3強は絶対か? 穴党記者がジャパンCで「打倒3強」を託す穴馬3頭

11月27日(金)5時55分 Sportiva

 2020年の東京開催もいよいよ最終週。フィナーレを飾るのは、史上最多の芝GI8勝をマークしたアーモンドアイ(牝5歳)、牡牝の無敗の三冠馬であるコントレイル(牡3歳)、デアリングタクト(牝3歳)の3頭が激突するという"ドリームマッチ"が実現したGIジャパンC(11月29日/東京・芝2400m)だ。

 その画期的な勝負に向けて、異常な盛り上がりを見せている競馬界だが、「3強」が並び立たないことは歴史が証明している。

◆過去データから導いたジャパンCの「大穴」

 今回に似たケースとなる、1984年のジャパンCもそうだった。

 同レースには、前年の三冠馬で、直前のGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制したミスターシービーと、その同世代の好敵手で、この年のGI宝塚記念(阪神・芝2200m)の覇者であるカツラギエース、そしてこの年に無敗の三冠馬となったシンボリルドルフが出走した。

 ただ、当時のジャパンCではまだ日本馬の勝利がなく、外国招待馬が優勢だった。そのため、ミスターシービーこそ1番人気に推されたが、シンボリルドルフは4番人気、カツラギエースは10番人気と、これらがレースにおける「3強」ではなかったものの、日本を代表する3頭が強豪・外国馬にどう立ち向かうのか、大きな注目を集めていたのは確かだ。

 そしてレースは、カツラギエースが逃げ切り勝ち。シンボリルドルフが3着、ミスターシービーが10着という結果に終わった。つまり、「3強」が並び立つことなく、戦前の評価を大きく裏切る結末となったのである。

 そういった例も踏まえて、デイリー馬三郎の木村拓人記者は「今年の"3強"も決して盤石とは言えない」と言う。

「個人的な3強の評価ですが、まずコントレイルは正直、余力がないように思えます。前走のGI菊花賞(1着。10月25日/京都・芝3000m)では、適した条件ではないなか、アリストテレスに最後まで苦しめられる競馬を強いられましたからね。実際、1週前の動きがこの馬らしくなかったことが気になります。

 デアリングタクトは、先を意識した仕上がり途上にあって、GI秋華賞(10月18日/京都・芝2000m)を非常に強い内容で快勝しました。これ自体は評価に値しますが、馬自身のテンションを保つことに周囲が苦心しているように見えました。

 競馬場への入場客も若干増加され、これまでよりもテンションが高くなっている馬が多く見られるようになっています。斤量面など条件は恵まれているとはいえ、デアリングタクトもその辺りに不安要素があって、レース当日の"自分との闘い"に勝てるかどうか。

 アーモンドアイも、ジャパンCで驚異のレコード勝ちを果たした2年前より、距離適性は短くなっています。そして何より、中3週のローテーションが懸念材料。1週前の動きはしなやかで、3頭の中では一番信頼できそうですが、どうでしょうか......」


「3強」の一角崩しが期待されるグローリーヴェイズ
 こうして、3強にも付け入る隙があると考える木村記者。「打倒3強」の候補として、グローリーヴェイズ(牡5歳)に期待を寄せる。

「前走のGII京都大賞典(10月11日/京都・芝2400m)は、休み明けで正直『もうひとつ(の状態)かな』と思いましたが、きっちりと結果を出しました。

 また、昨年末にはジャパンCと同距離の海外GI香港ヴァーズ(香港・芝2400m)を完勝。同レースに行く前の追い切りでは、アーモンドアイをあおるような動きを見せていました。今年も香港と両にらみでしたが、早い段階でジャパンC1本に切り替えて調整されてきたことに好感が持てます。

 東京コースは初出走となりますが、長く脚を使うタイプなので、向いているはず。以前はトモが緩くて、坂がどうかと思っていましたが、5歳になってすっかり解消されているので、その点の心配もなくなりました。

 距離においては、3強と比較しても優位な立場。人気が3強に集まる分、馬券的な妙味は増すと思います」

 グローリーヴェイズに関しては、日刊スポーツの松田直樹記者も「穴の一番手」として名前を挙げる。

「今年の上半期は、ドバイに遠征しながら急きょレースが中止。帰国後、調整の難しさがあった宝塚記念(6月28日)では17着と惨敗を喫しました。そうした結果を受けて、同馬を管理する尾関知人調教師は『失われた半年』と無念さをにじませていました。

 そんな尾関調教師の、グローリーヴェイズに対する感触が今回は一変。『気持ちの面で、しっかり戦闘態勢に戻っている。前走(京都大賞典)に向けては、調教をやり出して最初の何回かは乗り手の感想のトーンが上がらなかったけど、今回はいい雰囲気から始まって、さらに上がっている』とすこぶるいいんです。

 さらに、1年前の香港遠征直前と、この中間における共通点もあります。それは、調教時計の速さです。1週前には美浦のウッドコースで、外目を回って5ハロン65秒5−1ハロン12秒5という好時計をマーク。当時の出来と同じくらいに戻っています。

 それには、尾関調教師も『思った以上に時計が出ていて、やりすぎたかなと思ったくらい。そこに関してはいい傾向かな』と言って、明るい表情を見せていました。

 そもそも2400m戦は4戦3勝。本質的な距離適性は、アーモンドアイより上。関東馬ながら東京コースは初めてですが、一発への期待は大きいです」

 さて、木村記者にはもう1頭、注目馬がいるという。一昨年のレースで、アーモンドアイに次ぐ2着となったキセキ(牡6歳)だ。

「3強相手に勝ち切るとまでは言いませんが、まだまだ浮上する余地はあると見ています。前走の天皇賞・秋(5着。11月1日)のように、東京競馬場での決め手比べになってしまうと分が悪いのですが、一昨年のアーモンドアイの超絶パフォーマンスも、この馬のペースに持ち込んだからこそ。

 当時と同じような形で逃げる展開になると、楽しみです。大きく人気を落しそうですが、見限らないほうがいいと思いますよ」

 松田記者ももう1頭、気になる馬がいるそうだ。アーモンドアイと同じ国枝栄厩舎に所属するカレンブーケドール(牝4歳)である。

「同馬は昨年の2着馬。こちらもグローリーヴェイズと同様、今春はドバイ遠征の"カラ輸送"でリズムを崩してしまいましたが、この中間の上昇ムードは特筆モノです。その点については、国枝調教師も目を細めて、こう絶賛しています。

『(アーモンドアイより)カレンのほうが若いゆえ、充実している。わかりやすく雰囲気がよくなっている。パワーアップも明らか。筋が通っているというか、重厚感があるというか、どっしりとしてきたよね。(同世代のライバルとなる)クロノジェネシスとか、ラヴズオンリーユーとか、そこら辺と同じレベルまできているんじゃないか。あんなの(アーモンドアイ)がいるから、目立たないけど』

 出来抜群のグローリーヴェイズは、シルクレーシング所有馬で、カレンブーケドールは国枝厩舎所属と、どちらもアーモンドアイと共通点があります。ラストランを迎える女王の敵は"身内"なのかもしれません」

「3強」の争いに沸くジャパンCだが、他にも実績のある実力馬が顔をそろえている。「3強」の間隙を突く馬、あるいは「3強」をしのぐ馬がいてもおかしくない。そんな人気の盲点をとなる"隠れ最強馬"が、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。

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