開幕戦は白星!マイナビ仙台、期待の新星と今後の課題【WEリーグ2023/24】

2023年11月14日(火)19時0分 FOOTBALL TRIBE

マイナビ仙台 FWカーラ・バウティスタ 写真:©WE LEAGUE

開幕から3シーズン目を迎えた2023/24シーズンの日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)。11月11日〜12日に行われた第1節では5試合が行われ、新シーズンスタートに相応わしい熱い試合が各地で繰り広げられた。今季新たにセレッソ大阪ヤンマーレディースが加わり12クラブとなったWEリーグで、どんな展開が待ち受けているのか、国際試合で活躍する選手たちにも注目だ。


ここでは11日に行われた、ちふれASエルフェン埼玉VSマイナビ仙台レディースの試合を振り返り、マイナビ仙台の期待の新星と今後の課題についてみていこう。




エルフェン埼玉 MF吉田莉胡 写真:©WE LEAGUE

マイナビ仙台に敗れたエルフェン埼玉の技術力


熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(埼玉県)で行われた第1節ちふれASエルフェン埼玉VSマイナビ仙台レディース。強い日差しのなか14時にスタートした試合は、強風の影響を受けボールが風にコントロールされる場面も見られた。そんな環境下、両チームともにセットプレーで得点を狙う動きが見られたが、全体を通してマイナビ仙台がボールを保持しややリードする形で進み、3-1で仙台が新シーズン初勝利を挙げた。


キャプテンのMF吉田莉胡を中心に、スピードのあるボール回しやドリブルで得点チャンスを狙ったエルフェン埼玉。吉田は今季、これまでの背番号24を10へと変えた実力ある期待の選手だが、マイナビ仙台の粘り強いディフェンスに阻まれ、自身でゴールを決めることは叶わなかった。しかし、吉田の巧妙なパスがFW瀬野有希にシュートチャンスを与えており、重要な場面では常にキャプテンの働きが感じられた。残念ながら得点には結びつかなかったものの、チームに絶大なチャンスを与えていたと言えるだろう。


また、瀬野が決めたチーム唯一の得点をアシストしたのがMF瀬戸口梢。後半開始早々、瀬戸口の美しいコーナーキックが瀬野の頭上へ吸い込まれるように流れると、瀬野はそのままヘッドで得点し会場を沸かせた。惜しくも1得点のみにとどまってしまったが、全体的にスピードのある動きや正確なパス、得点に繋がるコーナーキックなど随所に見られた技術の高さは、今後の試合でも大きな武器になると予想する。


マイナビ仙台 MF遠藤ゆめ 写真:©WE LEAGUE

期待の新星FWカーラ・バウティスタとMF遠藤ゆめ


強みの1つとして「スピード」が挙げられていた昨2022/23シーズンのマイナビ仙台。もちろん個人差はあるものの、マンチェスター・ユナイテッド・ウィメン(イングランド1部)に移籍したMF宮澤ひなた、セレッソ大阪ヤンマーレディースに移籍したFW矢形海優、そして現在期限付きでノースカロライナ・カレッジ(アメリカ1部)へ移籍中のMF松窪真心と、スピードを強みとした選手たちがチームを牽引していた。しかし、彼女たちを失って迎えた今シーズン第1節では、スピード面でエルフェン埼玉にやや押され気味であった。今シーズンを戦う上で、スピードの底上げが課題の1つになるだろう。


一方、非常に期待できる点として、新規加入した海外選手たちの活躍が挙げられる。今季のマイナビ仙台は、特別指定や育成組織TOP可選手を含めた全32名中6名が海外選手。これはWEリーグ所属クラブの中で最も多い人数だ。開幕戦でパワフルなPKゴールを決め、早速スポットライトを浴びたのがスペイン出身のFWカーラ・バウティスタ。カーラは2013年から母国スペインを拠点に、1部リーグのレアル・ソシエダ・フェメニーノやバレンシアCFフェメニーノ、そして直近ではフンダシオン・アルバセテで経験を積んできた選手。相手チームからパワフルにボールを奪うことはもちろん、貫禄あるPKゴール後に見せたパフォーマンスなど、サッカー経験の深さを垣間見ることができた。


更に新スターとして期待されているのが18歳のMF遠藤ゆめ。中学時代からマイナビ仙台のユースチームで長く経験を積んできたが、今年7月29日にトップチームへの昇格が内定。正式加入は来年2月からとなるが、開幕戦ではすでにスターティングメンバーとして出場を果たした。緻密なドリブルやパス回しが得点の鍵となり、新たなスターとしての頭角を見せていた遠藤。特にMF中島依美との息のあったプレーや、DF佐々木里緒とMF佐々木美和による“SSコンビ”との絡みで得点チャンスを多く生み出すなど、今後の試合でも様々な選手との科学変化が非常に楽しみだ。




日テレ・東京ベレーザ 写真:©WE LEAGUE

好スタートのマイナビ仙台と日テレ・東京ベレーザ


全5試合が行われたWEリーグ第1節で好スタートを切ったのは、相手チームから3得点を奪い勝利を収めたマイナビ仙台と日テレ・東京ベレーザだ。全試合結果は下記の通り。



  • ちふれASエルフェン埼玉VSマイナビ仙台レディース:1-3

  • ノジマステラ神奈川相模原VS大宮アルディージャVENTUS:0-1

  • INAC神戸レオネッサVSアルビレックス新潟レディース:1-0

  • セレッソ大阪ヤンマーレディースVSジェフ千葉レディース:1-0

  • 日テレ・東京ベレーザVS長野パルセイロ・レディース:3-1


ここで、昨シーズンの順位トップ5を見てみよう。※括弧内は勝点



  • 1位:三菱重工浦和レッズレディース(52)

  • 2位:INAC神戸レオネッサ(44)

  • 3位:日テレ・東京ベレーザ(42)

  • 4位:マイナビ仙台レディース(27)

  • 5位:サンフレッチェ広島レジーナ(24)


上位3クラブと4位以下の勝点差が大きいことがわかる。


もちろん順位そのものも大切だが、勝点に着目するとまた違う視点でも試合を楽しめる。勝点数が増え、各クラブの差が縮まれば縮まるほどWEリーグ全体のレベルも高まる。ひいては、なでしこジャパン(日本女子代表)のレベル向上にも大いに影響してくるだろう。誕生して間もないWEリーグが、世界に注目されるリーグになれるよう、期待し応援したい。

FOOTBALL TRIBE

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