中日の京田放出トレードが「身内」からも批判集める「理由」とは
2022年11月19日(土)11時37分 ココカラネクスト
(C)Getty Images
大型トレードを続々敢行、「血の入れ替え」を進める中日が球界の話題を独占している。
18日に両球団から発表となったのは中日・京田陽太内野手(28)とDeNA・砂田毅樹投手(27)の1対1の交換トレード。手薄だった左の中継ぎ強化を図りたい中日と遊撃ポジションを強化したかった両球団の思惑が合致したとされるが、波紋を呼んでいるのは、中日側は次々に主力級を放出していることにもあった。
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15日にもマスターの愛称で知られた阿部寿樹内野手(32)と楽天・涌井秀章投手(36)の1対1の交換トレードを成立させたばかり。阿部はビシエドをのぞき、日本人野手の中ではチームの本塁打、打点トップ。貧打線が課題となる中、数少ない「打てる選手」だっただけに、チーム内外に衝撃が走った。
チームの今後に危機感を抱いたのは球団OBも同様だった。今ドラフトでは内野手4人を獲得、矢継ぎ早に世代交代を進めるチームについて昨季、現役を引退、現役時代は強打の外野手で鳴らした中日OBで野球解説者の藤井淳志氏(41)は18日に出演した東海ラジオ「Live Dragons!」内で今回の2件のトレードについて言及する場面があった。
今季の開幕戦で二遊間を務めた2人が放出された点について、藤井氏はまず「まあ、正直どっちか一人じゃないと、内野手はね、今、誰がいるの?ってなった時にメドが立つ選手がいないですよね」と疑問を呈す。
ドラフトでは内野手4人を獲得したことも話題を呼んだが、それを踏まえても「ルーキーで(内野手を)たくさん獲りましたけど、基本的にルーキーでいきなり二遊間で活躍を求めるのは酷ですよね」と特に内野の大事なポジションとあって、若手育成には一定の時間が必要だと話す。
相次ぐ主力選手の放出、さらにファン間で疑問の声が渦巻いているのは、先に遊撃も守れるユーティリティプレーヤーで知られる三ツ俣を戦力外通告としたことにもあった。この点についても藤井氏は言及。
「三ツ俣選手を残してれば、穴が空いていれば塞げる準備もできますが、三ツ俣選手も戦力外になりましたし」としながら、チーム方針に関しては「何か変えていこうというのは垣間見えるし、大事なことである」としながらも、「(チームは)大丈夫かなってのは僕も思います」とファンの思いを代弁した。
この藤井氏の発言以外にも中日OB、球界OBの間からも続々、「中日は大丈夫か?」の声が届いている。
これほど反響が広がる背景にはこんな声もある。
「元々球団のOBはその地元で仕事していることも多く、基本的には球団に応援のスタンスを取るもの。そのOBたちがここまで声を揃えて、危機感を打ち出すのは相当なこと。それだけ地元ファンの間でも今回のチーム方針に疑問の声が渦巻いていることが分かります」(放送関係者)
今回の方針を率先して進めたとされる立浪監督に対して、違和感を訴える声が今もネット上では散見される。
今季ホーム最終戦で立浪監督は「大きくみなさんの期待を裏切った」「選手をうまく機能させてあげることができなかった」とファンに懺悔したが、最下位からの巻き返しを図る来季こそ、待ったなしに選手を「機能」させることが求められそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]