「安楽パワハラ問題」は氷山の一角か 「いじり」という名の人権侵害を許すな

2023年11月29日(水)5時30分 ココカラネクスト

安楽のパワハラ疑惑が事実であれば自由契約となるのは免れないだろう(C)CoCoKARAnext

 楽天・安楽智大投手の「パワハラ問題」に、波紋が広がっています。

 11月25日の朝に朝刊各紙や通信社が一斉に報じると、SNSでも様々な議論が噴出。識者からはパワハラを放置し、黙認してきた野球界の「体質」にも批判の声が寄せられています。

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 プロ野球の取材歴が長い、メディア関係者は言います。

「根底にあるのは、人間教育の欠如。子どもの頃から『野球さえ上手ければいい』と甘やかされ、そのまま大人になってしまった弊害でしょう。時代は昭和から平成、令和と変わってきたとはいえ、野球界は今でもタテ社会の体質が色濃く残っている。しかし、プロ野球選手は個人事業主。たかだか1年先に生まれてきただけで、後輩に大きな顔をできるなんておかしいですよ」

 そして、「いじり」が親愛の証しとされる野球界の文化にもこう疑問を呈するのです。

「蹴る、小突くが『いじり』と呼ばれ、さもコミュニケーションの一環とされる風潮があります。しかし『いじり』は瞬く間に『いじめ』という名の暴力、傷害へと変わっていく。だいたい、大の大人が蹴ったり小突いたりでコミュニケーションを取る世界は、異常ですよ。我々メディアもこれまでそんな様子を目の当たりにしながら、見て見ぬふりをしてこなかったか。反省が必要でしょう」

 あるスポーツ紙のデスクは、契約更改の場で球団首脳に告発をした若手選手の人権が守られるべきだと力説します。

「実際問題、シーズン中に若手選手がこのような話を球団首脳へ気軽にできるかというと、難しいかもしれない。主力ならともかく、常に一軍争いの渦中にいるような選手にとっては、先輩とトラブルを抱えていると表明したくはないでしょう。だからこそ、球団首脳と1対1で話ができる場で、勇気を持って伝えたことを称えたいのです。彼らが泣き寝入りをしていたら未来永劫、パワハラは見過ごされ、無くならなかった。今秋のドラフトで指名された選手たちも被害に遭った可能性があります。球団は全力で若手選手を保護し、野球に打ち込める環境を整えて欲しいです」

 全ての選手がハラスメントと無縁の中、快活に全力で一球に魂を込められる−。

 今回の告発をきっかけに、そんな風通しの良いプロ野球界になることを、願わずにはいられません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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