鈴鹿のコースレコード更新もペナルティに悔しさ露わ。ENEOS GR Supraの福住仁嶺に笑顔なし
2024年12月7日(土)23時33分 AUTOSPORT web

12月7日、三重県の鈴鹿サーキットで公式予選が行われたスーパーGT第7戦『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』。GT500クラスでは、12月の開催ということもありコースレコード更新に期待がかかったが、Q2でENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺が1分43秒143というタイムを記録。レコードを更新したが、一方で5グリッド降格のペナルティも受けることに。予選後、福住は悔しさと申し訳なさをにじませた。
当初8月31日〜9月1日に予定されていたスーパーGT第5戦。台風の影響で12月に延期されることになったが、気温の低下により、公式予選ではGT500クラス、GT300クラスともに屈指のドライバーズサーキットである鈴鹿のコースレコード更新に期待がかかった。
迎えた公式予選では、GT300クラスではジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ駆るリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが1分55秒092を記録し、2018年にK-tunes RC F GT3の中山雄一がマークしていた1分55秒531をブレイク。一方、GT500クラスではQ2で福住が駆るENEOS X PRIME GR Supraが1分43秒143を記録。2022年第3戦で国本雄資駆るWedsSport ADVAN GR Supraが記録した1分44秒112を大きく上回るレコードを記録した。
ただ、福住がアタックに入る前に後方でアクシデントが起きた。早めのタイミングでアタックラップに入っていたMARELLI IMPUL Zの平峰一貴が、日立Astemoシケインでのブレーキングで福住に進路を塞がれるかたちになってしまい、姿勢を乱しスピンを喫してしまった。
この件については、予選後福住に対しスポーティングレギュレーション18-2にあたる『ドライバーの遵守事項違反(他車の妨害となるようなスロー走行)』のペナルティが課され、決勝は5グリッド降格の8番手からスタートすることになってしまった。
決して福住は意図して進路を塞いだわけではないが、塞いだかたちになってしまったのも事実。自身のSNSでTEAM IMPULへの謝罪も綴っている。予選後、福住に状況を聞くと「タイミングとしてはチェッカーまでまだ1分以上ありましたし(※編注:中継映像では残り1分16秒ほど)、うしろが来ていることを正直全然知りませんでした。前を走っていた24号車(リアライズコーポレーション ADVAN Z)とのスペースをあけようとシケインにゆっくり入ったところで、突然12号車が現れたような印象です」と語った。
スーパーフォーミュラでも見られるが、GT500ではチェッカーギリギリのタイミングで1回アタックを行うことが多く、今回もGT500では低温ということもあり、ほとんどの車両がウォームアップに時間をかけアタックに入るパターンだった。ただ、2回アタックを行った車両もおり、福住にとっては予想よりも早く平峰がアタックに入っていたというのが実際のところだろう。
「妨害するようなかたちになってしまって、うしろでスピンしているのを僕は全部観ていたので、『これは最悪なパターンだ』というモチベーションの中でアタックしました」と福住は言う。今季、ENEOS X PRIME GR Supraは意図せぬペナルティを受けることが多かったが、またも“何もない週末”ではなくなってしまうことを感じた福住は、コクピットで動揺しながらアタックに入った。
「アタック自体は完璧だったかと言われれば、完璧ではなかったと思います。動揺もあったと思いますし、細かいミスもあったと思います。もう少しまとめられればもっと良いタイムが出るんじゃないかという感覚のアタックでした」
ただ、そんな状況で記録された1分43秒143が結果的にQ2のトップタイムとなり、鈴鹿のコースレコードとなった。しかしそんな喜びもなく「自分がトップタイムであるとか、コースレコードを更新したということは頭にぜんぜん無いです。個人的にはもったいなかったですし、悔しい予選になってしまいました」と福住は笑顔なく語った。
「こういう出来事が起きてしまって“何もない週末”がなくなってしまったのですが、明日自分たちがもっているパフォーマンスが決勝でも出せればと思います。もちろん予選とは変わると思うのでどんなパフォーマンスになるか分かりませんが、とにかく明日こそは良い日になって欲しいと思いますし、僕たち全員が努力して、良いクルマに仕上げ、安定した強いチームを作り、来年に向けたレースができればと思っています」
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