「ガッツマン」平野恵一から継いだ魂 オリ西野、真の後継者となるために

12月8日(金)14時17分 フルカウント

昨年は完全にレギュラー定着、平野氏の背番号「5」を継承も…

 もがき、苦しんだ1年だった。昨季は全試合出場を果たしたオリックス西野真弘内野手が、今季100試合の出場で打率.234にとどまる悔しいシーズンを送った。

 167センチの小さな身体ながら、広角に打ち分けるバッティングと俊敏かつ堅実な守備で、二塁のレギュラーをつかんでいた西野。同じように小柄ながらも、全力プレーが代名詞の「ガッツマン」平野恵一氏を尊敬し、その背番号「5」を受け継いで臨んだ1年は、苦闘を強いられる結果となってしまった。

 西野は、東海大浦安高校、国際武道大学、JR東日本を経て、2014年にドラフト7位でオリックスに指名される。守備が売りとされていたが、春季キャンプで注目が集まったのは打撃の方だった。広角に打ち分け、俊足でかき回す。「実戦向きの選手」と評され開幕1軍の座を手に入れると、瞬く間に主力選手への階段を駆け上がっていく。

 ルーキーイヤーの2015年4月末からほぼ毎試合、スタメンに名を連ねた。打順も1番から3番までの重要な役目を任され、「つなぐ野球」をモットーにチームの勝利に貢献。7月2日を終えた段階で57試合に出場し、58安打3本塁打22打点9盗塁、打率.304という成績で、レギュラー定着はもちろん、新人王候補としても大きな期待を集める。しかし、北海道日本ハム戦で右手を骨折し、残念ながらシーズン中の復帰は叶わなかった。

 翌2016年は、二塁のレギュラーに完全に定着。リーグワーストの17失策と課題も見えたものの、名手・安達と二遊間を守った。最終的に142安打2本塁打33打点16盗塁、打率.264という成績を残すとともに、全試合出場を果たして身体の強さもアピールした。

「120%のプレー」が信条だった平野氏

 この年のオフ、現役時代の平野氏が背負っていた背番号「5」を受け継ぎ、今季は名実ともに後継者となるべく意欲を燃やしていた。しかし、そんな西野を待っていたのは、プロ入り後では最も厳しいシーズンだった。深刻な打撃不振に陥って出場機会を減らし、その間に大城、小島が台頭。二塁手として最多出場を果たしたものの、一度手にしたはずのレギュラーの座は遠ざかってしまった。

 しかし、ファーム調整を経た今季終盤には、来季に向けた光明がすでに見え始めた。9月には14試合で11安打、打率.282を記録するなど、好調時のパフォーマンスを取り戻しつつあったのだ。大城を筆頭に、二遊間をめぐるチーム内の競争は激化している。それでも、西野がレギュラー有力候補であることに変わりはない。ここで得た復活への手ごたえを確実なものにできれば、レギュラーの再奪取もそう遠い目標ではないだろう。

 西野は、尊敬する平野氏からリュックサックを譲り受けている。現在は大切に保管しているそうだが、しっかり「KEIICHI 5」と書かれているそれが西野のものであることは関係者にもファンにも周知されていたほど、師弟の絆は深い。

 現役時代、誰よりも早く内野のノックを受け、ヘッドスライディングを敢行するなど、「120%のプレー」が信条だった平野氏。その背中を追って、西野も練習中は人一倍大きな声を出している。2015年限りで引退した平野氏とプレーしたのは1年のみだったが、その短い間に「ガッツマン」から多くのことを学んだのだろう。

 苦しみ抜いた1年を終えた西野は、正二塁手の座を再び自分のものにするという思いをさらに強めたはずだ。小さくて大きな先輩が背負っていた「5」の真の後継者となるために——。2018年、西野にとっての次なる挑戦が始まる。(「パ・リーグ インサイト」編集部)



(記事提供:パ・リーグ インサイト)

フルカウント

この記事が気に入ったらいいね!しよう

後継者をもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ