メルセデスF1リザーブで得た学びを語るシューマッハー「言葉を使わずに理解する」ハミルトンの特別さ

2023年12月7日(木)18時30分 AUTOSPORT web

 2023年F1第23戦アブダビGPで、ミック・シューマッハーはメルセデスF1リザーブドライバーとして初めてのシーズンを終えた。彼はこのユニークな経験から得た主な教訓について明かした。


 シューマッハーは2022年F1シーズン終了後にハースF1のレースシートを失った後、メルセデスのリザーブドライバーに起用された。


 24歳のシューマッハーの現在の担当業務には、チームのシミュレーターによる開発作業と、レースウイークにメルセデスに同行することが含まれている。


 なおシューマッハーは、2023年の夏にバルセロナで実施されたピレリタイヤテストを任され、サーキットに戻る機会を得ている。

バルセロナでピレリのF1タイヤのテストを行ったミック・シューマッハー(メルセデス リザーブドライバー)


 シューマッハーは、かつて常勝チームだったメルセデスが困難なシーズンを迎えている最中にリザーブドライバーという役割を担った。ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルと一緒に仕事を行い、チームの幾多の試練を直接経験したことで、シューマッハーは非常に特徴的な学びを得た。


「人々が忘れていることに僕は気づいていたけど、今もあまり考えられていないことは、誰もが人間であり、同じ不安を抱えているということだと思う」とシューマッハーは公式F1ウェブサイトのインタビューで語った。


「それは僕にとって最大の学びだった」


「自分でドライブしていたときに答えが見つからなかった疑問のいくつかは、ここで答えが得られた。特に、レースをしているときは誰もが何かを乗り越えているということだね。その経験ができたのは素晴らしいことだった」


「また、彼らが優れているのは、彼らの取っているアプローチに理由があることはもちろんだ」


「ルイス(ハミルトン)がチームに長年在籍していて、チームとのつながりを持っているのは素晴らしいことだ。彼らは言葉を使わずに会話し、お互いを理解できる。これは本当に特別なことだと僕は思っている」


 シューマッハーは、2023年の努力と献身について幅広い称賛を受けた。彼を称賛したのはハミルトンとラッセルだけでなく、メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフも含まれている。

ミック・シューマッハー/トト・ウォルフ(メルセデス)


 残念ながら、そういった称賛はシューマッハーがF1フルタイムシートを獲得する助けにはならなかった。


「みんながそのことを認識してくれるのは素晴らしいことだ」とシューマッハーは認めている。


「でも残念ながら、今僕はレギュラードライバーではなくリザーブドライバーとしてここにいる」


「だから、明らかに何かが間違っているし、理解し難いときもある」


「不運にも多くの契約は複数年で結ばれているので、2024年のシートに空きはない。少し厳しい立場にいるけど、2025年には多くの空きが出るから、様子を見ないといけない」


 そうは言うものの、シューマッハーは来シーズンにドライバーに復帰する。ただしそれはF1ではない。シューマッハーはメルセデスのリザーブドライバーを務めながら、WEC世界耐久選手権にワークス参戦するアルピーヌのチームに加わる予定だ。


「僕はF1とのとても緊密なつながりを維持していくつもりだし、そうすることでF1界の人たちに自分自身を証明することができることを願っている。今も僕がモータースポーツの最高峰であるF1ドライバーにふさわしく、ここに属しているのだということをね」

2023年F1日本GP ミック・シューマッハーと戯れるエステバン・オコンとランス・ストロール
グッドウッドで父ミハエルが駆ったメルセデスMGP W02でデモランを行ったミック・シューマッハー
アルピーヌに加わり、2024年のWECへとデビューするミック・シューマッハー

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