走り出し好調のWAKO’S大嶋&山下。午後トップの牧野も警戒する未知のロングランとホッケンハイムの悪夢

11月21日(木)17時49分 AUTOSPORT web

 スーパーGTとDTMマシンの特別交流戦を週末に控え、木曜日に行われたDTMとの合同テストで午前6番手、午後2番手タイムをマークして最終戦からの好調ぶりをみせたWAKO’S 4CR LC500。新チャンピオンとなったふたりに、ハンコックタイヤの印象とDTMとの交流戦の手応えについて聞いた。


 シリーズ最終戦でタイトルを獲得してチェッカー後は感極まったWAKO’S 4CR LC500大嶋和也。チャンピオンを獲得して2週間が過ぎたが、大嶋に浮かれるような姿はいっさい見られない。


「もてぎ後は、これまで応援してくれていた人たちとご飯を食べたり、お祝いをしてもらったりしましたが、チャンピオンになった実感みたいなものは特にはないですね。なにかとシャンパンを飲む機会が増えたかな、というくらいです(苦笑)」


 タイトルの懸かったシリーズ最終戦のもてぎと比べると、さすがに今週末の特別交流戦を平常心で迎えられそうだ。


「今回の交流戦は特に大きなプレッシャーもないですし、ニュータイヤもたくさんあるので、たくさんニュータイヤで走れるのでうれしいです(笑)。ハンコックタイヤを履くのは初めてですが、思ったよりも使いやすい。特徴も掴みやすくて、縦と横を一緒に使ってはいけないなと。オーソドックスな特徴のタイヤですよね」


 そのハンコックタイヤに使い方について、詳しく聞く。


「いつも富士で走っている状態からちょっとアジャストしている感じで、そこまで違和感はないです。乗り方はちょっと変えていて、最終のセクター3のラインがいつもと違って縦のブレーキが行けるので、ブレーキで奥まで行って向きを変えてV字に曲がる感じです」


 木曜午後、DTMとの2回目のセッションを担当したチームメイトの山下健太も同じようにタイヤの印象を語る。


「ホッケンハイムでは全然ダメだったと聞いていたので、どれだけグリップしないのかと思っていましたが、富士の路面がいいというのがあるのかなと思いますが予想以上に普通に乗れる。いつも使っているタイヤと比べてグリップは低いですけど、思ったよりはグリップするなという印象です」と山下。


 それでもタイヤの特性は異なり、富士でのライン取りも乗り方も変わる。


「縦と横のグリップの差が大きくて、ブレーキはかなり奥まで行けるんですけど、横のグリップが縦ほどはない。その差がすごく特徴的なタイヤだと思いました。トラクションもいいんですけど、少しでも横向きになればすぐにリヤが出る。S耐で使っているタイヤとも特徴は違いますね」


 週末は雨になりそうだが、やはり予選から決勝に向けてセットアップが変えられないパルクフェルメ規定への対応とロングランのペースが鍵になりそうだ。さらにはアメリカのインディ由来でDTMでも採用しているインディスタートもポイントになる。スーパーGTでは慣れないインディスタートに向けて、この木曜日に2回、そして金曜日に1回、インディスタートの練習が予定され、木曜の2回目のWAKO’S 4CR LC500は山下が担当した。


「チームから『明日はポール獲るでしょ』と言われて、『獲りますよ!』と答えて、トップだとカッコイイかなと思って練習で先頭に行ったんですけど、先頭で走っているといつものGTのスタートと変わらなくて、もっと後ろの方でやればよかったです(苦笑)。1回目のときはトップのDTM2台はきれいに並んでいましたよね。インディスタートはみんながうまくやらないとキレイに行かないですね」と、ぴったりと接近したインディスタートの難しさを話す山下。


 週末については、「ロングランはできていないけど、やはり周回を重ねると1周コンマ2秒くらい、グリップは大きく落ちますね」と山下が話すように、デグラデーションの早いハンコックタイヤをレースでどのように使いこなすのかがポイントになる。


 山下が2番手になった午後のDTMとのセッションで、トップタイムをマークしたModulo Epson NSX-GTの牧野任祐も今週末についてはロングランを鍵に挙げる。


「ホッケンハイムで1号車がレースしたデータもあるので、チームでしっかり準備をして、走り出しからある程度きちんと走れているので、今のとこは順調にできているのかなと思います」と、手応えを話す牧野。


「ハンコックタイヤについては、かなり構えていた部分があるので、正直、思ったよりは普通かなと。それでもやっぱり、日本のタイヤの特徴とは違いますね。乗り方やセットアップも違います。ただ、まだロングランもできていないですし、パルクフェルメ規定があって予選から決勝に向けてクルマを変えられないので、そこの合わせ込みが難しくて、今日もそれを考えてレースに向けて、タイヤを保たせられるようにいろいろセットアップを進めている段階です」と、週末のポイントを挙げる


 ドライでもロングランの把握が難しいなか、ウエットコンディションになれば、その難しさは計り知れないほど大きくなる。ドライの木曜日はDTM勢と互角以上のパフォーマンスを見せたスーパーGT500勢だが、週末の予報は雨が濃厚。ホッケケンハイムでの悪夢が過ぎる。


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