【F1第23戦無線レビュー(2)】ピットロードでの並走に驚くマグヌッセン「アロンソがしていることはやってもいいの?」

2024年12月5日(木)9時0分 AUTOSPORT web

 2024年F1第23戦カタールGP。レース中盤、アレクサンダー・アルボンのマシンからミラーが落下し、その後デブリが散らばったことで、ダブルイエローフラッグが掲示された。この時減速を怠ったとして2番手走行中のランド・ノリスに重いペナルティが与えられ、コンストラクターズ選手権を争うマクラーレンは痛手を負ったのだった。カタールGP後半を無線とともに振り返る


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 F1第23戦カタールGPのレース折り返し点を過ぎた30周目。首位は依然としてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。ランド・ノリス(マクラーレン)が約2秒後方で食い下がっていた。


30周目
ウィル・ジョゼフ:どこまで引っ張れそうか、教えてくれ。
ノリス:もっと大きな声で言ってよ。
ジョゼフ:どこまで引っ張れる? フェルスタッペンに対抗できるなら、そのままペースを上げてくれ。


 その直後、アレクサンダー・アルボンのウイリアムズマシンからミラーがはずれ、メインストレート上に転がった。




31周目
フェルスタッペン:黄旗だからアクセルを戻すんだよね。ランドはリフトしてないと思う。チェックしてくれ。
ジャンピエロ・ランビアーゼ:ランドはリフトしていない。
フェルスタッペン:ちゃんと(FIAに)レポートしてくれ。

2024年F1第23戦カタールGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 フェルスタッペンとノリスの差が、一気に縮まった時があった。ノリスが加速したのが、ミラーが放置され黄旗が出ている区間だと判断したのだろう。


34周目
ルイス・ハミルトンパンクだ

2024年F1第23戦カタールGP決勝 タイヤがパンクし、ピットに戻ってきたルイス・ハミルトン(メルセデス)


 左フロントタイヤがパンクチャー。立て続けにカルロス・サインツ(フェラーリ)も、同じ左フロントのパンクに見舞われた。


35周目
サインツ:左フロントがおかしい


 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、サインツらが次々にピットに向かい、直後にセーフティカー(SC)が導入された。


 23周目に早めのピットインでハードに履き替えていたラッセルが、SCのタイミングで2度目のピットイン。再びハードが選択された。


37周目
ラッセル:どうしてハードをつけたんだ? なぜなんだ? このタイヤ、XXなのに

2024年F1第23戦カタールGP ジョージ・ラッセル(メルセデス)


 ハードタイヤの挙動が、気に入らなかったようだ。しかしミディアムタイヤは、ユーズドしか残っていない。


 ピットロードを行くケビン・マグヌッセン(ハース)に、フェルナンド・アロンソが傍から迫る。そのまま2台並走し、アロンソが先にピットアウトしていった。


マグヌッセン:何が起きているんだ? これって、あり? アロンソがしていること、やってもいいの?
マーク・スレイド:チェックしている。




 セーフティカー明け間近になって、フェルスタッペンが異常を知らせた。再スタート前には消灯するはずのセーフティカーのライトが、点いたままになっているという。


39周目
フェルスタッペン:ライトが点いたままになっている。
ランビアーゼ:待機だ。待機しろ。


ランビアーゼ:再スタートの準備をするんだ。よし、ライトが消えたぞ。
フェルスタッペン:ライトの不具合だね。


 ノリスも異常に気付いていた。


ノリス:セーフティカーのライトが全然消えてないよ。


 5番手まで順位を上げていたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、SC周回中の39周目にスピン。リタイアを喫した。駆動系のトラブルのようだった。


ペレス:ドライブを失った。


 2番手を行くノリスに、黄旗で減速しなかったことに対し厳しい裁定が下された。


45周目
ランビアーゼ(→フェルスタッペン):ランドは10秒ストップ&ゴー、2周以内にピットするぞ。


ジョゼフ:10秒ストップ&ゴーのペナルティだ。この周にボックスだ。
ノリス:なんで?
ジョゼフ:黄旗で減速しなかった。



2024年F1第23戦カタールGP 10秒のストップ&ゴーペナルティを消化し、再びコースへ向かうランド・ノリス(マクラーレン)


 レース終盤、周冠宇(キック・ザウバー)は8番手まで順位を上げていた。


46周目
ヨルン・ベッカー:アロンソが25秒2で走っている。
周:ほっといてくれ。プッシュしている。


47周目
ピーター・ボニントン:ルイス、ピットレーンでの速度違反で、ドライブスルーペナルティだ。最初のセーフティカーで、ボタンを押し忘れたようだね。
ハミルトン:じゃあ、もうリタイアしよう。
ボニントン:いや、この周にペナルティを消化しよう。
ハミルトン:クルマを止めようよ。
ボニントン:ダメだ。
ハミルトン:ピットに入ったら、スイッチを切るよ。
ボニントン:わかった。次のレースで5秒ペナルティを受けてもいいのなら、そうするんだ。




 完全に戦意喪失したハミルトン。ボニントンの説得で、なんとかレースを続けた。


 レースはスタートで首位を奪ったフェルスタッペンが、そのまま独走した。2戦前のサンパウロに続く勝利だ。


フェルスタッペン:また信じられないレースだったね。存分に楽しんだよ、ハハハ。




 ピエール・ガスリー(アルピーヌ)も望外の5位入賞を果たした。


ガスリー:レッツゴー!!!
カレル・ルース:P5だ、
ガスリー:最高だ……。マグヌッセンはどこだ?
ルース:P9だ。僕らはP5だ。よくやった。
ガスリー:5ポイント差ということだね?
ルース:そう。僕らが抜き返したんだ。
ガスリー:クルマは素晴らしかったよ。昨日と全然違った。




 熾烈なコンストラクターズ選手権の6位争い。スプリントを終えた時点では、ハースが2ポイント先行していた。それがガスリーの5位入賞で、アルピーヌは再び6位に復帰した。


 そして周が、23戦目にして今季初入賞を遂げた。


ベッカー:P8。素晴らしい。
周:レッツゴー!!
ベッカー:ドライバー・オブ・ザ・デイにも選ばれたぞ。




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