ロス・ブラウン、フェラーリF1不振の原因について推測を避ける「外部から説明するのは難しい」
2019年11月7日(木)17時20分 AUTOSPORT web
F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、F1第19戦アメリカGPで奇妙にも精彩を欠いたフェラーリのパフォーマンスについて、憶測の輪に加わるつもりはないと語った。
サマーブレイク後のフェラーリは、優れたエンジンパワーとトップスピード、タイトなコーナーでのハンドリングの改善が相まって絶好調にあった。
しかしアメリカGPの舞台であるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)ではそのアドバンテージが突如として消えてしまったようだ。シャルル・ルクレールは4位でフィニッシュし、セバスチャン・ベッテルはサスペンショントラブルのためレース序盤にリタイアした。
一方メルセデスはワンツーフィニッシュをを飾り、ルイス・ハミルトンは6度目のタイトルを獲得した。
「フェラーリのドライバーが表彰台にいないのはバルセロナ以来だ」とブラウンは語った。
「サマーブレイクから、フェラーリは突破口を開いたかに見えた。ポールポジションを6回獲得し3度の優勝を挙げたのだ」
「だがアメリカGPは時計を6カ月前に戻してしまった。フェラーリは後退した」
「予選はそれほどでもなかった。ベッテルはボッタスよりたった0.012秒遅かっただけだ。だがレースでは間違いなく後退していた。ルクレールはボッタスより52秒も遅れてフィニッシュしたのだ」
「ルクレールはミディアムタイヤでの第1スティントで特に苦戦しており、首位に約1秒遅れで走行していた。ハードタイヤに変えると、ルクレールはより競争力を発揮できるようになったが、表彰台を賭けての戦いのチャンスはとっくに失われていた」
オースティンにおけるフェラーリの突然の不振は、ライバルチームの質問に対してFIAが発行した新たな技術指令書に関連があるのではないかとパドック内で噂がささやかれていた。
質問書では、フェラーリがルールに準拠しながらも、エンジンパワーのアドバンテージを得るために、F1のエンジンの燃料流量レギュレーションの抜け穴を利用している可能性とその方法について問い合わせがあった。
「外部からはパフォーマンス不振について説明するのは難しいし、私は燃料流量の計測に関する最新のFIA技術指令書について推測することははっきりと控えたい」とブラウンは反論した。
「明確なことは、フェラーリが特にタイヤマネジメントの点で苦戦したということだ。タイヤを保たせるというよりは、適切に機能させることに苦戦していたのだ」
「週末を通じてコースのコンディションが大きく変わったのは事実であり、気温も極めて高くなった。しかしメルセデスとレッドブルがそうしたコンディションの変化へ順応するために、より優れた仕事をしたことも同様に事実だ」
「マラネロではこの数日で多くのことが行われる。分析し、見直しが行われ、対策が取られる。特にこうしたことは来年にも役立つだろう」