豪州SC:オークランド戦はレッドブル勢が2ヒート制圧。DJRは横転の大クラッシュ

2017年11月7日(火)17時54分 AUTOSPORT web

 オーストラリアの人気ツーリングカー・シリーズ、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの第13戦“ITMオークランド・スーパースプリント”が、11月3〜5日に隣国ニュージーランドの首都オークランドの南にあるプケコへで開催され、土曜のレース23を地元出身のシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(SVG)が、日曜のレース24をそのチームメイト、ジェイミー・ウィンカップが制し、レッドブル・レーシング・オーストラリア(RBRA)が連勝を飾った。


 久しぶりにシングルドライバーの“スーパースプリント・フォーマット”として開催されたオークランド戦は、大雨による予選セッションのディレイという波乱からの幕開け。

予選は豪雨による赤旗中断を繰り返したのち、そのままセッション終了の判断に


 豪雨の隙間をぬってなんとかセッションを開始したものの、トラックには複数の川が発生し幾度も赤旗中断を余儀なくされる形となり、結局最終的にセッション不成立に。


 スポーティングレギュレーションにより、プラクティスタイムの合算で決勝グリッドが確定となり、モンスターエナジー・フォード・ファルコンFG-Xのキャメロン・ウォーターズがポールポジションを獲得。フロントロウにRBRAのウィンカップ(ホールデン・コモドアVF)、その背後3番グリッドにウォーターズのチームメイト、マーク・ウインターボトム(フォード・ファルコンFG-X)が続いた。


 翌日、土曜のレース23は天候が回復しドライ路面でのスタートとなったものの、開始早々からいたるところでアクシデントが発生する荒れた展開となる。


 20番グリッドのデイル・ウッド(エレバス・モータースポーツ/ホールデン・コモドアVF)のコースオフで最初のセーフティカー(SC)が導入されると、そのリスタートで5番手争いを展開していたDJRチーム・ペンスキーのファビアン・クルサード(フォード・ファルコンFG-X)を悪夢が襲う。

土曜、日曜とも接触アクシデントの引き金となってしまったプロドライブ・レーシング・オーストラリア勢


 引き金となったのは、5番手を走るスーパーチープ・オートのチャズ・モスタート(プロドライブ・レーシング/フォード・ファルコンFG-X)がターン8のヘアピンとなる右コーナーで前を行くデビッド・レイノルズ(エレバス・モータースポーツ/ホールデン・コモドアVF)のインにダイブしたこと。

タイトルを争うDJRペンスキーのファビアン・クルサードは悪夢の横転クラッシュを喫する


 モスタートにヒットされたレイノルズが押し出される形で失速した状態となり、2台を避けきれなかったクルサードがそこへクラッシュ。レイノルズとクルサードのマシンはコースオフを喫し、そのままバリアまで弾き飛ばされると、タイヤバリアへの衝突角度が影響してクルサードのファルコンがロールオーバー。これでふたたびのSC導入となってしまう。


 最初のトライによりこのアクシデントを引き起こしたモスタートは、自らの責任を認め「もちろん、ドライバーなら誰もが激しくレースしようとして、その結果ということだけは言っておきたいが、こうしたアクシデントは誰も望むところではない。ファブとデイビーには申し訳ないことをした」とレース後に謝罪のコメントを残している。

再三、並びかけられ防戦一方のジェイミー・ウィンカップにはドライビングハザードの警告が与えられた


 しかしこのタイトルコンテンダーらが消えるアクシデントからのリスタートでトラックポジションを上げたのは、もう一台のDJRチーム・ペンスキー、地元ニュージーランド出身のスコット・マクローリン(フォード・ファルコンFG-X)。


 18周目には前を走るウインカップのRBRAホールデンに並びかけると、2台はサイド・バイ・サイドの激しいつばぜり合いを披露。2度のコンタクトでマシンをグラスエリアに落としたマクローリンは、200km/hオーバーで激しくスライドしながらもなんとかマシンを立て直すと、ウィンカップを追走。

レース23で多重クラッシュの引き金となったチャズ・モスタート。「修理を強いられたクルーにも謝りたい」


 その後、32周目に3度目のSCが出ると上位陣が次々と2度目のピットに飛び込む。そのリスタートでターン8のインに飛び込んだマクローリンが、ブレーキングでワイドになったウィンカップをついに攻略することに成功。


 この間に、ピットでのショートストップを成功させていたSVGがウインターボトムを逆転し首位に浮上すると、そのまま残り周回を走りきったSVGが地元NZで今季4勝目をマーク。2位ウインターボトムに続き、最後の表彰台をマクローリンが勝ち取った。

土曜のレースでうれしい母国優勝を上げたSVGだったが、歓喜のバーンナウトで右リヤをバーストし、ホイールハウスを破損するオマケも


 続く日曜のレース24は、前日の表彰台攻防戦の鬱憤を晴らすべく、ウインカップがマクローリンをしのいでポールを獲得すると、レースでもピット戦略を合わせ2台のマッチレースの展開に。

日曜レース24は他者を圧倒するレースペースで、2台のマッチレースの展開に


 RBRAのトリプルエイト・レースエンジニアリング対DJRチーム・ペンスキーの頭脳戦となった70周の戦いは、最終的にRBRAがマクローリンに約6秒の差を築いてトップチェッカー。ポイントリーダーの座を磐石とする今季3勝目を挙げてみせた。


 2位マクローリンに続いたのは、レース序盤にプロドライブ・レーシング・オーストラリアの3台で同士討ちを演じたものの、ダメージを最小限に留めたキャメロン・ウォーターズとなり、前戦ポールからの勝利を逃していた雪辱を晴らす表彰台を獲得。


 一方、土曜勝者のSVGはピットエントリーでスロー走行となっていたティム・スレード(ブラッド・ジョーンズ・レーシング/ホールデン・コモドアVF)のリヤにブレーキングが間に合わず追突する失態を演じ、タイトル争いへの希望が打ち砕かれる24位に終わっている。

SVGはピットロードでのアクシデントで自ら選手権争いを苦しくしてしまうことに


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