レッドブル・ホンダ、最終戦は攻める。残ったパワーを最大限に引き出せ

11月30日(土)16時0分 Sportiva

 長かった2019年シーズンも、ついに最終戦を迎えた。

 3月に迎えた開幕戦オーストラリアGPでは、マックス・フェルスタッペンが3位とレッドブル・ホンダに初表彰台をもたらした。ホンダにとっては2015年のF1復帰から、5シーズン目にして初の表彰台だった。

 そして6月、第9戦・オーストリアGPで優勝。さらに第11戦・ドイツGPも雨のレースを制し、第12戦・ハンガリーGPでは惜しくも優勝を逃したものの、初のポールポジションを獲得した。

 シーズン後半戦は車体・パワーユニットの両面で後れを取ると、同時にうまく歯車が噛み合わないレースが続いた。しかし、第18戦・メキシコGPでようやく復調し、第20戦・ブラジルGPで4カ月ぶりの勝利を挙げた。


ドライバーズランキングで3位につけているフェルスタッペン

 タッグを組んだ当初は、パワーユニットが多少劣っていようとも、レッドブルの車体性能で勝利をモノにできるだろうと考えられていた。だが、今季のレッドブルは新レギュレーションへの対応を誤り、車体性能で遅れを取った。そのため、得意としてきたモナコGPでも優勝することは叶わなかった。

 それでも車体面を改良し、パワーユニットもスペック3で性能と耐熱性を向上させて、灼熱のオーストリアで初優勝を勝ち獲った。シーズン後半戦の苦戦するなかでも、再び車体を改良し、新型燃料の威力と2基目のスペック4投入によって、「平地でもメルセデスAMGと同等レベル。高地では上回る」というパフォーマンスを手に入れてきた。

 最終戦を前に、ホンダは2021年のF1活動継続を決定し、レッドブルとトロロッソは2021年もホンダからパワーユニット供給を受けることを発表した。

 ホンダの業績と見通しの悪化によって、F1活動の是非が議論される事態となり、世間では撤退の噂も流れ始めていた。

「オーストリアでは勝ったものの、レッドブルの車体性能が生きるサーキットではいいけどパワーユニット単体ではフェラーリやメルセデスAMGに負けているわけで、どんなサーキットでも勝利が継続できるのかどうかはF1に詳しい人であればわかること。実際に何回か経営メンバーに聞かれたのも事実です。ホンダとしては勝つためにやっているわけですから。



 その点では社長・副社長にも直接『ブラジルGPはよかったね』と言ってもらいましたし、ホンダのF1が強くなってきているのを認識してもらっていると実感しました。ブラジルのワンツーはいい意味で後押しにはなったと思います。ただ、だからといって今回のワンツーで急に(活動継続が)決まったわけではなくて、積み重ねてきたものですね」(山本雅史マネージングディレクター)

 今季の3勝を通して、ホンダが当たり前のように勝てる未来が見えてきた。それに加えて、2021年レギュレーションが発表されたことにより、予算の縮小が可能になった。

「F1に復帰してからある程度のレベルに到達するまでは開発を強化していかなければならないから、思った以上にコストがかかっているのは事実です。ただ、2021年のレギュレーションが決まって、パワーユニットの規定が大きく変わらないことや、ベンチテストの規制などで開発コストが抑えられるというのもひとつですね」(山本マネージングディレクター)

 レッドブルが目標として掲げていた「年間5勝」は果たせなくなってしまったが、昨年と同じ4勝の可能性はまだ残されている。今週末の最終戦アブダビGPで勝利を収めれば、昨年と並ぶことになる。フェルスタッペンも11点差でシャルル・ルクレール(フェラーリ)をリードして、ドライバーズランキング3位を確保しようとしている。

 今週末のアブダビGPで勝てるかどうか?

「それは走ってみないとわからないよ。今シーズン全体を振り返ってみれば、ここではメルセデスAMGが速いと言わざるを得ないとは思う。だけど、今週末がどんな展開になるかを見守るしかない。正しいセットアップを見つけられるかどうかにも、かなりかかっているしね。ここ数戦はトップ3チームが接戦だったし、今週末もそうなればと思っている」

 フェルスタッペンがそう語るように、今年のメルセデスAMGはメカニカル面の改良によって低速コーナーの速さに磨きがかかり、昨年までレッドブルが圧倒的に優位だった特性のコーナーで強さを発揮している。曲がりくねったアブダビのセクター3で強さを見せるのは明らかで、テクニカルディレクターのピエール・ヴァシェが「ブラジルよりもアブダビでは苦戦すると思う」と覚悟しているのはそのためだ。



 しかし、ホンダはシーズン後半戦に2基のスペック4を投入しており、ライバル勢よりも走行距離に余裕がある。最終戦ではもう残りのマージンを考える必要はなく、そのぶんだけ攻めた使い方ができる。

 残ったマージンを最大限に使い切ることが、ホンダに課された使命だ。

 攻めすぎれば、壊れてしまう恐れもある。そのなかで、ギリギリまで攻めてライバルよりもパワーを引き出し、長い2本のストレートで優位に立ちたい。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう語る。

「ここで必要なマイレージはもう決まっているわけですから、それを考慮したうえで最終的にどこまで到達するか、使える部分は残さないように、適切にマネジメントしていきたいと思っています。その計算を間違えないように、フリー走行のなかでしっかりとパフォーマンスを見てセットし、予選できちんと結果を出し、決勝で適正配分して使いきりたい」

 そしてトロロッソ・ホンダも、ルノーを8点差で追っている。

 ランキング5位を獲得すれば、チームとしては2008年の6位を上回る自己最高位となる。危機にあったホンダを救ってくれたトロロッソのためにも、パワーで後押ししたい。

「ひとつでも上のコンストラクターズランキングにつけるべく、全力投球します。そのためにも、全開の勢いを今回も継続すべく、全力投球したいと思っています」

 2021年の契約が決まり、来季はいよいよ王座奪還へと挑もうとしている。その前に、今年のうちに果たしておくべき仕事がある。それを今週末のアブダビでしっかりと見せてもらいたい。

Sportiva

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