外国馬と近1年のGI馬ゼロのJCは騎手で買ってみたいレース

11月23日(土)16時0分 NEWSポストセブン

名手・デットーリ騎手も参戦

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 最強馬決定戦とはいえないが、馬券の予想は面白そうなのが今年のジャパンカップ。競馬ライターの東田和美氏が分析した。


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 外国からの遠征馬がゼロになり、レースの存在意義が問題視されているが、もともと13年間外国馬の勝利はない。馬券圏内に入ったのもディープインパクトが勝った2006年にウィジャボードが3着に入ったのが最後なので、馬券検討にはあまり影響がない。


 日本競馬の国際化を目指して創設されたJCに世界の競馬をリードする名手が、父親もすべて日本産という父内国産馬に騎乗するために集まったというのは、ある意味「国際化」の成果ではある。そんなわけで今回は、騎手で買ってみたいと思わせるレースになった。


 外国人騎手が日本馬に乗ったのは、ルメールとM・デムーロがJRAの所属となった後も含めればのべ55回。総計8勝2着7回3着7回と強さを見せつけている。先鞭をつけたのは2001年、3歳馬ジャングルポケットのオリビエ・ペリエ。それまでGⅠ6勝をあげていた2歳年上のテイエムオペラオーをゴール直前で差した手腕には誰もが感嘆した。


 日本馬に乗った外国人騎手ではルメールが2勝だが、勝ったのはウオッカ、アーモンドアイといずれも1番人気。ムーアは日本馬では5戦1勝2着1回で、勝ったのはやはり1番人気ジェンティルドンナ。外国馬でも5回参戦しているが最高は4着。ビュイックは過去3回騎乗して3着が1度、マーフィーは今回初JC。それなら9番人気スクリーンヒーローを勝たせたM・デムーロ、4番人気エピファネイアのスミヨンのほうが、馬を変えられるような気がする。


 しかしジャパンカップと言えば、やはりデットーリだろう。JCで日本馬に騎乗したことはなく、すべて外国馬で〈3 0 3 2〉。1996年以降、勝った外国馬はすべてこの人が乗っていた。社台の吉田照哉氏が「5馬身違う」と言ったのは有名な話だ。今回身元引受人で昨年度のリーディングトレーナーが万全の仕上げで臨んでくるルックトゥワイスに騎乗。GⅠ初挑戦だが、目黒記念をレコードで勝ち、東京コース〈2 4 0 3〉という実績。“通訳”M・デムーロが勝ったスクリーンヒーローもGⅠ初挑戦だった。


 日本人では武が4勝しているが、通算〈4 1 2 17〉。外国馬を迎え撃つ“日本の顔”だったが、単勝1倍台に支持されたメジロマックイーンやメイショウサムゾン、前年三冠馬ナリタブライアンなどでは期待を裏切っている。川田は6戦して2着3着が1回ずつ、田辺は4戦、石橋と津村は1戦で掲示板には載っておらず、松若は初参戦。岩田康が1番人気になったことがないにもかかわらず10戦3勝2着1回3着1回と好成績を残している。


 今年はノーザンファーム3世代のダービー馬が揃うなど、正真正銘の「社台グループの運動会」になろうかという、現代日本競馬の象徴ともいえる顔触れになった。


 ラヴズオンリーユーが回避したことで、ここ1年間のGⅠ馬がゼロ。これはGⅠ初挑戦のマーベラスクラウンが勝った1994年以来のこと。このとき出走した日本馬は「ここ1年」どころか、すべてがGⅠ未勝利という4頭。3着に入ったのは未勝利馬でありながら青葉賞3着、JC出走前はOP勝ちすらなく、ここまでの戦績が〈3 9 4 3〉という横山典騎乗のロイスアンドロイス。他の2頭はこのレース11着の後、日本馬として26年ぶりに海外の重賞(香港国際カップ)を勝ったフジヤマケンザン。そして、有馬記念3年連続3着などブロンズコレクターとしてその名を歴史に刻んだナイスネイチャだ。


 これら1994年の日本馬と、いまだに勝ち鞍が「3歳未勝利」だけというエタリオウのイメージが重なる、というのはこじつけに過ぎないのかもしれない。父親がシルバーコレクターとして名をはせ、最後に香港ヴァーズを勝ったステイゴールドだが、JCで勝った産駒がいないのが不気味、というのも思い込みかもしれないJC未勝利ながら20回目の参戦という横山典の腹を括った騎乗はさらに不気味なのである。


●ひがしだ・かずみ/今年還暦。伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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