J2優勝の柏、キーポイントは4バックへの変更 序盤の苦戦一転、19節からは11連勝

11月21日(木)11時20分 SPAIA

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優勝候補・柏が苦しんだシーズン序盤

11月16日に行われたJ2リーグ第41節、柏レイソルがアウェイで町田ゼルビアに勝利したことで1試合を残し柏のJ2優勝が決定。合わせて1年でのJ1復帰を達成。序盤は苦しんだもののJ2で唯一の勝点80超え、1試合を残しての優勝という最高の結果を掴んだ。

「断トツの優勝候補」。今季開幕前に柏をそう評価していた方も多いだろう。

オフシーズンに伊東純也、中山雄太の海外移籍はあったが主力選手のほとんどがチームに残留。そしてネルシーニョ監督が復帰。そもそも昨季はACLに出場していたチームで、さらに加藤監督解任後のラスト2試合は連勝。J1でも十分渡り合える戦力を持ったチームが実績ある監督の下で戦うのだからそれも当然である。

しかし実際シーズンが始まってみると、序盤は思うように勝点を伸ばせず、第17節終了時点ではプレーオフ圏外となる7位に沈んだ。

当時の問題点は17試合で14得点という明らかな得点力不足。シュート数は14.0本/試合とリーグトップ。枠内シュート数4.77本/試合もリーグアベレージ以上。しかしシュート決定率(シュート本数/得点)は20本シュートを打ってようやく1点に届く5.8%。簡単に言えば決定力が欠けていた。

きっかけとなったのはフォーメーション変更

得点力不足に苦しんだ第17節以降は、翌第18節の引き分けを挟み第19節から怒涛の11連勝。得点も量産し連勝途中の第26節に首位に立つことになるのだが、大きな分岐点となったのは第18節で開幕から使っていた3バックから4バックにフォーメーションを変えたことだろう。

第18節から第41節までの24試合は、シュート数は17.3本/試合と若干少なくなるが、枠内シュート数6.4本/試合、シュート決定率17.0%。決定力不足が一気に改善した。

この3バック期と4バック期をデータで比べるとパス成功率に変化がみられる。パス数自体は3バック期が495.5本/試合、4バック期が501.5本/試合とそれほど大きな違いは無い。しかしパス成功率が75.0%から80.1%へと大きく上昇している。

この要因はパス方向別の内訳を見ると明らかになる。3バック期はパス全体の前方パス比率が37.0%だったが4バック期は33.1%へと減少。成功しにくい縦パスの比率を減らすことでパス成功率が上がったのである。

決定率が改善された要因

そもそも柏は他のJ2クラブからすると格上ともいえるチームである。3バック期もボール保持率53.9%(4バック期54.5%)が表すように柏がボールを支配し、対戦相手が守備を固めるという展開になることが多かった。

しかしそんな中でも前方パスを多用。前方パスを多用する縦に速い攻撃は有効な戦い方の1つではあるが、相手DFが待ち構えているところへ仕掛けるとなるとその効果は薄い。その結果、3バック期は相手DFが待ち構えている厳しい状態でFW陣はシュートを打つ場面が増え、決定率が下がった。

しかし4バックに変えバランスを改善することでしっかりと攻撃を組み立てるようになった。その結果、FW陣は良い状態でシュートを打つ場面が増え、決定率が上がることにつながったのだろう。

シンプルに戦うことを徹底したネルシーニョ采配

そして忘れてはいけないのはネルシーニョ監督の采配だ。

近年特にJ2では戦術的に特徴的なチームが増えてきているが、ネルシーニョ監督の采配は非常にシンプルだった。攻撃に必要以上に人数をかけるわけでもなく、守備的に戦うわけでもない。そして前線の選手でも守備を免除されている選手はおらず、全員に1対1で強度の高いプレーを求め徹底させた。実際に柏が第41節までに記録したタックル数963回はリーグ平均812.5回を大きく上回りリーグトップの数字である。

戦力的に頭一つ抜けたチームがバランスを整えシンプルに高い強度で戦う。結果を残すための方法としては非常にわかりやすいロジックである。このロジックを成立させ、注文通りにJ2優勝、1年でのJ1復帰に成功したネルシーニョ監督の手腕はお見事だった。

※記事中の数字は独自集計

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