アルゼンチンのSTC2000第11戦、2019年限りで撤退のシトロエンが連勝

2019年11月25日(月)14時46分 AUTOSPORT web

 南米アルゼンチンの人気ツーリングカー選手権、スーパーTC2000(STC2000)の2019年シーズン第11戦がコルドバ郊外のリオ・クアルトで開催され、このレースウイークに2019年限りでのシリーズ撤退を表明したシトロエン・トタル・アルゼンティーナのマルセロ・チャロッキがクオリファイレース、日曜メインレースを完全制覇。最終戦を前にシトロエンC4ラウンジがシーズン初勝利を挙げた。


 11月23〜24日の週末を前に、突然のワークス活動終了をアナウンスしたシトロエン陣営は、その撤退理由を「シトロエンの新しいグローバルガイドラインに従って決めた」と説明。WRC世界ラリー選手権に続き、STC2000でのプログラムも終了することとなった。


 2017年に地元アルゼンチンの強豪チームだったFDCとジョイントし、過去3シーズンを戦ってきたワークスC4ラウンジは、初年度に3勝をマーク。2018年も3勝を挙げ、ここまで通算6勝を記録しているものの、2019年はまだここまで勝利に見放される状況が続いてきた。


 そんな状況で乗り込んできたリオ・クアルトの週末は、土曜にシリーズポイントの与えられない”クオリファイレース”を実施。その結果で日曜メインレースのグリッド順を決めるフォーマットが採用された。


 ここで気を吐いたのは、シトロエン勢でシリーズ最上位の10位につけるファクンド・チャプルではなく、その僚友のチャロッキ。直前の予選でルノースポール・アルゼンティーナのファクンド・コンタ(ルノー・フルーエンスGT)と並び7番手タイムをマークすると、クオリファイレースではトップ8リバースグリッドが適用されたことで最前列からのスタートに。


 その優位性を活かして11ラップのスプリントを戦い抜き、TOYOTA GAZOO Racing YPF INFINIAのマリアーノ・アルトゥナ(トヨタ・カローラSTC2000)、シボレーYPFチームの2016年王者アグスティン・カナピノ(シボレーYPFクルーズ)を抑えてトップチェッカーを受けた。


 一方、選手権タイトルを争うルノーのリオネル・ペーニャ(ルノー・フルーエンスGT)は4位、トヨタのマティアス・ロッシ(トヨタ・カローラSTC2000)は10位となるも、ペーニャの背後にはシリーズ2連覇中のファクンド・アルドゥソ(ルノー・フルーエンスGT)と、同じくファクンド・コンタ(ルノー・フルーエンスGT)のルノー勢が続き、トヨタのロッシにとっては厳しいメインレースでの戦いが予想された。

「ブランドとして2020年に向け世界的なガイドラインが示された」と、PSAアルゼンチンでマネージャーを務めるガブリエル-コルド・ミランダ
撤退発表の衝撃が残る週末、リバースグリッドとはいえ土曜から活躍を演じたマルセロ・チャロッキ
日曜メインレースは、その土曜の頑張りで手にしたポールポジションを最大限活用し、シトロエンC4ラウンジが逃げを打つ


 日曜メインレースでも危なげなくホールショットを奪ったシトロエンの背後では、タイトルコンテンダーたちが我先にとポジションアップを図り、ペーニャはオープニングラップで早くも3番手を伺うと、元王者カナピノも意地にかけてポジションを死守し、2周目にはトヨタのアルトゥナをかわして自身が2番手に浮上する。


 一方、10番手発進だったトヨタのロッシは、オープニングの攻防でチームメイトのジュリアン・サンテロ(トヨタ・カローラSTC2000)のアシストも得てすぐさま6番手へ。ルノー勢の牙城を突き崩すべく態勢を整えていく。


 先を急ぎたいライバルのペーニャは、5周目にアルトゥナをアウト側から強引に仕留めて3番手へ。このバトルでなんとかロッシをアシストしようとディフェンスラインを取ったアルトゥナのカローラは、大きく失速して6番手にまで後退してしまう。


 同じ頃、首位のシトロエン・チャロッキと2番手シボレーのカナピノは、後続に対し5秒のマージンを構築。そのままレースは後半戦に向けこう着状態が続き、折り返しの15周頃からシボレーのペースが落ち始めると、カナピノは無線で「ペースを失っている」とサインガード側のコールを要求。しかしチームが決断を渋っている間に3番手ペーニャのルノーがすぐ背後にまで迫ると、16周目にズバリとインを差してオーバーテイク。2番手に上がってくる。


 その後、ペーニャをサポートするかのようなドライビングを見せた王者アルドゥソもシボレーを攻略し、カナピノは4番手に後退。終盤はポジション変動なく34周のチェッカーを迎え、チャロッキが撤退を決めたシトロエンに2019年初勝利をプレゼント。2位にペーニャ、3位にアルドゥソのルノー勢が並ぶ表彰台に。


 トヨタのロッシはカナピノに続く5位でフィニッシュしたものの、最終戦を前に選手権首位を明け渡し7ポイント差で追う展開となった。


 いよいよ残るは最終決戦となった2019年STC2000シーズン。その舞台となるのはアルゼンチン南部パタゴニア地域最大の都市となるネウケンに位置するトラックで、12月14〜15日に争われる。

元王者の意地を示す力走を披露したシボレーのアグスティン・カナピノだが、チームとの意思疎通に泣く
前戦で久々のポイントリーダーに返り咲いたトヨタのマティアス・ロッシだが、最終戦を前にシーソーゲームが続く
2連覇王者のアシストも得て、タイトルに王手をかけた2位のリオネル・ペーニャ(左)


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