MotoE最終戦バレンシアGP:22歳イタリア人ライダーのフェラーリが初代チャンピオンの栄冠に輝く

11月18日(月)7時0分 AUTOSPORT web

 リカルド・トルモ・サーキットで、電動バイクレース、FIMエネルMotoEワールドカップの最終戦が行われ、レース1、レース2でともにエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)が優勝。チャンピオンシップではマッテオ・フェラーリ(トレンティーノ・グレシーニMotoE)が、電動バイクレースMotoEの初代チャンピオンに輝いた。


 2019年に新設された電動バイクレース、MotoE。MotoGP第19戦バレンシアGPに併催されたMotoEの最終戦は2レース制で行われた。まず木曜日にフリー走行1回目、金曜日にフリー走行2回目と予選であるEポールが行われ、土曜日にレース1、日曜日にレース2がスケジュールされた。


 この大会には開幕戦ウイナーのニキ・トゥーリ(アジョMotoE)の負傷欠場により、2019年シーズンはスーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦していたルーカス・マヒアスが代役参戦。しかし、マヒアスはフリー走行2回目で転倒を喫し、右手小指を負傷。手術を受けることとなり、欠場となった。


 マヒアスの欠場により、17名で争われたEポールでは、グラナドがポールポジションを獲得。2番手には前戦サンマリノGPで、2レースともに優勝を飾り、チャンピオンシップのポイントリーダーとして最終戦を迎えるフェラーリ、ブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)が3番グリッドを獲得した。


 なお、Eポールではニコラス・テロル(オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム)がペナルティを受け、予選タイムを抹消された。タイヤの空気圧が、規定よりも低かったというのがその理由だ。これにより、テロルは最後尾よりレースを迎えることになった。


■レース1:最終ラップまで続いた激しい2位争いを制したのは、21歳のスペイン人ライダー


 MotoEの最終戦レース1は、土曜日の現地時間16時15分、陽が傾いた夕方の時刻からスタートした。気温は17度、路面温度は19度で、路面コンディションはドライ。


 全7周の周回数が設定されたMotoE最終戦バレンシアGPで、好スタートを切ったのはポールスタートのグラナドだったが、ホールショットを奪ったのは3番グリッドスタートのスミスだ。しかしスミスをマークし、逃さないグラナド。トップのスミスと2番手のグラナドが1周目から先行し、少し離れて3番手のエクトル・ガルソ(テック3・Eレーシング)が続く。


 そのガルソはレース折り返しの4周目になると、次第に2番手のグラナドに接近。さらにグラナドスミスとの差を詰め、トップ争いは三つどもえの様相を呈し始める。


 残り2周に入るホームストレートで、スリップストリームからの加速を使い、グラナドがスミスをオーバーテイク。さらにガルソもこの機に乗じて1コーナーでスミスを交わす。しかしスミスもガルソの左イン側を位置取り、左コーナーである2コーナーでガルソをパス。しばらくスミスの後方につけていたガルソだが、最終コーナーでスミスのインを突きオーバーテイク。トップがグラナド、2番手にガルソ、3番手スミスの順でラストラップに入った。


 スミスは1コーナーでガルソをオーバーテイクし、2番手を奪還。さらにその先の2コーナーで、ガルソがスミスを再び交わす。2番手争いは最終局面を迎え、“静か”で激しい争いが展開された。


 最終コーナー、スミスがコーナーの入り口でマシンの挙動を乱す。一方、前を行くガルソもラインを外してはらんでしまい、スミスがその空いたスペースへと飛び込んだ。しかし、ガルソがクロスラインでスミスに先行して立ち上がる。

激しい2番手争いを展開するガルソとスミス
激しい2番手争いを展開するガルソとスミス


 すぐ後方で激しい2番手争いが展開されるなか、トップのグラナドはその位置を守り切り、そのまま先頭でチェッカーを受けた。実は開幕前にここリカルド・トルモ・サーキットで行われたシミュレーションレースで、グラナドは優勝を果たしている。開幕後は転倒などもあり、表彰台も獲得できずいるレースが続いたが、初勝利を手にした。


 2位争いを制したのはガルソで、スミスは僅差で3位フィニッシュ。フェラーリは4位でレースを終え、ポイントリーダーの座を守った。


 その後、ガルソのタイヤ空気圧が規定よりも低いことが判明し、ガルソの結果は抹消されている。このため、当初はフェラーリ、ガルソ、スミスがチャンピオン獲得の可能性を残していたが、タイトルを手にできる可能性を持つのはフェラーリとスミスのみとなった。


■MotoE第4戦レース1 決勝順位結果(7周)












































































































































Pos.No.RiderTeamMotorcycleTime/Gap
151E.グラナドアビンティア・エスポンソラーマ・レーシングエネルジカ11’49.900
24H.ガルソテック3・Eレーシングエネルジカ0.706
338B.スミスワン・エナジー・レーシングエネルジカ3.213
411M.フェラーリトレンティーノ・グレシーニMotoEエネルジカ6.310
510X.シメオンアビンティア・エスポンソラーマ・レーシングエネルジカ7.383
65A.デ・アンジェリスオクト・プラマック・レーシングエネルジカ7.732
77N.カネパLCR Eチームエネルジカ8.888
82J.ラフィンダイナボルト・インタクトGPエネルジカ9.634
916J.フックオクト・プラマック・レーシングエネルジカ10.676
1027M.カサデイオンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセエネルジカ10.923
1163M.ディ・メリオエストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDSエネルジカ12.177
1215S.ジベルナウジョイン・コントラクト・ポンス40エネルジカ15.569
1314R.ド・プニエLCR Eチームエネルジカ15.783
1418N.テロルオープンバンク・アンヘル・ニエト・チームエネルジカ15.821
156M.エレーラオープンバンク・アンヘル・ニエト・チームエネルジカ16.165
1632L.サバドーリトレンティーノ・グレシーニMotoEエネルジカ21.668


■レース2:グラナドが2連勝。フェラーリがMotoEの最初のチャンピオンを獲得


 MotoEのレース2は当初から予定が変わり、MotoGPクラスの決勝レースが終わった日曜日の現地時間15時20分スタートでスケジュールされた。気温15度、路面温度14度のドライコンディションのもと、レースがスタート。好スタートを切ったのは前日のレース1で3位表彰台を獲得したスミスで、ここにポールスタートのグラナド、ポイントリーダーのフェラーリが続く。


 1周目の4コーナー、チャビエル・シメオン(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)とジョシュ・フック(オクト・プラマック・レーシング)が交錯するクラッシュが発生。 同じく4コーナーでは、ニッコロ・カネパ(LCR Eチーム)が転倒。このクラッシュによるマシンの炎上などはなくレースは続行されている。


 スタートからスミスがレースをけん引する、レース1のような展開。2番手にはグラナドがつけ、スミスをマークする。トップ争いはスミスとグラナドのふたりにしぼられた。ふたりの差はわずか0.1秒ほどで、テール・トゥ・ノーズでグラナドがスミスを追う。

短いレース周回数のなかで、序盤からトップを守っていたスミス
短いレース周回数のなかで、序盤からトップを守っていたスミス


 最終ラップ、グラナドがスミスのインを突いてオーバーテイク。しかしスミスが再びポジションを奪い返す。さらにグラナドが再びスミスに勝負を仕掛けると、ブレーキングでスミスとヒットしながらオーバーテイク。ふたりは火花散るオーバーテイク合戦を繰り広げた。


 最終コーナーでグラナドに勝負を挑んだスミスだったが、グラナドが先行してホームストレートを立ち上がる。そのままトップでチェッカーを受け、バレンシアGPで2勝を挙げた。スミスは2位、3位はガルソが獲得している。


 チャンピオンシップのポイントリーダー、フェラーリは5位でフィニッシュ。この結果により、99ポイントを獲得。ランキング2番手のスミスに11ポイント差をつけ、電動バイクレースMotoEの初代チャンピオンに輝いた。

5位フィニッシュを果たしたフェラーリ。MotoE最初のチャンピオンとなった
5位フィニッシュを果たしたフェラーリ。MotoE最初のチャンピオンとなった


■MotoE第4戦レース2 決勝順位結果(7周)


天候:晴れ ところどころくもり 路面:ドライ




















































































































































Pos.No.RiderTeamMotorcycleTime/Gap
151E.グラナドアビンティア・エスポンソラーマ・レーシングエネルジカ11’52.860
238B.スミスワン・エナジー・レーシングエネルジカ0.458
34H.ガルソテック3・Eレーシングエネルジカ4.124
45A.デ・アンジェリスオクト・プラマック・レーシングエネルジカ7.003
511M.フェラーリトレンティーノ・グレシーニMotoEエネルジカ7.405
663M.ディ・メリオエストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDSエネルジカ9.475
715S.ジベルナウジョイン・コントラクト・ポンス40エネルジカ9.513
827M.カサデイオンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセエネルジカ10.503
918N.テロルオープンバンク・アンヘル・ニエト・チームエネルジカ14.613
102J.ラフィンダイナボルト・インタクトGPエネルジカ14.711
1114R.ド・プニエLCR Eチームエネルジカ15.202
126M.エレーラオープンバンク・アンヘル・ニエト・チームエネルジカ17.166
1332L.サバドーリトレンティーノ・グレシーニMotoEエネルジカ19.552
1478K.フォーレイテック3・Eレーシングエネルジカ29.432
NC10X.シメオンアビンティア・エスポンソラーマ・レーシングエネルジカ0 Lap(1周できず)
NC7N.カネパLCR Eチームエネルジカ0 Lap(1周できず)
NC16J.フックオクト・プラマック・レーシングエネルジカ0 Lap(1周できず)


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