「千葉と言えば市船と示したかった」 市立船橋を全国に導いた主将DF杉岡大暉の“判断”

11月21日(月)0時40分 サッカーキング

2年連続21回目の選手権出場を決めた市立船橋 [写真]=岩井規征

写真を拡大

 今年のインターハイ決勝と同カードとなった第95回全国高校サッカー選手権大会・千葉県予選決勝。今季公式戦5度目の対戦となる市立船橋と流通経済大柏の一戦は、市立船橋が2−1で勝利し、2年連続21回目の選手権出場権を手にし、今季の対戦成績を3勝1敗1分とした。

 白熱した試合の勝敗を決めたのは、市立船橋の“ピッチ上の監督”の存在が大きかった。湘南ベルマーレに入団が内定しているDF杉岡大暉は、試合の立ち上がり10分で、「3バックでいったのですが、セカンドボールが拾えなくて、後ろが重くなってしまった」と強烈な危機感を覚えたことを試合後に明かす。

 杉岡はこの試合で金子大毅、アルビレックス新潟入団内定の原輝綺と3バックを組んでいた。しかし、相手のロングボールとセカンドボールへの圧力に差し込まれ、両ウィングバックも守勢に回る状況になってしまった。「このままではまずい」と感じた杉岡は、15分に流通経済大柏のMF菊池泰智のシュートを、ゴールライン手前で金子がスーパークリアをした後、決断を下した。

 3バックをやめて、金子をボランチに押し出し、4バックに切り替える。この判断をすぐに原と金子に伝え、2人も迷わず了承し、全体に伝えた。

「朝岡(隆蔵)監督から、『(試合中は)歓声などで声も届かないから、自分たちで判断をしてやれ』と言われていた。これまでも杉岡を中心に話し合って判断することもあったので、すぐに理解しました」と金子が話すように、杉岡の判断はすぐに全員に行き渡り、杉岡と原の強固な壁をベースに、金子が中央のスペースを埋める働きを見せ、劣勢だったセカンドボール争いをイーブンに戻すと、21分に左CKから原がヘディングシュートを叩き込み、先制点を奪い取ることができた。

 31分に菊池に鮮やかなシュートを決められるが、「失点はしたけど、落ち着いてやれば勝てると思った」と、杉岡はすぐに頭を切り替え、「ゴール前の危険なエリアを僕と原が常に構えていればやられないと思ったので、常に距離感を意識していました」と、原との距離感を常に意識に入れて、2人が広がって間のスペースを狙われないように、CBとしての連携を徹底した。

 44分にMF太田貴也が勝ち越しゴールを奪うと、杉岡の集中力はさらに研ぎ澄まされ、より難攻不落な壁を築いて行く。この強固な牙城を流通経済大柏は切り崩すことができず、そのままタイムアップ。

 歓喜のガッツポーズを見せた杉岡は、「『千葉と言えば市船』ということを示したかった。流通経済大柏相手に理想的な戦いができたと思います」と誇る。左腕に巻かれたキャプテンマークと、堅守市船の象徴的な背番号5には、重い伝統と歴史が刻まれている。その重みを誰よりも理解しているからこそ、杉岡はチームの勝利のためにその頭をフル稼働させて考え、決断を下す。

「まだプレミアリーグ、選手権と重要な戦いは続きます。より市船らしく戦えるように仕上げて行きたい」と、“ピッチ上の監督”は、今日の『采配』に満足せず、更なる高みを目指している。

取材・文=安藤隆人

サッカーキング

「船橋」をもっと詳しく

「船橋」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ