繁栄誇るイギリス・ツーリングカー選手権に2020年ヒュンダイ参戦。現行規定で15番目の参入ブランド
2019年11月20日(水)12時48分 AUTOSPORT web
BTCCイギリス・ツーリングカー選手権に2019年シーズンから参戦を開始したエクセラー8モータースポーツはシリーズ参戦2年目となる2020年に向けマシンスイッチすることを決断。BTCC史上初エントリーとなるヒュンダイとのジョイントで、2020年から『ヒュンダイi30ファストバックNパフォーマンス』を投入するとアナウンスした。
かつてトリプルエイト・レースエンジニアリングが走らせていた元ファクトリーマシンの『MG6 GT』2台を買い取り、2019年からBTCCにステップアップを果たした同チームは、2年目のシーズンに向け2台の新型モデルを用意することを発表した。
BTCC初の韓国ブランドとなるi30ファストバックNパフォーマンスの参戦により、繁栄を誇る現行NGTC規定下でシリーズに加わったマニュファクチャラーの数は15に増えることとなった。
このエクセラー8モータースポーツは、以前からイギリス国内のミニ・チャレンジなどで精力的に活動を続けてきており、BTCCでもミニ・ブランドを走らせることを模索してきた。
しかし、2リッター直列4気筒ターボを搭載しながら、前後共通のサブフレームを採用するNGTC規定に対し、ミニのラインアップで規定に合致するベースモデルがないことから、チームはいくつかのオプションプランを策定。
BTCC参入を果たした2019年初頭から次期型モデルの選出に入り、ヒュンダイの高性能ブランドである“N”の名を冠した、Cセグメントのファストバックモデルをチョイスするに至った。
その参戦形態はファクトリー体制ではなく、チームの独立したプログラムになるものの、2台のi30ファストバックNパフォーマンスは「ヒュンダイが直営する英国内の主要ディーラーネットワークのいくつかから」強力なサポートを得ることになるという。
すでにNGTC仕様の設計と開発はシーズン中の2019年9月からスタートしており、BTCC運営母体のTOCAが推進する、将来的なハイブリッド機構の搭載も見越して、現在はコスワース・エレクトロニクス社と緊密な技術連携を伴って設計が進んでいる。
「ヒュンダイの投入は、我々チームがBTCCでのタイトルコンテンダーを目指す複数年計画の第一歩として、次のステージに進んだことを表している」と語るのは、チーム代表のオリバー・シェパード。
「この最新の『ヒュンダイi30ファストバックNパフォーマンス』は、ホイールベースはもとより、トレッド幅、ドラッグとほぼ同義語のCd値(空気抵抗係数)、および、ねじれ剛性の数値で非常に好ましい性能を有しており、このプロジェクトの見通しにとてもワクワクしている。忙しい冬になるが、チーム全員が早くマシンを軌道に乗せるべく全力を尽くしているよ」
一方、BTCCの最高運営責任者を務めるTOCA代表のアラン・ゴウも、エクセラー8がファクトリー支援を受けずに新たなマニュファクチャラーで参戦する意思を表明したことを歓迎する言葉を残した。
「これこそ、NGTC規定の成功を物語るアナウンスだと言っていい。エクセラー8モータースポーツとともに、BTCCに新たなマニュファクチャラーが加わることになったのだからね」とアラン・ゴウ。
「NGTC規定を制定したときの目標は、参戦メーカーの多様性とチームの自主性を確保することだった。今回の事案はまさにそれが具現化された出来事だと言える。ヒュンダイは世界的に認知されているブランドであり、WRC世界ラリー選手権やTCR規定ツーリングカーなど、他のカテゴリーで輝かしい実績を残している」
「そしてエクセラー8も、現時点のグリッド上でもっとも古いシャシー(MG6 GT)を用いながら、デビューイヤーで驚くべき進捗をみせてくれた。彼らが新世代のヒュンダイでどれほどの躍進を見せてくれるか。今から2020年シーズンを楽しみにしているよ」
NGTC規定の元では、ベース車の搭載するエンジンを使用することはもちろん、2リッター直列4気筒のラインにふさわしい同一マニュファクチャラーのエンジンを用いて、チューナーとの協業でレースエンジンに仕立てるのが一般的だが、BTCCが用意する“TOCA共通エンジン”の搭載も認められている。
現時点で、エクセラー8モータースポーツがどちらの方針を選択するかは未定で、2名のレースドライバー起用も含めて今後追ってアナウンスするとしている。