にとっては2つのレースがスケジュール上もっと離れている方がありがたい。メキシコはカナダ(6月開催)と組み合わせてはどうか。アメリカはブラジルと組み合わせる」とロイター通信に述べた。


 しかしメキシコ側の主催者であるアレハンドロ・ソベロンは、それは不可能であり、アメリカ側が日程を変えるべきだと主張する。


「ボビーは素晴らしい男で尊敬している。ふたつのレース日程を離すのは良いアイデアだが、ボビーの方が6月に変更するべきだ」


「カナダとアメリカを組み合わせる方が合理的だろう。両グランプリは地理的により近い。6月に開催し、双方のレースチケットを販売するためのパッケージを作ることもできる」


 ソベロンが懸念している最大の問題点は天候だ。6月への変更は、1年で最も雨量の多い時期にレースを開催することを意味している。


「雨季の6月にレースを移すことは不可能だ。週末に雨が多く降っていては、全体的に良い体験をすることは不可能になってしまう。ボビーの考えに同意することは多々あるが、我々が6月に日程を変更することはできない」


 現在メキシコGPは10月末に開催されているため、レースは同国で有名な“死者の日”の祝祭の重要な一部となっている。直近のレースチケットは地元のセルジオ・ペレスファンの大きなサポートもあり、完売となった。


「街では大きなお祭りになっていて、我々は現在の日程に満足している」とソベロンは言う。


 今季のレースは5年間の契約の3年目にあたるものだった。ソベロンは、契約延長の交渉が間もなく始まるものと予想している。


「今年は我々の3度目のレースで、来年には契約延長の話し合いが始まるだろう。レースは国に大きな注目を集めてくれるし、経済的にも良い影響がある」


 たとえそうだとしても、継続のための要素の多くは、メキシコ政府がイベント支援を継続するかどうかにかかっている。来年にはメキシコで選挙が行われる予定となっており、ソベロンはこれに期待をかけている。


「メキシコでは選挙がある。新政府が樹立されるだろう。新政府と、F1の(契約)延長の可能性について話し合う必要がある」


 アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスは、アメリカのインディカーシリーズ選手権の新たな開催地としても注目されている。


 インディカーは8月の最初の週末に、撤退したFIA WECに代わって開催されることになるだろう。公式な発表はされていないものの、最近の報道では契約は「99パーセント完了している」とも言われている。


 ただし、メキシコ出身ドライバーを少なくとも1名はレースに出場させることが、契約の主要な条件になっていると考えられている。


 これが本当であれば、元F1ドライバーのエステバン・グティエレスにとっては追い風となる。2017年シーズン、彼は負傷したデイル・コイン・レーシングのセバスチャン・ブルデーの代役として、インディカーに7度の参戦を果たしている。


 しかしながら2018年のグティエレスの契約については、現在のところ何も発表されていない。26歳のグティエレスは2010年にGP3シリーズチャンピオンとなり、2012年にはGP2でランキング2位を獲得。2013年から2014年の2シーズンはザウバーからF1に参戦し、2015年はフェラーリのテストドライバーを務めていた。


 昨シーズン、グティエレスはハースでレギュラードライバーを務めたが、シーズン末にケビン・マグヌッセンと交代させられた。


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