シルバーストン、イギリスGP開催の契約条件を「妥協しない」と主張。F1側も譲歩の姿勢見せず

2018年12月7日(金)17時53分 AUTOSPORT web

 シルバーストン・サーキットのマネージングディレクターであるスチュアート・プリングルは、F1の首脳陣に対し、事業の優先事項として収入源の多様化に取り組んでおり、イギリスGP開催の契約交渉において譲歩するつもりはないと主張した。


 歴史あるシルバーストン・サーキットを保有、運営しているブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ(BRDC)は、2017年に負担の大きいF1の現行契約における破棄条項を行使した。このため、BRDCにとってより有利な内容で契約が更新されないかぎり、シルバーストンがイギリスGPを主催するのは2019年が最後となる。


 月曜日、プリングルはF1のCEOチェイス・キャリーも列席したBRDCアワードのセレモニーにおいて、次のように話した。


「これまでグランプリレースだけを財源としてきた結果、我々の事業は苦境に陥ってしまった」とプリングルは語った。


「したがって事業の多角化が必須と考え、実際にそれを進めている。ホテルを建設するほか、シルバーストン・エクスペリエンスを2019年にオープンさせる予定だ。そこに短期滞在用の高級宿泊施設も追加する。また、アストンマーチンは現在テナントとして活動している」


「物事は概ね正しい方向に進んでいる。それゆえ我々は、グランプリレースの開催地であり続けたいと強く願っているが、条件面で譲歩をするつもりは一切ないと自信をもって言える」


「F1グランプリがなくなっても継続していけるだけの、より幅広く、多角化された事業形態を実現する。だが事業にグランプリ開催を含め続けられるならば、その方がより望ましい」


 キャリーとしては、シルバーストンとの間で続いている交渉において、F1側から妥協するつもりはないという。だが一方で、カレンダーに新たな開催地が追加されても、スポーツの歴史的ルーツは保持されるべきだとの信念を繰り返し述べている。


「我々はとても明快だ。スポーツは基盤の上に築かれていくものであり、F1の基盤はここヨーロッパの地だ。F1を最も長く応援してきたファンは、ヨーロッパの人たちだ。そしてF1はその基盤の上に築かれなければならない」とキャリーは語った。


「我々はF1がこの地で力強い存在であり続けるために努力する。そして世界中の新たなファン層を開拓できると思っている」


「現実問題として、ほとんどのグランプリレースはそれなりに長期間続いているものばかりだ。だからF1においては変化していない施策も多い」


「だが我々は、そこにある程度の新鮮さも加えられると思う。人々の新たな想像力をかき立てるような場所を複数開拓することも重要だろう。そのうえで、F1をこれだけ長い期間、価値ある存在としている要素も大切にしていきたい」


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