フェラーリ・ビジョン・グランツーリスモが登場。3モーターHVで『499F』と同じV6ツインターボ搭載
2022年11月28日(月)16時5分 AUTOSPORT web
フェラーリは11月27日、モンテカルロで開催されたグランツーリスモ・ワールドファイナルにおいて、マラネッロ初のバーチャル専用モータースポーツ・コンセプトカーとなる『フェラーリ・ビジョン・グランツーリスモ』を初披露した。
グランツーリスモの世界に初登場するイタリアが誇る名門ブランドのマシンは、未来的なビジュアルをまといながら、同時に1960〜70年代のフェラーリ・スポーツプロトタイプを想起させるコンセプトカーだ。
このクローズドボディ・シングルシーターの側面に描かれた「75」という数字はフェラーリの75周年を記念するものであり、同モデルの発表はフェラーリにとって節目となった2022年を締めくくる特別な機会となった。
バーチャル環境における同ブランドの重要なステップに位置づけられている『フェラーリ・ビジョン・グランツーリスモ』のデザイン設計は、フラヴィオ・マンゾーニ率いるフェラーリ・スタイリング・センターが担当。ル・マン24時間やデイトナ24時間レースで大成功を収めた伝説的なフェラーリ・スポーツプロトタイプからインスピレーションを受けているという。
そのデザインは、スピードを体現するフォルムが中心に据えられ、シャープで鋭角的なラインが特長に。これに先進的なエアロダイナミクスの要素が組み合わされている。フェラーリが特許を取得しているサイドダクト・ソリューションや、2023年のWEC世界耐久選手権に登場するフェラーリ499を思わせる2段構造のリヤウイング、フロントのSダクトなどがこれにあたる。
パワートレインの中枢であるエンジンはバンク角120度の3.0リットルV6ツインターボで、新型GTカーのフェラーリ296 GT3とそのベースモデルである296 GTB、同GTS、そしてWECハイパーカー『499』とアーキテクチャーを共有する。しかし、新登場のバーチャル・コンセプトにおいてはレギュレーションによる制限がないため、これを大幅にチューンアップし最大出力は1030PSまで高められた。
また、フェラーリ・ビジョン・グランツーリスモではエンジンに加えてリヤアクスルに1基、左右フロントに2基の電気モーターを搭載し、全輪を駆動させる3モーターハイブリッドを成立させている。なお、MGUの出力は240kW(326PS)と発表された。
もちろん、同モデルのハイブリッド・テクノロジーにはF1で培われた電気ブーストと回生エネルギーに関する戦略が活かされており、予選決勝を問わず、それぞれの条件下で最大限のパフォーマンスを発揮することが可能だ。また、最大トルク1100Nmに対応する足回り、コーナーで比類のない敏捷性を実現するハンドリング・バランスも備わっているという。
■12月15日から実物大モデルの展示がスタート
非常にシンプルなインテリアは、ピュアでミニマリストな手法でドライバーにとって最適な機能性を実現。HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の搭載により、ドライバーはつねに目の前のコースだけに集中できるという。
そんなフェラーリ・ビジョン・グランツーリスモは、2022年12月23日から『グランツーリスモ7』のすべてのユーザーが体験できるようになる。これに先立ちGT7のユーザーはゲームを通して、今月27日に開始されたクイズキャンペーンに参加することで、その賞品として12月15日にフェラーリ初のビジョン・グランツーリスモモデルを手にすることが可能となる。
フェラーリは、同じく来月15日から2023年3月までの期間、イタリア・マラネッロのフェラーリ・ミュージアムで実物大のデザインモデルを特別展示するとしている。
■フェラーリ・ビジョン・グランツーリスモ 技術諸元
パワートレイン | |
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タイプ | V6 120度ツインターボ |
駆動 | 全輪駆動 |
総排気量 | 3000 cc |
最高出力 | ICE 1030PS/9000rpm |
最大トルク | ICE 900 Nm/5500rpm |
最高出力 | ハイブリッドシステム 240kW(326PS) |
サイズ&重量 | |
乾燥重量 | 1250 kg |
重量配分 | フロント43.5%:リヤ56.5% |
トランスミッション&ギアボックス | 8速 F1デュアルクラッチ・ギアボックス |
パフォーマンス | |
最高速度 | 350km/h以上 |
0-100 km/h | 2.0秒以下 |
0-200 km/h | 5.0秒以下 |
フィオラノラップタイム | 1分10秒以下 |