「2強対決」はどう買うか?東大ホースメンクラブが徹底分析

12月5日(木)17時0分 SPAIA

2019年のフェブラリーステークスⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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今年2強で決着したGⅠはわずか1レース

今回のコラムのテーマは「2強対決」。今週のカペラSでは藤田菜七子騎手のJRA重賞初制覇がかかるコパノキッキングvs前走JBCレディスクラシック2着に好走したゴールドクイーン、2歳女王決定戦、阪神JFではアルテミスSを勝ったリアアメリアvs新潟2歳Sを豪快に差し切ったウーマンズハートと、今週の土日重賞は両方とも2頭が抜けた人気を集めそうだ。馬券の取捨の面ではどのように評価すれば良いのか。データを使って分析していこう。

今年のGⅠで「2強対決」とあおられたのは、現役最強馬アーモンドアイが出走した安田記念と天皇賞・秋だった。その他のレースでも事実上の「2強対決」となったケースが例年に比べ殊に多かった印象だ。上位2頭の人気が拮抗したレースを下に列記する。

①フェブラリーS(1番人気インティ2.6倍・2番人気ゴールドドリーム3.0倍)
②桜花賞(1番人気ダノンファンタジー2.8倍・2番人気グランアレグリア3.4倍)
③天皇賞・春(1番人気フィエールマン2.8倍・2番人気エタリオウ3.3倍)
④安田記念(1番人気アーモンドアイ1.7倍・2番人気ダノンプレミアム3.2倍)
⑤スプリンターズS(1番人気ダノンスマッシュ2.8倍・2番人気タワーオブロンドン2.9倍)
⑥天皇賞・秋(1番人気アーモンドアイ1.6倍・2番人気サートゥルナーリア3.4倍)
⑦エリザベス女王杯(1番人気ラヴズオンリーユー2.5倍・2番人気クロノジェネシス3.5倍)

しかし、これらの7レースで1・2番人気がワンツーを決めたのは①のみ。2頭とも3着以内を確保したのも①⑤の2例にとどまる。戦前の予想ほどすんなりと決着するのはむしろまれ、「両雄並び立たず」の結果が大半だった。

では「2強対決」に際してどのように買うと儲かるのか。過去5年のデータを使って分析する。なお「2強対決」の定義は、上記7レース全てに該当する「2番人気の単勝オッズが3.5倍以内」とした。また、実際に2頭が抜けた人気を集めていなくとも条件を満たしやすい少頭数の場合を除くため、データ分析には12頭以上が出走したレースのみを使用する。

芝の良馬場・多頭数なら1点買いが◎

まずは1・2番人気の成績(データは2014年12月6日〜2019年12月1日のものを使用)。

過去5年「2強対決」の1・2番人気成績ⒸSPAIA

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1番人気の複勝率が67.7%、レース全体における1番人気の複勝率が6割強なので、水準より上の数字だ。2番人気の複勝率も61.8%で1番人気と遜色ない(ちなみに単勝回収率は1番人気が82%、2番人気が80%、複勝回収率はともに85%だった)。

この2頭の馬連1点のみを買い続けた場合、的中率は22.2%、回収率は87.6%。ワイド1点の場合は的中率40.6%、回収率80.7%だった。機械的に買い続けただけでもある程度収支が整っており、1点買いは悪手ではないかもしれない。

そこで馬連1点買いに絞り、回収率がいい条件、悪い条件を調べてみた。

過去5年「2強」馬連1点買いが買える・買えない条件ⒸSPAIA

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芝の良馬場は回収率が100.1%。馬の実力が十分に発揮されやすい条件のためか、人気通りの決着が多いようだ。17頭立て以上で行われるレースも101.2%を記録。こちらは頭数が多い分、人気通りに決着しても配当がやや高めになることが理由か。

クラス別では2勝クラスが104.6%で最高だった。該当する全レースを買うだけで収支がプラスになるため、実際にレースを吟味すればさらに回収率が高まる優秀なデータといえそうだ。

逆に1点買いを買い控えたいのは、札幌・函館開催。理由ははっきりしないものの、他の競馬場がおおむね90%を超えているのに比べ一段と低い。さらに馬場が悪いと人気馬の信頼が揺らぎ、芝の重馬場は55.8%、不良馬場ともなると芝・ダートともに30%台にまで低下する。これらの条件に合致する場合は盲目的に1・2番人気から買ってはいけない。

この文章執筆時点で土曜の中山は雨マークがついている。日曜まで馬場が悪いと、カペラSで馬券は2強からと決めつけるのは早計だ。

GⅠの「2強対決」は1番人気が走る

先ほど1・2番人気馬のワイド的中率が約4割というデータを紹介した。さらに詳細なデータをとると、

①2強ともに3着以内…40.6%
②1番人気のみ馬券圏外…21.2%
③2番人気のみ馬券圏外…27.1%
④2強ともに4着以下…11.1%

という結果に。つまり2強のうち少なくとも1頭が馬券になる確率は88.9%もあった(GⅢに限ると95.9%まで上昇する。前述のデータを踏まえ、カペラSは2頭どちらかから買うのが良さそうだ)。

ここでは今年のGⅠで多かった③に注目し、1番人気が信頼できる「2強対決」の条件を探る。

過去5年・「2強対決」1番人気が買える条件ⒸSPAIA

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1番人気の好走率が際立っていたのはGⅠ。過去5年の17レースのうち、4着以下は2レースのみで複勝率は88.2%を記録した。2番人気も58.8%と悪くはないものの、複勝率に3割もの差があれば信頼度の面では格が違う。GⅡも複勝率が1番人気82.4%・2番人気58.8%と差が出た。

2000m戦も波乱が少なく、1番人気の複勝率は7割を超える。このうち中山芝2000mが最も固く該当馬は【14-6-2-5】勝率51.9%・連対率74.1%・複勝率81.5%をマークしていた。連対率7割超えは出色の数字。ちなみに2番人気馬も2000mでは崩れにくく、複勝率64.2%は平均を上回った。1600m戦も優れた連対率・複勝率を残している。

阪神JFはGⅠ・1600m、1番人気が崩れにくい条件を2つ備えている。単勝オッズ1倍台の支持が予想されるリアアメリアだが、GⅠ・1番人気・単勝オッズ1倍台を満たす馬の成績はデータが残る1986年以降で【7-4-4-4】。このうち平地芝2500m以上のレースを除くと【6-3-4-1】複勝率92.9%まで上昇する(馬券外は05年宝塚記念タップダンスシチーのみ。8歳と高齢だった)。文句なしの鉄板軸だ。

「2強」がともに消えやすいパターンは?

最後に「2強」がともに4着以下の共倒れとなりやすい条件を調べた。

「2強」共倒れになりやすい条件ⒸSPAIA

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共倒れ率3割を超えていたのが2500m戦。例こそ少ないが3割越えは他では見られない数字だった。18年の日経賞で1番人気キセキ・2番人気トーセンバジルはそれぞれ9着、5着に敗れている。

芝の不良馬場も前述のとおりやはり荒れやすく2割超え。施行回数の多いコースの中では中山芝2200m・ダ1800mが共倒れしやすい。また障害戦は落馬のリスクが平地より大きいためか、共倒れ率が高かった。

ちなみに過去5年のGⅠにおいて、1・2番人気がいずれも馬券外に消えたレースはひとつもなかった。2強対決の時は、極端な穴狙いは禁物だろう。


《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

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