浦和サポにどう響くか ミシャの”説教”と去りゆく小野伸二の重い言葉「“リスペクト”を忘れないでください」

2023年12月4日(月)5時30分 ココカラネクスト

浦和との試合で現役生活に幕を閉じた小野。(C)Getty Images

 12月3日、明治安田生命J1リーグは3日に第34節が行われ、札幌ドームで浦和レッズを迎え撃った北海道コンサドーレ札幌は0-2で敗戦。この試合での現役引退が決まっていた小野伸二の花道を勝利で飾れなかった。

 稀代のテクニシャンの引退試合とあって、小野の古巣である浦和のサポーターも数多く駆け付けた一戦。どこか緊張感もあった試合後に札幌が行ったセレモニーで、ちょっとした出来事が話題となった。

【動画】浦和サポーターへの愛ある説教 ペトロヴィッチの挨拶をチェック

 札幌の指揮官であるミハイロ・ペトロヴィッチ監督がシーズンを総括するべく挨拶した時だった。2012年から2017年の間に率いていた浦和の一部サポーターからは指笛とブーイングが飛ぶと、66歳の老将は「浦和のサポーターのみなさん、今私にブーイングされた方は”典型的な”浦和サポーターなんだなと思いました」と苦笑いを浮かべながらピシャリ。さらに、辛辣な言葉でもって、古巣の“ファミリー”に思いの丈をぶつけた。

「これが6シーズン浦和を率いた監督に対するリスペクト…そういうことだと思います。人の土地に来て、アウェイチームが最後のセレモニーを邪魔しないでもらっていいですか。浦和さんは勝って今日3ポイントを取ったので、満足して帰ってもらっていいですか。我々のホームで最後のセレモニー……邪魔しないでもらっていいですか」

 シーズン最終戦を白星で飾れなかったフラストレーションが多少なりともあったのかもしれない。しかし、「浦和のサポーターさんは、恐らく結果さえあればそれでいい。そういうサポーターの皆さんではないですか」と苦々しい表情を浮かべたペトロヴィッチの“説教”は単なる冗談ではないように思えた。

 そんな智将以上に印象深い言葉を発したのは、この日の“主役”であった小野だった。

 自身の引退セレモニーの際に特設された壇上に上がった天才は、開口一番に「まずは浦和レッズサポーターのみなさん、今日はあたたかいブーイングをありがとうございました」と挨拶。そのうえで「ミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)さんの挨拶のときにいろいろありましたが……こう見えてもミシャさん、浦和レッズのこと大好きです」と強調。そして、約6年間プレーし、苦楽を分かち合った古巣のサポーターたちへの「願い」を語った。

「ひとつ、お願いがあります。どんなときでも、どんな人に対しても、“リスペクト”ということだけ、忘れないでください。よろしくお願いします」

 場内が一瞬だけ静寂に包まれた。それほど元日本代表MFの発した言葉は重みがあった。

 試合後にネット上で物議を醸した智将へのブーイングは、それほどペトロヴィッチが「偉大な存在」であったという想いの裏返しなのかもしれない。だが、”あの場”でのブーイングは、果たして相応しかったのか。かつてクラブの象徴でもあった選手がアウェーサポーターに「リスペクト」を求めたのは、もちろん”台本”にはなかったことだろう。

 浦和サポーターの存在感はJリーグでも屈指。その統率性たるや世界に誇れるものがある。そんな彼らに、クラブ史を彩ったレジェンドたちからの叱咤はどう響いただろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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