阪神ドラ2井上、春の雪辱!夏の甲子園決勝で奥川から3ラン

12月5日(木)9時28分 スポーツニッポン

夏の甲子園決勝で星稜・奥川(左)から3ランを放った履正社・井上

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 ◇虎ルーキーの素顔に迫る 最高峰の舞台にトライ ドラフト2位・井上広大(3)

 今春の選抜大会。初めて立った甲子園のグラウンドで井上広大は大きなショックを受けた。星稜との1回戦で奥川の前に履正社は散発3安打、17三振を奪われて零封負け。4番打者としても9回1死一、三塁でスライダーを引っかけた投ゴロ併殺打で最後の打者になるなど4打数無安打2三振に終わった。「びっくりした…の一言でした。直球とスライダー、一つ一つが全く違う。(スライダーは)ボールが消えました」。念願だった聖地でレベルの違いを痛感させられた。

 最後の夏に向けて立ち止まっている時間はなかった。選抜での打撃を見直し、「変化球にただ当てるだけのバッティングになっていた。タイミングの取り方でポイントの位置を前から後ろに置いて、より変化球を強くたたけるように」と打撃フォームに修正を加えた。「人って絶対に調子の波がある。何がダメだからこうなっているのかという分析ができないと調子が上がっていくことは絶対ない」。冷静な思考で自分の弱点に向き合った。

 岡田龍生監督は指導法について「自分でどこまで考えてやれるのかというのを大切にしている。言われたことだけしていれば一番楽だけど実力は伸びないですからね。山田(哲=ヤクルト)にしろT(T—岡田=オリックス)にしろ、そういうことをできているから、ここまでそれなりにやれている」と語る。広大も自ら考えて課題を見つけ、克服していく力を備えていた。

 最後の夏を迎える前にプロ志望届の提出を決断。岡田監督からの「甲子園に行かないと絶対声はかからないぞ」という言葉に発奮した。4本塁打の活躍で激戦区の大阪大会を勝ち抜き、甲子園大会でも準決勝までに2本塁打を放って決勝へ進出。初優勝を懸けた大一番で奥川擁する星稜との再戦を迎えた。

 「チームの総合力を考えても、必ず上に上がってくるチームだと思っていました」

 1点を追う3回2死一、二塁から奥川の初球を捉え、高校通算49発目をバックスクリーン左へ打ち込んだ。春の対戦では「消えた」と脱帽したスライダーを仕留めた逆転弾。成長を示す一撃で悲願の全国制覇へ導いた。

 感謝の思いは尽きない。小学6年の時に両親が離婚してからは8歳年下の弟・祝榮(しゅうえい)君とともに母・貴美さんに女手一つで育てられた。

 「父親がいない家庭って長男がしっかりしている感じですし、自分が引っ張っていかないといけない気持ちがあります。お母さんに面倒を見てもらったのが一番なので。感謝の気持ちしかないです。自分の売りであるバッティングでお金をもらって恩返しします」

 ドラフト2位でプロ入りし、最初の恩返しはできた。もちろん、終わりではなく、始まりだ。本塁打王を将来の目標に据え、最高の恩返しを思い描いた。(阪井 日向)

スポーツニッポン

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