マツダ・SKYACTIV-Xエンジン、新型Mazda3(アクセラ)に どこが革新的なのか?

12月6日(木)21時6分 財経新聞

SKYACTIV-X(画像: マツダの発表資料より)

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 2018年11月28日、ロサンゼルスモーターショー2018で新型Mazda3(日本名、アクセラ)が発表された。この車の最大の注目点は、「SKYACTIV-X エンジン」だ。かねてより、プレス向け、試作車の試乗会などが開かれ、世界から注目されていた新型ガソリンエンジンである。

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 この新型ガソリンエンジンのスペックで注目すべきは、『圧縮比16:1』だ。これは、現在のマツダが持つディーゼルエンジンSKYACTIV-Gの14:1を凌ぐ高圧縮比だ。ディーゼルエンジンの圧縮比のさらに上を行く16:1は、これまでのガソリンエンジンの技術ではノッキングを起こし実用にならない値だった。圧縮比が上がれば出力は出る。希薄な燃料で燃焼させられれば、CO2の排出量を低く抑えられ、燃費は良くなる。理想のエンジンだ。

 マツダはこれを、SPCCI(Spark Plug Controlled Compression Ignition)と名付けた。PCCI (Premixed Charge Compression Ignition)「予混合圧縮着火」とSI (Spark Ignition) 「火花点火」を組み合わせた技術だ。つまり、ガソリンエンジンの基本的燃焼方法である「予混合」、つまり吸入空気にあらかじめ燃料を混合しておき、ディーゼルエンジンの基本的燃焼メカニズムの自然着火「圧縮着火」を組み合わせた技術だ。

 これが分かりにくいのだが、狙いは「燃料の節約」と「高出力」だ。燃費が良く、熱効率が高いエンジンで、マツダが主張する「Well to Wheel」(油田からタイヤまで)を考えて地球温暖化防止に貢献しようとするものだ。

“燃料採掘時から車両走行時まで「ウェル・ツー・ホイール」の考えに基づいたCO2排出量削減”(マツダ公式サイト)

 単純なEV化に対し、現実の対応として発電も含めてCO2排出を減らそうという、マツダの執念を感じるエンジン技術だ。

 その仕組みは、「燃料をガソリンエンジンの基本的動作と同じように予混合して」おいて、「高圧縮でディーゼルエンジンのように自然発火」させるものだ。しかしそれは、エンジン回転数、エンジン負荷領域、吸入空気の温度、燃料の質などで不安定となってしまう。安定して燃焼する負荷領域が狭く、これまでは制御できなかった。

 これを解決するべくマツダは、全領域でプラグ点火を行い、プラグ周辺で起きた燃焼によるポンプ効果で、燃焼室全体をさらに圧縮し、圧縮着火(CI)を誘発する方式を考えた。これにより、燃焼タイミングを安定させることに成功している。マツダではこれを「エアピストン」と呼んでいる。

 “SKYACTIV-Xは、たくさんの気体を強い力で 圧縮して点火プラグで火を付けるとシリンダー内で多数の火種がすばやく燃焼(圧縮着火)し、大きなエネルギーを得られる仕組みになっている。高圧縮状態で火種を自着火させるという穏やかな異常燃焼のような現象を利用している。”(マツダ公式サイト)

 火花点火でありながら、従来のような火炎伝播燃焼ではなく、火炎核が成長する際に生じる圧力を利用して筒内圧を高め、その温度上昇を利用して自己着火させる。これならPCCI燃焼は成立するし、点火時期を変えることで圧力ピークもコントロールできる。

“混合気における気体の割合が大きければ大きいほど、燃費は良くなる。SKYACTIV-Xは従来のエンジンより大幅に気体の割合を大きくすることに成功”
“環境性能では燃費が現行ガソリンエンジンに比べて最大20〜30%程度向上。トルクを全域10%以上最大30%向上。簡単に言うと、2.0Lガソリンエンジンのスポーツカー(ロードスター)並の走行性能を、1.5 Lディーゼルエンジンのコンパクトカー(デミオ)と同等のCO2排出量で実現できる”(マツダ公式サイト)

 マツダが主張する「Well to Wheel」「ウェル・ツー・ホイール」(燃料採掘時から車両走行時まで)を実現すべく技術開発が進んでいることを示す、マツダ・新型Mazda3の発表なのだ。

財経新聞

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