1位票はまさかのゼロ 新人王争いに敗れた千賀滉大に米球界のレジェンドは絶賛「誰も打てないボールを想像できるか?」

2023年11月14日(火)12時11分 ココカラネクスト

新人王獲得はできなかった千賀。しかし、彼への評価は上々だ。(C)Getty Images

 メジャーリーグで注目されたタイトルが発表された。現地時間11月13日にMLBは全米野球記者協会(BBWAA)が選出する新人王を発表。ナショナル・リーグではダイヤモンドバックスのコービン・キャロルが選出され、最終候補入りしていたメッツの千賀滉大の受賞はならなかった。

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 もっとも、納得の戴冠ではある。キャロルは打率.285、25本塁打、76打点、OPS.868、54盗塁をマーク。ルーキーでは史上初の「シーズン20本塁打&50盗塁」を達成。ダイヤモンドバックスのリーグ優勝に貢献した。

 一方で千賀はBBWAAの記者による全30票のうち、2位票が22、3位票が5で71ポイントを獲得。しかし、1位票はひとつも入らなかった。

 しかしながら、評価が低いというわけではない。今季の千賀は29先発(166と3/1回)で、チームトップの12勝(7敗)、さらにリーグ2位の防御率2.98、202奪三振、奪三振率10.93のハイアベレージを記録。シーズン半ばにジャスティン・バーランダーとマックス・シャーザーら主力投手陣の放出が相次いだチームにあって、エース級の働きを見せた。

 チーム支え続けた30歳の日本人右腕を米球界のレジェンドも高く評価する。かつてメッツに在籍し、MLB通算136勝をマークしたロン・ダーリング氏は発表が行われた公式番組内で「シーズン前までは『メッツのエースはシャーザーなのかバーランダーなのか』という話だったが、フタを開けてみれば、センガだったんだ」と強調。さらに次のように続けている。

「誰も打てないボールを想像できるか? 最初は『お化けフォーク』などと噂は流れてきても、それがメジャーで通用するかは懐疑的だった。いつか打者が適応してくるんじゃないかってね。でも、彼のフォークはそうならなかった。1年通して素晴らしかったんだ。私はあんなフォークを初めて目にしたよ」

 さらに「200奪三振以上で、防御率3以下なのは他にコール、スネルだけだ」と千賀の稀有さも訴えたダーリング氏は「これだけの一級品の球があるとそれに頼りがちになるが、彼はそうはせずに他の球種も巧みに使っていた。左打者、右打者にも適応して、カーブも要所で投げられる。完璧なピッチャーだ」と断言。そして、こう結論付けている。

「彼はデグロムやグッデン、マトラックといったメッツの歴代の名投手たちの仲間入りをするかもしれないね」

 球界のレジェンドにここまで言わしめた千賀。タイトル獲得とはいかなかったが、彼のルーキーイヤーは上々だったと言えそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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