ボロボロの渋野が急成長できた理由 青木コーチ語る

12月2日(月)7時0分 日刊スポーツ

練習場で笑顔を見せる渋野日向子(左)と青木翔コーチ(撮影・上田博志)

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渋野日向子(21=RSK山陽放送)が旋風を起こした1年を終えた。
鈴木愛(25)に約757万円差の1億5261万円の2位で賞金女王こそ逃したが、1年前は無名で獲得賞金はゼロ円。ドラマのようなシンデレラ物語を支えたのは青木翔コーチ(36)。AIG全英女子オープンではキャディーとしてともに戦い、日本人として42年ぶり2人目のメジャー制覇という快挙に導いた。
今季躍進の裏には、二人三脚の血のにじむような努力と、青木コーチの指導哲学があった。
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逆転賞金女王こそ逃したものの、ホールアウトした渋野の表情には笑顔が広がった。1年前は賞金女王など夢のかなた。まさにシンデレラのように駆け上がった1年。躍進を支えた存在がコーチの青木氏だった。
2人の出会いは2年前。渋野は最初のプロテストで落ち、国内ツアー出場をかけた最終予選会を控えていた。青木氏は関係者から「何とかしてやってくれ」と託されたことが始まりだった。
「才能だけでやってて、うちに来たときはボロボロ。球を打っても当たらない状態だった」と青木氏。そこから二人三脚の戦いは始まった。オフの合宿ではサンドウエッジだけで1日600〜700球。10ヤードから5ヤードごとに50ヤードまでコーンを立て、それに全部球を当てるドリルを日暮れまで繰り返した。その後はパター。ウエッジの溝はすり減り、この1年だけでウエッジは7本替えた。「血のにじむような練習」(青木氏)で、スイングの基礎をたたき込んだ。
「半分ぐらい予選落ちして、何とかシード権を取れれば」と臨んだプロ1年目で「とんでもないことをやらかしてしまった」と笑う。それでも、全英から帰ってきてもゴルフ場の練習でやることは同じ。青木氏の課題のドリルを、日が暮れてもできるまで繰り返す渋野の姿があった。その中で「彼女が自分のゴルフを見つけたのが大きい」と成長を喜んだ。
渋野のいいところを青木氏は「素直さ。鈍感力。オンとオフの切り替えの早さ」という。クラブのセッティングや選択はすべて青木氏任せで気にしない。ボールを打つ前までキャディーとおしゃべりしていても、打つ直前から本気モードに切り替わる。そんな渋野の素質と、基礎練習の継続が飛躍の要因となった。
指導のモットーは「老害にならないこと」という。「自分の経験や失敗談を話しても、渋野の世代には理解できない」。多くを詰め込むような指導者も多いが、先回りして答えを教えず、考えさせる。09年にコーチを始め、育てたプロは5人。シーズン終盤、渋野に対し、将来的な目標として「5大メジャー制覇」と伝えた。「選手を成長させるには、コーチも成長しないと」と渋野と同じように青木氏も成長を続けている。【桝田朗】

日刊スポーツ

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