マイナビ仙台、5失点3連敗も新編成に可能性あり【WEリーグ2023/24】

2023年11月27日(月)18時0分 FOOTBALL TRIBE

廣澤真穂(左)オケケ・チディンマ・ンケルカ(中)西野朱音(右)写真:WEリーグ

11月11日にスタートしたWEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)2023/24シーズン。マイナビ仙台レディースは、第1節ちふれASエルフェン埼玉戦(11日)にて3-1で勝利するも、第2節のホームINAC神戸レオネッサ戦(18日)は1-3、第3節アルビレックス新潟レディース戦(23日)でも1-2と黒星が続いた。


直近の第4節(26日)では日テレ・東京ヴェルディベレーザに対し0-5で敗戦となった仙台。3連敗と決して順調とは言えない状況に追い込まれている。しかしながら、大きな失点となったものの特に前半は今後の新たな戦い方について期待が感じられる内容となった第4節。同試合を振り返り、特にチーム編成について考えてみよう。




マイナビ仙台レディース MF西野朱音 写真:WEリーグ

新しい可能性が見えた仙台の編成


マイナビ仙台WEリーグ第4節スターティングメンバー



  • GK:松本真未子

  • DF:松永未衣奈(2023/24シーズン初出場)

  • DF:國武愛美

  • DF:佐藤楓

  • DF:高平美憂

  • MF:西野朱音(前節までDF)

  • MF:佐々木里緒

  • MF:中島依美

  • FW:原衣吹(本来はMF)

  • FW:廣澤真穂

  • FW:遠藤ゆめ(本来はMF)


第2節ではFWにカーラ・バウティスタ1名を起用。第3節ではFWに同じくカーラ、遠藤ゆめ、廣澤真穂の3名を選出してきた仙台の須藤茂光監督。遠藤は元々MFだが、この時点でFW起用となる。


そして第4節は、遠藤、廣澤、原衣吹の3名体制で挑んだ。つまり初戦から第3節まで起用されてきたFWカーラに代わり、元々MFの原がFWとして入るという新しい組み合わせだった。さらに須藤監督は、第2節、第3節とDFで起用していた西野朱音を本来のポジションMFへと変更。そしてDFには今シーズン初出場となった松永未衣奈が投入された。


この新編成で挑んだ第4節前半、11人は攻守ともに抜け目のない動きで相手に向き合うことができていた。特に各選手ポジションの役割をしっかり担っている印象が強く、今シーズン最も選手たちが躍動的に動けていたのではないだろうか。


FW廣澤はスタミナも抜群でどこにでも顔を出し積極性に広く攻め、それを守るようにMF中島依美、MF佐々木里緒が背後でしっかりとカバー。そしてMF西野は本来のポジションということもあり、水を得たようにスピードのある動きで相手に食い込みチャンスをつくり出していた。またFW原とFW遠藤はサイドからの粘り強い攻め、そしてキャプテン國武愛美率いるDF陣もゴール前を守りつつ、スピードとスタミナのあるDF高平美憂とDF松永未衣奈は柔軟に動き回りアシストを行っていた。


43分に東京VのFW北村奈々美のシュートが決まり前半を0-1で終えることになるも、前半終盤まで試合をリードした仙台。相手の攻撃を封じ、ゴール前でチャンスも作った。


マイナビ仙台レディース DFオケケ・チディンマ・ンケルカ 写真:WEリーグ

課題はカーラとオケケの活かし方?


ところが試合後半、仙台は前半と同じメンバーのまま挑むも、東京Vの勢いが上がりボールをコントロールされることが多くなる。66分にその流れを変えるためFW遠藤とFW原が、それぞれFWカーラと本来はDFのジャマイカ出身オケケ・チディンマ・ンケルカと交代となった。


今シーズン初戦から連続先発起用されていたカーラは、持ち前のパワーと隙を見つけてチャンスを作り出す良さがある。オケケは身長173cmという高さを活かした攻守の動きで、相手の攻撃を防ぎプレッシャーも与えられる万能選手だ。


しかし2名の選手投入後、相手のワンタッチ攻撃やスピードに追い付けない場面が多く、また他選手たちのスタミナ切れの雰囲気も否めない状況であった。後半開始から相手リードのまま進み、結果0-5で東京Vの勝利となった。


須藤監督は試合後インタビューで、後半投入のオケケについて「彼女の持っている高さを前線で生かしたかった」とコメント。本来DFのオケケをFWとした時に、能力をどのように引き出すのかが非常に難しい点ではあるだろう。


カーラ、オケケら新加入の選手たちと、昨シーズンから所属しているメンバーとの組み合わせを今後も模索し、爆発的な開花点を探すこと。それぞれを活かすことにより、第4節前半の内容を継続できるようスタミナもカバーすることで、可能性が開くのではないだろうか。




マイナビ仙台レディース FW廣澤真穂 写真:WEリーグ

悔しさから見えたヒントで未来の勝利へ


第4節はホーム戦だったこともあり仙台にとってこの結果は苦いものとなったが、一方で選手たちの新しい動きや能力を知ることができたことは、周囲のファンやサポーターたちにも今後の期待を与えられた。


筆者の主観では、特にMF西野、佐々木、中島と、FWに入る選手たちとの組み合わせに、仙台の飛躍するチャンスが潜んでいると考える。例えば第4節で見せてくれたFW廣澤の伸び伸びとした広範囲の攻めの動きは、廣澤を活かせるMF3名との抜群のコンビネーションがあったからと感じた。


2023/24シーズン冬季休暇まで残り3試合(第7節まで)が残されているが、今後の仙台のチーム編成にはますます注目していきたい。


今後のマイナビ仙台レディース試合スケジュール



  • 第5節:12月9日(土)13:00 (ホーム)対大宮アルディージャVENTUS

  • 第6節:12月23日(土)14:00 (アウェイ)対ノジマステラ神奈川相模原

  • 第7節:1月7日(日)13:00(アウェイ)対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース

FOOTBALL TRIBE

「WEリーグ」をもっと詳しく

「WEリーグ」のニュース

「WEリーグ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ