警官による暴力が判明! メッシが「悲劇」と嘆いた南米予選の騒動が波紋「頭を破裂させる勢いで殴りつけてきた」

2023年11月23日(木)15時0分 ココカラネクスト

母国のサポーターたちに暴力を振るう地元警官を止めに入るアルゼンチンの面々。(C)Getty Images

 宿命の対決で前代未聞の騒動が起きた。現地時間11月21日にリオデジャネイロで行われたワールドカップ南米予選のブラジル代表とアルゼンチン代表の一戦で、両国サポーターがキックオフ直後に衝突。現地警察による「暴挙」も明るみになる騒動となった。

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 熱気漂うマラカナンでそれは起きた。キックオフしてまもなく、敵地に乗り込んだアルゼンチン・サポーターが相手を揶揄する応援歌を合唱。これに怒ったブラジル・サポーターと揉み合いの騒動に発展すると試合がストップした。

 両国の選手たちは問題が起きたスタンドへ歩み寄り、エキサイトするサポーターたちへ落ち着くように求めた。問題となったのは、その直後の警官隊による暴挙だ。アルゼンチン・サポーター側に向かって警棒を振り回した彼らは、無関係な子どもや女性のサポーターにも危害を加えていたのだ。

 もはやサッカーどころではない。このカオスな事態を目の当たりした、アルゼンチンの主将リオネル・メッシは、試合の続行は危険と判断。選手たちを引き連れ、ロッカールームへと引き下がった。

 その後、両国関係者と警察の話し合いにより、試合は再開。ピッチに戻ったアルゼンチンの選手たちはブラジルを相手に奔走。68分にニコラス・オタメンディが渾身のヘディングシュートをねじ込み、1-0で辛勝を収めた。

 遺恨のできた試合で何とか勝利を飾ったアルゼンチン。しかし、彼らの地元警官隊への怒りは収まる様子はない。試合後に母国のスポーツ専門局『Tyc Sports』のインタビューに応じたメッシは、「僕らは警察が警棒で殴りかかっているのを見た。悲劇が起きていたかもしれないんだ。ロッカールームへ行ったのは、すべてを落ち着かせるためだった。試合は二の次で、それが最善策だったんだ」と強調している。

 また、同局は警官からの暴力を受けたアルゼンチン人サポーターのマルティン・ムニョス氏のコメントも紹介。「ブラジルのサポーターが、試合前にアルゼンチン国旗を奪おうとしてきたんだ。そこから問題は起きていた」と証言した同氏は、こう続けている。

「そもそもの発端は、警官たちが何もしなかったことにある。試合前の時点で、ブラジルのサポーターと横並びになっていたんだ。その時に問題が起きて、アルゼンチンの子どもたちも殴られ始めたんだ。だから、俺たちはその子たちを守ろうと行動した。

 そこに警官が焦って駆けつけてきた。でも、ブラジルの方には何もしないんだ。まるで俺たちだけが悪者さ。何人かは頭を破裂させる勢いで殴りつけてきた。勇気のないあいつらに容赦なんてなかったさ。女性のサポーターが殴られる姿も見たし、小さな子どもは泣いていたよ。もう俺たちは自分の身を守ることしかできなかった」

 南米予選の今後を占う一大決戦で起きた騒動。南米サッカー連盟は「いかなる暴力も許すつもりはない」としながらも、「この予選を管理するルールの策定、調査開始の決定、制裁の可能性の適用は、国際サッカー連盟(FIFA)の権限である」と強調。一方のFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「この手の出来事を許容するつもりない」と話すに留まっており、問題が具体的に解決される見通しは立っていない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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