清水エスパルスがJ1復帰のために手放せない選手トップ5

2022年11月18日(金)14時0分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

王国崩壊。2022シーズンも最終盤までもつれ込んだ、明治安田生命J1リーグの残留争い。結果はサッカー王国と言われる静岡県が誇る2チーム、清水エスパルスとジュビロ磐田の同時降格に終わった。


特に清水は同シーズン試合終盤での失点が多く、取りこぼした勝ち点を考えれば悔やんでも悔やみきれない。しかし、下を向いている余裕はない。王国の威信に懸けても、1年でのJ1昇格は必須となる。


最後まで耐えきれない守備面、後方からの組み立てでボールが前に進まず滞る攻撃面など、次シーズン開幕までにはクリアすべき課題も多い。だが、清水はそれら戦術的な落とし込みの他にも、大きな懸念を抱えている。選手たちの去就についてだ。


近年の清水は、度重なる監督交代の影響もあってか冬、夏ともに大きな補強を慣行。欧州で経験豊富な外国籍選手も多く、日本人選手を見ても、代表、元代表、世代別代表候補と降格するとは思えない陣容となっている。ゆえに、実際に降格が決まった今冬は複数の選手が国内外の他クラブの補強リストに載っていても何ら不思議はない。


もちろん、クラブ関係者やサポーターにとって、どの選手も等しくクラブに残ってほしい存在であることに変わりはないだろう。多くの所属選手の去就が注目される中、ここでは清水の1年でのJ1復帰に向けて、特に手放したくない5名の選手をランキング形式でご紹介する。




清水エスパルス MF白崎凌兵 写真:Getty Images

5位:白崎凌兵


2022シーズン4年ぶりに清水に戻った、かつての背番号「10」MF白崎凌兵。怪我人の多かったシーズン序盤から1年通して、サイド、ボランチ、最前線と複数のポジションを高いレベルでこなしチームを引っ張った影の功労者だ。


もともと攻撃的な能力の評価は高く、機を見た攻撃参加は相手からすれば嫌な存在。特に攻撃陣にタレントの多い現在の清水の中にあって、ボランチから裏へ走る動きをされれば守備陣からすれば捕まえるのは至難と言える。


2015年の降格と翌2016年の昇格を清水で味わっている白崎。ここ数年でその頃を知る選手は少なくなった。だからこそ、白崎の持つJ2で戦った経験値は大きな武器となるだろう。ポジション、29歳という年齢ともにクラブの中心となれる存在なだけに、流出となれば影響は間違いなく大きい。




清水エスパルス FW鈴木唯人 写真:Getty Images

4位:鈴木唯人


2020年に高校サッカーの名門、市立船橋高等学校から加入したFW鈴木唯人。かつてはFW岡崎慎司(シント=トロイデン)や、今夏清水に帰還したFW北川航也の付けた背番号「23」という清水にとっての出世番号を背負っていることからもクラブの期待の高さが窺える。


そんな清水の若き至宝にとって、2022シーズンは飛躍の年になったと言えるだろう。前線の選手に負傷者が多く出たシーズン序盤。開幕2戦連続となるゴールなど、持ち前のスピード感あふれるドリブルを武器に攻撃を牽引。さらに7月に行われたAFC U-23アジアカップでも、中心選手として日本の3位に貢献した。


予てより海外移籍の噂も出る鈴木だが、夏以降は怪我の影響もあり出場機会が少なくなっていただけに、去就については読めない。海外挑戦となれば、パリ世代を牽引する選手の1人として今後も楽しみが増えるが、出場機会の確保は清水に居るよりも難しくなるだろう。一方で、降格によって主力選手の流出が懸念される中、鈴木が残留を決めれば間違いなく出場機会は増えることが予想される。年齢的にも試合に多く絡むことは重要。だからこそ去就が注目されるのは必然なのだ。


清水エスパルス GK権田修一 写真:Getty Images

3位:権田修一


言わずと知れた日本代表の守護神、GK権田修一も手放せない選手であることは間違いない。失点こそリーグで3番目に多い清水だが、数々の権田のスーパーセーブがなければさらに多かったことも考えられる。また、時折高精度のパントキックを見せ好機を演出するなど、日本代表という肩書抜きにしても改めて能力の高さを見せた1年だった。


2022シーズンはキャプテンとして、後方からチームを鼓舞し続けた権田。J2降格という結果には責任を感じていることだろう。しかし、去就に関してはやはり現役の代表GKを他クラブが放っておくとは思えない。守備面での不安が拭えないシーズンを繰り返している清水。キャプテンであり代表の守護神でもある権田がクラブを去るようなことになれば、J2でも一層守備面の不安が表面化する恐れもある。




清水エスパルス DF山原怜音 写真:Getty Images

2位:山原怜音


大卒ルーキーながら1年を通して堂々たるプレーを見せたDF山原怜音。高さはないが、無尽蔵のスタミナと前への推進力を有し、セットプレーも含め高精度のクロスを武器にチーム最多となる8つのアシストを記録した。また、時折見せるミドルシュートも強烈なものを持っており、球種も豊富で将来的には代表での活躍も期待できるだろう。


ホットラインと言われたFWチアゴ・サンタナ以外にも、現在の清水にはFWオ・セフン、MFベンジャミン・コロリなど高さと強さを兼ね備えた選手が多く在籍している。さらに来2023シーズンには日本大学藤沢高等学校より198cmの大型FW森重陽介の加入も内定しており、山原の正確なクロスやセットプレーの生きる場はますます整う。


現在所属している選手たちの去就はまだ不明だ。しかし、優れた新戦力の加入が決定していることもまた事実。なにより、将来的にクラブの顔にもなれる山原を手放すことになれば、強い清水としての復権が遠のくことまでありうる。




清水エスパルス FWチアゴ・サンタナ 写真:Getty Images

1位:チアゴ・サンタナ


当然と言うべきか、2022シーズンのJ1得点王FWチアゴ・サンタナは、なんとしても流出を避けたい選手の筆頭だろう。その得点能力は言うまでもないが、特徴はボール保持能力の高さだ。持ち前の体格と足元の技術を武器に、味方との距離が多少離れていてもキープすることができる。


得点の多くがカウンターにの清水にとって、前線にボールを収められる選手がいるかどうかは死活問題と言える。また、現在の清水は指揮官や外国籍選手も多くはサンタナと同じブラジル人。もちろん彼らの去就も決まっているわけではないが、最前線であり攻撃の中核であるサンタナのみが入れ替わる場合、他の選手では意思疎通や連携といった面で今季よりも遅れを取ることが想定される。


年間通して攻撃面においては一定の成果を上げていただけに、サンタナの慰留に成功すれば守備面の再構築に絞ってチーム作りを進められる。だからこそサンタナの去就はそのまま1年を左右するものになると言える。そして、なにより清水のサポーターは、最終節で見せたサンタナの悔し涙を、次シーズンは同じ清水で昇格の嬉し涙に変えてほしいと願っていることだろう。

FOOTBALL TRIBE

「清水エスパルス」をもっと詳しく

「清水エスパルス」のニュース

「清水エスパルス」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ