大宮アルディージャがJ2復帰のために手放せない選手トップ5

2023年12月3日(日)12時30分 FOOTBALL TRIBE

写真:Getty Images

町田ゼルビアの初優勝で幕を閉じた2023明治安田生命J2リーグ。町田は昨2022シーズン15位と低迷したが、監督含めコーチ陣も刷新し多くの新戦力を迎えて悲願のJ1昇格を手にしている。低迷から1年で栄光を掴んだチームがある一方で、這い上がることができずJ3へ降格となったクラブもある。


昨季は最終順位19位で、なんとかJ2残留を果たした大宮アルディージャ。今季こそはと意気込んで挑んだにも関わらず、シーズン途中での監督交代や4月半ばからの15戦未勝利など振るわず、ついには21位でJ3降格を味わう結果となってしまった。


かつてはJ1も経験したクラブなだけに、来季まずは1年でのJ2復帰が求められる。そのためにも、クラブがすべきことは戦力の維持だろう。当然、すべての選手が重要な戦力であることに変わりはないが、ここでは今季活躍した選手の中から、特に流出を阻止したい選手を5名ランキング形式で紹介していく。なお、期限付き移籍中の選手および2種登録選手については対象外とする。




大宮アルディージャ DF袴田裕太郎 写真:Getty Images

5位:袴田裕太郎


今季の大宮は失点数でリーグワースト2位の71失点となったが、それでも中央や左サイドで守備陣の核を担ったDF袴田裕太郎の貢献度は高かったと言えよう。持ち前の高さと強さを武器に、特に攻撃ではセットプレーやその流れの中でターゲットとして存在感を発揮。打点の高いヘッドでのアシストやゴールを演出してきた。特にシーズン終盤の第39節、藤枝MYFC戦(3-2)で魅せた終了間際の連続2ゴールが印象的だ。結果J2残留は果たせなかったものの、チームを勇気づける逆転劇の立役者となっている。


活躍度合いで見れば、守護神GK笠原昂史やチームトップタイのゴールを挙げたFW富山貴光、左サイドのジョーカーMF泉澤仁らベテラン勢の存在も忘れてはならない。しかし、守備はもちろん攻撃でも怖さを出せる能力とゴールに多く関わった活躍を考慮して、手放せない選手5位とした。




大宮アルディージャ MF小島幹敏 写真:Getty Images

4位:小島幹敏


水戸ホーリーホックへの期限付き移籍でチームを離れたこともあったが、下部組織から大宮育ちのMF小島幹敏も手放せない選手の1人だ。中盤下がりめの位置から積極的に前線にも絡み、攻撃に厚みを持たせる働きを果たしていた。また、ボール奪取からの展開力もチームにとって欠かせない能力の1つ。今季4アシストはチームトップタイの数字となっており、得点力不足にあえぐチームの大きな助けになっていたことは間違いない。


今季途中からチームを率いた原崎政人監督の退任が決定している大宮。来季J3を戦う指揮官はまだ発表されていないが、文字通り中央でゲームをコントロールする小島の去就はチーム作りにも大きく影響する要素となるだろう。攻守に渡って果たせる役割の多さとクラブがここまで育ててきた貴重な存在でもあることから、手放せない選手4位とした。


FWシュヴィルツォク(名古屋グランパス所属時)写真:Getty Images

3位:シュヴィルツォク


今夏、大宮からリリースされた移籍情報に多くのJリーグファンが驚いた。昨年までJ1名古屋グランパスに所属し、今年2月に母国ポーランドのザグウェンビェ・ルビンへ移籍していたFWシュヴィルツォクの獲得を発表したのだ。当然、J2残留に向けての起爆剤として活躍を期待されたが、9月30日の第37節大分トリニータ戦で負傷。重要な最終盤に大きな戦力を欠くこととなってしまった。


加入後の出場はわずか10試合となっているが、フリーキックから圧巻のゴールを決めるなど全3ゴールをマーク。柔らかいボールタッチのドリブルやキープ、ゴール前での冷静さや高さといった武器で大きな存在感を放っていた。負傷については母国へ一時帰国して治療しているとの発表がなされている。J3降格により去就の注目度が高いことに加え、チームに残留すれば来季J3の環境を破壊するほどの選手になり得る期待感も込めて、手放せない選手3位とした。




大宮アルディージャ FW室井彗佑 写真:Getty Images

2位:室井彗佑


シーズン序盤から中盤にかけては途中出場が多かったものの、終盤には多くの試合でスタメンに名を連ねたFW室井彗佑。第36節の徳島ヴォルティス戦から続いた4連勝では、2ゴール1アシストと結果も残し残留への期待を背負って躍動していた。背後への飛び出しや簡単には倒れないドリブルでチャンスを生み出し、小柄ながら空中戦でも身体の強さを発揮して実際にゴールも奪っている。


大宮のFW陣では、FWシュヴィルツォクが負傷離脱中であり去就はもちろん復帰時期が不透明となっている。加えて今季攻撃を支えたFWアンジェロッティは、J1柏レイソルからの期限付き移籍のため満了に伴い復帰することが既定路線だ。となれば、より若くこの1年で能力も証明してきた室井の存在は大宮にとって大きなものとなるだろう。大卒ルーキーながら確かな活躍を見せたことに加え、同ポジションの主力選手の状況も踏まえて、手放せない選手2位とした。




大宮アルディージャ MF高柳郁弥 写真:Getty Images

1位:高柳郁弥


大卒ルーキーながら今季36試合に出場し、すでに欠かせない選手の1人となったMF高柳郁弥。中盤のサイドや中央と複数のポジションで起用されたが、いずれもハイレベルなパフォーマンスを見せていた。視野の広さと高いキックの精度を併せ持ち、サイドから冷静に中を見極めたクロス、中央縦に入れるパス、そしてセットプレーと数多くのチャンスを演出。後方からボールを受ける際も、的確に周囲の状況を把握してワンタッチで前を向くなど、卓越した技術で大宮の中核を担った。


中盤であればどこでも務められることに加え、ゲームコントロールとチャンスメイクの巧さを見せたことで、J2クラブはもとよりJ1クラブから声がかかることも十分にあり得る。とはいえ、大宮にとってもすでに中核を務めるダイヤの原石であることは事実。今夏アカデミー育ちのMF柴山昌也(現セレッソ大阪)を失ったことも踏まえ、次世代を担う存在をこれ以上手放すわけにはいかないチーム事情と高柳の能力の高さから、手放せない選手1位とした。

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